精神疾患と認知症の関係についてアンブレラレビューを行ってみた!
「アンブレラレビューを見てみよう!」シリーズその60です。
精神疾患と認知症の関係についてアンブレラレビューを行ってみた…!
2022年の四川大学の研究によると、精神疾患と認知症の関係についてアンブレラレビューを行ってみたそうです。
そもそも先行研究により、精神障害と認知症発症は相関関係がありそうという結果が出ておりました。ただイマイチはっきりしていなかったので今回アンブレラレビューを行ってみることにしたらしい。
まず研究者たちは、2021年10月29日までに発表された該当研究をPubMed、Embase、Web of science、CNKI、VIP、Wanfangというデータベースを使って検索してみたそうな。すると全部で4,155件の研究がヒットしたとのこと。
次にこの中で重複している物を除きつつ、その後各研究の質をチェックして良い物を選んでいったそうな。
最終的に選ばれた研究は10件だったみたいで、ここから関係性をチェックしたそうです。
結果、
- 高齢になってからのうつ病と全認知症、アルツハイマー病、血管性認知症の関係性はエビデンスが強かった…!
- うつ病と全認知症の関係性はエビデンスが中程度だった…!
- 不安障害、双極性障害、心的外傷後ストレス障害(PTSD)、統合失調症、睡眠障害はバイアスリスクが高くエビデンスレベルが低かった
とのこと。
現時点でのアンブレラレビューで、ある程度信頼できるのは、高齢でのうつ病・うつ病と認知症リスクの関係なんですね。