アンブレラレビューを見てみよう!」シリーズその64です。
今回は、食事と胃がんリスクに焦点を当てたアンブレラレビューを見てみます。



食事と胃がんリスクの関係についてアンブレラレビューを行ってみた…!

2022年の広州中医薬大学の研究によると、食事と胃がんリスクの関係についてアンブレラレビューを行ってみたそうです。
まず研究者たちは、該当する前向きコホート研究の系統的レビューとメタ分析をPubMed、Embase、コクランで検索してみたそうな。次に検索にヒットした研究の中で被っている物を除いたらしい。その後、各研究を基準に照らし合わせて精査していったそうな。
最終的に選ばれた研究は16件でして、この中には合計57個の関連性があったみたい。
ではまず結果の大枠から見てみましょう。

  • 57個中8個の関連性は統計的に有意だった。
  • 57個中13個の関連性は結果のばらつきが大きかった。
  • 57個中3個の関連性は小規模研究だった。
  • 16件中2件のメタ分析は質が極めて低かった。
  • 16件中13件のメタ分析は質が低かった。
  • 16件中1件のメタ分析は質が高かった。

次にエビデンスレベルと関連性について見てみましょう。

  • エビデンスレベル高:総アルコール摂取量が多いと胃がんリスクが19%(RR1.19)も高かった…!
  • エビデンスレベル中:加工肉の摂取量が多いと胃がんリスクが高くなる可能性があった…!
  • エビデンスレベル低:果物・ビタミンE、カロテノイドの摂取量が多いと胃がんリスクが低くなる可能性があった…!
  • エビデンスレベル非常に低:塩漬け食品の摂取量が多いと胃がんリスクが高くなる可能性があった…!柑橘類の摂取量が多いと胃がんリスクが低くなる可能性があった…!

胃がんリスクを下げるなら禁酒と加工肉を避けるのが大事っぽいですね。
あともしかしたら果物(特に柑橘類)とか食べると良さげかも。



個人的考察

とりあえず、食べた方が良い物よりも食べない方が良い物の方がエビデンスレベルが高いんで、お酒と加工肉を控えるのが対策としてよろしいかと思います。



参考文献