アンブレラレビューを見てみよう!」シリーズその71です。
今回は、ドライアイとうつ病の関係を調べてみたぞ…!って研究を見てみましょう。



ドライアイとうつ病の関係についてアンブレラレビューを行ってみた…!

2022年の台北市立聯合病院の研究によると、ドライアイとうつ病の関係についてアンブレラレビューを行ってみたそうです。
そもそもドライアイは世界で最も一般的な眼疾患の1つでありまして、その推定有病率は11.59%なんだとか。そして先行研究でドライアイとうつ病は関係あるかも…?的な話があったんですよね。そこで今回ドライアイとうつ病の関係を調べるべく、初のアンブレラレビューを行ってみることにしたらしい。
まず研究者たちは、2022年7月20日までに発表された該当研究をPubmed、コクラン、Embaseで検索してみたそうな。するとPubmedで11件、コクランで67件、Embaseで26件の研究がヒットしたとのこと。次にこの中の重複研究を除外した後、基準に照らし合わせて各研究を精査していったみたい。
最終的に適格基準を満たした研究は5件でして、これらを基にアンブレラレビューを行ってみたそうです。
結果、ドライアイの方はそうでない方に比べて、

  • うつ病の発症率が高かった…。
  • うつ病の重症度も高かった…。
  • 有意な関係が見つかった…。

とのこと。
ドライアイはうつ病と関係があるとなったみたいですね。因みに因果関係については双方向っぽかったらしい。つまり、ドライアイの人はうつ病になりやすく、うつ病になった人はドライアイになりやすいってことですね。
但し、ここで注意点が結構ございまして、

  • いずれの研究も全て観察研究であるため、研究の質は低い
  • いずれの研究も全て観察研究であるため、ドライアイとうつ病の因果関係を結論付けることは出来ない
  • 系統的レビュー・メタ分析をまとめたとはいえ、5件のため、かなり小規模なアンブレラレビューである

って感じ。
そのため、まだまだ結論とは言えず、可能性としてあり得るかも…?って感じです。



個人的考察

とはいえ、ドライアイの症状が日常生活に悪影響を及ぼし、ひいては気分にも悪影響を与えるってのは十分可能性としては有り得そうな感じ。とはいっても、うつ病まで行くかと言われると疑問が残るのもまた事実。
ってことでこの辺については今後の研究に期待…!って感じかな~っと。



参考文献