精神障がいや発達障がいを発症した方がいた場合、その家族のリスクはどうなのか? その4
「精神障がいや発達障がいを発症した方がいた場合、その家族のリスクはどうなのか?」シリーズの続きです。
統合失調症又は双極性障害を持っている場合、その家族は統合失調症又は双極性障害を発症する可能性が約2倍高い
2009年のコロンビア大学の研究によると、統合失調症と双極性障害の家族リスクについてメタ分析を行ってみたそうです。
そもそも先行研究により、統合失調症と双極性障害は関係がありそう…!となっていたものの、それらの家族リスクについてまとめた研究はなかったそうな。そこで今回メタ分析を行ってみることにしたらしい。
まず研究者たちは、1980年1月1日から2006年12月31日までに発表された該当研究をMEDLINEとPsycINFOで検索してみたそうな。
すると全部で2,326件の研究がヒットしたとのこと。次にこれらの研究を適格基準と除外基準に従って精査、質の高い物をピックアップしていったみたい。
最終的に選ばれた研究は66件でして、これらを基にメタ分析を行ってみたんだとか。
結果、
- 統合失調症の方の一親等の家族における双極性障害リスクは0.99%だった
- 対照群の一親等の家族における双極性障害リスクは0.48%だった
- つまり、統合失調症の方の一親等の家族における双極性障害リスクは対照群よりも約2倍(OR2.08)高かった
- 双極性障害の方の一親等の家族における統合失調症リスクは1.77%だった
- 対照群の一親等の家族における統合失調症リスクは0.85%だった
- つまり、双極性障害の方の一親等の家族における統合失調症リスクは対照群よりも約2倍(OR2.10)高かった
とのこと。
つまり、統合失調症又は双極性障害を持っている場合、その家族は統合失調症又は双極性障害を発症する可能性が約2倍高いってことですね。