今回は、最初にうつ病と診断されて後に双極性障害と診断されるパターンは多いのかを調べた系統的レビューとメタ分析を見てみます。



うつ病から双極性障害へ診断が変わるケースについて系統的レビューとメタ分析を行ってみた…!

2017年のメルボルン大学の研究によると、うつ病から双極性障害へ診断が変わるケースについて系統的レビューとメタ分析を行ってみたそうです。
なんでも、うつ病と診断された人の中には、双極性障害の発症前段階の人がいるそうで、早期発見や予防につながる可能性があるんだとか。そこでうつ病の方を対象とした、先行の前向きコホート研究の結果をまとめて、双極性障害への移行率を見てみることにしたらしい。
まず研究者たちは、データベースを用いて該当する先行研究を検索してみたそうな。すると5,554件の研究がヒットしたとのこと。次にこれらの研究を適格基準と除外基準に照らし合わせて精査していったらしい。
最終的に選ばれた研究は56件でして、平均追跡期間は12~18年だったそうな。
では結果を見てみましょう。

  • うつ病の成人・青年の約4分の1(22.5%)が双極性障害を発症していた…!
  • うつ病から双極性障害への移行率が最も高かったのは、うつ病と診断されてからの最初の5年間だった…!

やはり、最初にうつ病と診断されて後に双極性障害と診断されるパターンって結構多いんですね。しかも最初の5年間が特に多いと…。
更にこの研究ではメタ分析を行い、うつ病から双極性障害への移行率が高い場合の特徴ってのもチェックしておりました。
ちょっと見てみますと、

  • 家族歴(OR2.89)
  • うつ病発症時の年齢の低さ(g=-0.33)
  • 他に精神病があるか(OR4.76)

って感じでした。
つまり、家族にもうつ病の人がいたり、若いときにうつ病が発症したり、精神障がいにおける二次障害があると、双極性障害になる・実は双極性障害だったってパターンが多くなるってことですね。確かに有り得そうですね…。



個人的考察

私が支援していた方でも長年うつ病と診断されていて、入院した時、双極性障害と診断が変わったって人がいたんで、結構身近に起こる事なのかもしれませんな。



参考文献