去年(2024年)の12月末頃から「精神障がいの方の平均寿命は本当に短いのか?」シリーズを、今年(2025年)の5月初め頃から「精神障がいや発達障がいを発症した方がいた場合、その家族のリスクはどうなのか?」シリーズをそれぞれお送りしてきました。
詳しくはそれぞれの記事をご覧いただきたいのですが、結果はいずれも残念な場合が多いのが実情です。
んで実はここで終わりではなくて、これからが本当に書きたかった記事になります。つまり長かったけど(本当に長かった。半年もかかった(笑))、これまでのは前置きだったんですよね。
じゃあ、何を書きたかったのかと言いますと、「上記の予防・対策・改善」です。データで出ちまったもんは仕方ないけど、予防・対策・改善の方法が何もない訳ではないんですな。
ということで、今回からは新章突入です…!
これまで食事運動睡眠については、数多く記事を書いておりますが、認知行動療法の効果の研究をチェックした記事はあんまり書いてこなかったんで(具体的な方法については触れてきた)、その辺を中心にご紹介しようと思います。



マインドフルネスストレス低減法(MBSR)とマインドフルネス認知療法(MBCT)の効果についてRCTの系統的レビューを行ってみた…!

まず研究者たちは、2010年10月までに発表された該当研究をMedline、PsycInfo、Embaseで検索してみたそうな。因みにこの時、標準的なプログラムを用いつつ、サンプル数が33名以上のランダム化比較試験(RCT)に的を絞って探してみたらしい。すると全部で72件の研究が見つかったとのこと。次に検索にヒットした研究を適格基準と除外基準に従って精査していったんだとか。
最終的に選ばれた研究は21件でして、これらを基にデータをまとめてみたそうです。
結果、

  • マインドフルネスストレス低減法(MBSR):11件で対象グループよりもメンタルが改善していた…!3件で同等の効果があった…!
  • マインドフルネス認知療法(MBCT):2件で対象グループよりもうつ病の再発リスクが低下していた…!2件で同等の効果があった…!
  • 全体的な効果サイズは中程度だった…!

とのこと。
どうやらMBSRはメンタル改善に、MBCTはうつ病の再発予防に効きそうですな。
但し注意点としては、長期研究が少なかったことです。この辺は当時はまだなかなか難しかったんでしょうねー。



個人的考察

こんな感じで、これから認知行動療法の研究を見ていきまーす。



参考文献