【加筆内容】ゆっくり・はっきり・大きな声で話す!は間違いなのか?
…っとこんなフレーズの話を聞いたことがございませんか…?早速結論を言うとコレ、一部間違いだったってのがかな~り昔(約半世紀前)から分かっているんですよね…。
でもなぜか広まらないんですな。理由として個人的には、話す勉強(トークスキルを学ぶ勉強)ってのが基本ないからじゃないかな~と思うわけですよ。だから私同様、後でめっちゃ苦労する(した)方々もおられるのではないでしょうか…?
ゆっくり・はっきり・大きな声で話す…!は間違いなのか…?
1976年のミネソタ大学の研究によると、話すスピードと説得力の関係について調べてみたそうです。この研究は2つの実験を行ったもので、参加者は449人となっております。んで、2つの実験から会話のスピードと相手の反応の変化について見てみたらしい。
結果、早口で
- 情報の信憑性が増した…!=説得力が増した…!
- 自信があるように見えた…!
- 知性が高く見えた…!
- 客観的に見えた…!
とのこと。
どうやら「ゆっくり」よりも「早く」話した方が良い感じみたいですね~。
なぜ「ゆっくり」よりも「早く」話した方が良いのか…?
「ゆっくり」よりも「早く」話した方が良いってのは分かりましたが、その理由ってのが気になりますよね…?
結論から申しますと、理由は様々ある様子で、最も可能性が高そうなのは、
- 速く話す人=頭の回転が速い人=カリスマ性がある人と思われるから…!
みたいです。
例えば、以下の動画を見てみてください。
百聞は一見に如かずですよね。ゆっくり話している首相や大統領よりも早くスピーディーに話している首相や大統領の方が日本・アメリカに関係なく、頭の回転が速い人・カリスマ性があると見えるのではないでしょうか(実際にあるかどうかは関係なく)
また上記の動画からも分かりますが、ずーっとゆっくり淡々と話したり、ずーっと大きな声で話していたら、飽きるんですよね。人間の脳はデフォルトでなるべくサボるように(オートで動くように)設計されておりますんで、ずーっと同じ話し方をされると、飽きて脳がサボりだしちゃうんですよ。
典型的な例として、私がよく挙げるのが、校長先生の話はなぜ面白くないのか…?ってことです。皆さんもご経験があるように校長先生の話ってつまらないってことが多いんですよね。私も当時、つまらんな~とか、早く終わらんかな~とか思っとった訳ですよ(笑)
でもある時、なんでこんなにつまらないんだろう…?って疑問が湧きまして、ちょっと真剣に観察してみたんですな。すると見えてきたんですよ。理由が…!
何かっていうと、
- ずーっとゆっくり話している
- ずーっと淡々と話している
- メリハリがないのでどこがポイントなのか分からない
- 今、話の全体のどの辺まで来たのか分からない
- いつ終わるのか分からない(ゴールが見えない)
- 内容がそもそも興味がない
- 面白そうに生き生きと話していない
- ジェスチャーがない
って感じだったんですな。
そのため、メリハリのない話し方、特に話すスピードが遅いと飽きるんですよね。
更に話すスピードは老化の指標と捉えられる可能性があり、これも関係しているかもしれません。この辺については2024年のトロント大学の研究が分かりやすい感じでして、18歳~85歳までの健康な成人125名を対象に実験を行った結果、
- あーとかえーとかが多くなり言葉に詰まるっていう高齢者に良く見られるしゃべり方以上に、全体の話すスピードが遅い方が認知機能の衰えの指標になっていた
とのこと。
つまり、話すスピードが遅い=認知機能が衰えているってのを、皆感じ取ってそこから話しが遅いと、頭の回転が遅い人・カリスマ性がない人となってしまっている可能性もある感じ。
更に更に最近だと、タイパ然りで早口を聞くシーンが多くなっているのも原因かもしれません。例えばYouTubeやサブスクの登場や一気に観たい、結末を早く知りたいってのもあり、皆、短時間でより早く、より多くの動画を見ようとする傾向が出ております。そしてそれを可能にするのが倍速機能です。倍速で聴く事になれてしまうと普段の会話の遅さが際立つんですよね(私も経験済み)。それももしかしたら飽きたり、老化を感じる原因になっているのかもしれません。
早けりゃいいってもんでもない…!注意点がある…!
もちろん注意点もあって、例えば上記の通り、メリハリのない話し方はよくないんで、ずーっと早口も良い話し方とは言えません。この辺は「トークスキルで重要な「会話のテンポ」ってそもそもどうすれば上手くできるようになるのか?」でも紹介した通り、会話はテンポよく抑揚をつけて話す事が大事なんで。因みに抑揚をつけるには、ポイントで声の大きさやスピードを変えたり、間を入れたりして緩急をつける感じになります。
他にも早く話すためにはっきり言わず聞き取りにくくなるのも良くありません。特に高齢者へ話す時なんかは、はっきりを意識した方が良いんで、話すスピードはゆっくりの方が良いんですよね。こちらの分かりやすい例は夢グループの社長の話し方ですね。
ということで、話す相手によって変えるのも重要となります。
個人的考察
今回、ゆっくり・はっきり・大きな声で話す…!は間違いなのか…?を見てきました。
ちょっとまとめてみると、
- ゆっくり:基本は早口の方が良い。但し、ポイントはゆっくり話して抑揚をつける、相手が高齢者の時はゆっくりの方が良い、早口ではっきりが犠牲にならないよう注意するなどの注意点がある
- はっきり:正解。聞き取りやすいはっきりした声は大事
- 大きな声:正解でも不正解でもない。但し、相手に聞こえないと意味がない、はっきりするにはある程度大きな声はいる。同じ音量で話すのは良くないので、ポイントで声の大きさを変えるのが大事
となりましょう。
基本早口、ポイントでゆっくり話すと良いってのは覚えておいて損はないかと思います。