認知行動療法(CBT)の効果を調べた研究を片っ端から見てみる!」シリーズの続きです。今回は統合失調症の強迫性症状(OCS)に認知行動療法が有効なのか見てみます。



統合失調症の強迫性症状(OCS)に認知行動療法が有効なのか…?

2013年のドイツ中央精神衛生研究所の研究によると、統合失調症の強迫性症状(OCS)に認知行動療法が有効なのかレビューしてみたそうです。
統合失調症の患者さんによくみられる症状の一つとして、強迫性症状(OCS)ってのがあります。こちらの治療は主に薬を使って行うのが一般的なんですな。一方で強迫性障害(OCD)の治療には認知行動療法を使うことが多かったりします。
じゃあ、統合失調症の強迫性症状にも認知行動療法が使えるんじゃないか…?ってことで、今回、先行研究を見直ししてみたらしい。
んで、結果は皆さんの想像通りでして、

  • 認知行動療法+曝露反応妨害法(ERP)又は曝露反応妨害法(ERP)のみで治療を受けた患者さん30人のうち24人の強迫性症状が有意に軽減していた…!

とのこと。
やっぱ認知行動療法は強迫性障害だけでなく、強迫性症状にも有効っぽいですね~。因みに暴露反応妨害法は、あえて不安になってもらい、それの脅迫行為・回避行動を邪魔する治療法のこと。
但し、ご覧の通り、この時点では統合失調症における強迫性症状や強迫性障害の治療に認知行動療法が有効なのかを調べた研究は限られていたんですな。また、単独で効果を試した場合もよく分かっていなかったみたい。