去年興味深い研究を見つけまして、それが2025年の国立精神・神経医療研究センター(NCNP)が発表したものになります。
これは、以前から噂されていた、亜鉛とADHDの関係性を深掘りして調べてみたというものです。
それでは早速チェックしておきましょう。



母体のストレス→炎症性サイトカインの増加→体内炎症の悪化→亜鉛不足→胎児も亜鉛不足→胎児のADHD発症リスクの高まり、というメカニズムについて調べてみた…!

2025年の国立精神・神経医療研究センター(NCNP)の研究によると、母体のストレス→炎症性サイトカインの増加→体内炎症の悪化→亜鉛不足→胎児も亜鉛不足→胎児のADHD発症リスクの高まり、というメカニズムについて調べてみたそうです。
ADHD(注意欠陥多動性障害)ってのは、最も一般的な発達障がい(神経発達障がい)でありまして、主に子ども時代に発症し、それが生涯に亘って続くことが多いと言われております。また原因としては、遺伝要因と環境要因が相互に関係していると言われているんですな。
更に先行研究により、ADHDの方は、亜鉛が少ない、睡眠障害が多いとも出ております。そして、睡眠はメラトニンと深い関係があり、亜鉛はそのメラトニンの産生と代謝に関係のあるドーパミンの調節と関係があるとのこと。
一方で、近年注目されているのがADHDと体内炎症(慢性炎症)との関係性です。なんでも先行研究で、臍帯血中のIL-6などの炎症性サイトカインの増加が、ADHD症状の増加と関連していると出ているそうな。しかも炎症性サイトカインが多いことは血清亜鉛濃度の低下とも関連があるみたい。因みに出産前後の母親は様々なストレスがかかりますんで、炎症も起こっちゃうんですな。
つまりこれらをまとめてみると、

  1. 母親に出産前後のストレスがかかる(いわゆる周産期ストレス)
  2. 母親の炎症性サイトカインが増加→体内炎症(慢性炎症)が悪化
  3. 母親の体内炎症悪化により血清亜鉛濃度が低下
  4. 母親の亜鉛不足により胎児も亜鉛不足に
  5. 結果、胎児のADHDや睡眠障害の発症リスクが高まる

みたいな感じです。
傍証からこのような仮説が考えられるわけですね。
では、これが本当に起こっているのかってことで今回調べてみることにしたんだとか。
この研究は、3つのデータセットを用いたというもので、これらのデータから上記の流れのそれぞれの関係性や因果関係をチェックしていったみたい。
んで最後にデータを統計処理してみたんだとか。
それでは気になる結果を見てみましょうか。

  • 亜鉛濃度が低いとADHD率が有意に高かった…!
  • ADHDの方は亜鉛濃度が有意に低かった…!
  • つまり、亜鉛とADHDの関係は双方向だった…!
  • 遺伝分析により、亜鉛濃度の高さと小児のADHD症状には、負の相関関係があった…!
  • 臍帯血中の亜鉛濃度の高さと小児のADHD症状には、負の相関関係があった…!
  • 臍帯血中の亜鉛濃度の高さとIL-6濃度には、負の相関関係があった…!
  • 外れ値(極端な結果の数値)の影響を考慮して再度見てみても、臍帯血中の亜鉛濃度の高さとIL-6濃度には、負の相関関係があった…!
  • 母親の年齢や教育レベル、出生前の抗うつ薬の使用などの変数を調整して再度見てみても、臍帯血中の亜鉛濃度の高さと小児のADHD症状には、負の相関関係があった…!
  • 母親の周産期ストレスレベルは、亜鉛濃度と負の相関関係があった…!

どうやら、

  • 母体のストレス→炎症性サイトカインの増加→体内炎症の悪化→亜鉛不足→胎児も亜鉛不足→胎児のADHD発症リスクの高まり

っていう流れは本当にありそうですね。



個人的考察

まぁ、まだまだ確定とは言えないものの、ADHDのメカニズムの可能性が一つ見えたのは大きいと思いました。
もしこれを踏まえるとすると、対策としては、ストレス対策・炎症対策・亜鉛対策が柱になるんでしょうね。但し亜鉛の過剰摂取は健康に悪影響がありますんで、ここも気を付けたいところ。そのため医師に相談したり、血液検査をして低いなら積極的に摂取するのが良いのかな~と思いました。
因みに健康長寿ネットさんの亜鉛ページが参考になりますんで、ここで1日の摂取量を見て、カキやレバーを食べたり、サプリで補給が良いのかな~と。



参考文献