今日は睡眠とメンタルの情報を軽くまとめておきます。



メンタル・睡眠・痛みの関係

そもそもWHOによれば、世界人口のおよそ27%の方が睡眠障害に苦しんでいるそうです。
例えば2018年のサウスロンドンアンドモーズリーNHS財団トラストメタ分析によると、45か国240,820人を対象に調べた結果、一般人口の7.8%の成人が重度の睡眠障害を抱えていたとのこと。また、痛み(慢性疼痛)についても軽度が26.0%、中度が16.2%、重度が9.1%、最重度が2.2%だったらしい。
更に痛みのない人と比べて、

  • 中度の痛みがある人は重度の睡眠障害リスクが3.65倍(OR3.65)高かった
  • 重度の痛みがある人は重度の睡眠障害リスクが9.35倍(OR9.35)高かった
  • 最重度の痛みがある人は重度の睡眠障害リスクが16.84倍(OR16.84)高かった

そうです。これは年齢と性別を調整しても有意差があったみたい。
因みに痛みと重度の睡眠障害の関係において、不安感で12.9%、抑うつで3.6%、ストレスの感受性で5.2%説明できたんだとか。これらを見ても、メンタル・睡眠・痛みが関係あると言えるかと…。



睡眠障害はメンタル問題が出る予兆の可能性がある…!

そしてポイントなのが睡眠障害はメンタル問題が出る予兆の可能性がある…!ということです。
この辺は2010年のオックスフォード大学レビュー論文が詳しくて、精神疾患や神経変性疾患(アルツハイマー病や認知症、パーキンソン病など)の患者さんは、睡眠や概日リズム(体内時計)が乱れるケースが頻繁に見られるそうなんですな。
そしてどうやら、睡眠障害が精神や脳の健康問題の予兆の可能性があり、これが認知障害や感情障害、神経変性疾患なんかと関係している可能性があるらしい。



その睡眠障害は様々な要因から起こる可能性がある…!

じゃあ、睡眠障害はどのような事から起こるのか…?ってのが気になるんですが、実に様々な要因から起こるみたい。
例えば、2020年のウェストバージニア大学の研究によると、極度の精神的ストレスによるコルチゾールの増加や慢性ストレスから、時差ぼけ、夜勤、夜のブルーライトなどなど、概日リズムを狂わせる生活習慣要因は全て睡眠障害リスクを上げる可能性があるみたい。



睡眠障害とメンタルの因果関係は双方向っぽい…!

更にポイントなのが因果関係です。
どうやら、

  • 睡眠障害になって精神障害になるケース
  • 精神障害になって睡眠障害になるケース

の両方があるみたいなんですよ。
この辺について、2023年のキングス・カレッジ・ロンドン系統的レビューを見てみると、双極性障害やうつ病、不安障害と認知機能障害や睡眠障害は有意な関係があり、ともに発生する可能性が高かったそうなんですな。
そのため、睡眠障害とメンタルの因果関係は双方向っぽいようです。



個人的考察

ということで、睡眠とメンタルの関係でした。
どちらも密接に関係があるので、是非、対策を心がけていきたいですね。



参考文献