最終回は、2024年に新潟医療福祉大学が発表した、脳卒中後の患者の健康問題における問題解決療法の効果についてのRCTの系統的レビューを見てみます。



脳卒中後の患者の健康問題における問題解決療法の効果についてRCTの系統的レビューを行ってみた…!

2024年の新潟医療福祉大学の研究によると、脳卒中後の患者の健康問題における問題解決療法の効果についてRCTの系統的レビューを行ってみたそうです。
そもそも脳卒中の患者さんは、不安やうつ病、その他の精神病、PTSD、無気力、パーソナリティ問題、感情コントロールの困難さなど、メンタル関係の健康問題の発生率が高いってことが分かっております。
そのため、ここへの効果的なアプローチ法は課題となっていたんだとか。
一方で、以前にも何度か触れてきたとおり、精神疾患、特にうつ病や不安障害では、薬物療法と非薬物療法の両方を使うことが多いものの、薬物療法は副作用の観点から勝手に中止したりするパターンや中止すると状態が悪くなるケースがありました。
そこで近年注目されているのが非薬物療法、特に認知行動療法なんかの心理療法です。ただその中の問題解決療法が脳卒中患者の健康問題に効果的なのか既存の研究結果をまとめた研究はなかったらしい。
そこで今回系統的レビューを行ってみることにしたんだとか。
まず研究者たちは、2024年3月14日までに発表された該当研究をコクラン、PubMed、Scopus、CINAHL、NeuroBITE、OTseekerで検索してみたそうな。併せて灰色文献もチェックしたらしい。すると最初の検索で271件の研究がヒットしたんだとか。次にこの中で被っている研究や質の低い研究を除いていったとのこと。
最終的に残った研究は8件でして、全てRCTってことでした。
また8件の研究の特徴は、

  • 年齢範囲:18歳~90歳
  • 総サンプル数:1,249名
  • 男女の割合範囲:男性の割合は31.8%~61.7%(7件のRCTから)
  • 追跡期間範囲:6週間~1年(1件のRCTは8年間だった)

って感じだったそうです。
それでは結果を見てみましょう。

  • 8件中5件のRCTで、問題解決療法は脳卒中後のうつ病に効果があると出ていた…!
  • 8件中1件のRCTで、問題解決療法は脳卒中後の不安感に効果があると出ていた…!
  • 8件中1件のRCTで、問題解決療法は脳卒中後の無気力に効果があると出ていた…!
  • 8件中1件のRCTで、問題解決療法は脳卒中後の対処能力に効果があると出ていた…!
  • もしかしたら問題解決療法で、脳卒中後の患者さんの生活の質が良くなるかもしれなかった…!
  • もしかしたら問題解決療法で、脳卒中後の患者さんの死亡率が減るかもしれなかった…!

脳卒中後のメンタル問題に問題解決療法は使えそうな感じですねー。
但し、各研究の質を見てみると、非常に低いものから高いものまで様々だったみたいなんで、まだまだ可能性がある…!ってところまでしか分からないみたい。



個人的考察

問題解決療法は、1971年の研究でうつ病の治療法の一つとして開発され、1986年の研究1989年の研究により初めて試験されたそうです。つまり初登場や効果を調べ出したのは約50年前なんですな。
そして今、様々な研究によって他の認知行動療法と同程度の効果があるって分かったのは大きいかと。
是非気になる方は使ってみてはいかがでしょうか…?



参考文献