良い人で仕事の出来ないやつvs嫌な人で仕事の出来るやつ、勝つのはどっちだ?
良い人っているじゃないですか。例えば好感度が高めで謙虚な人ですね。このタイプの人は対人関係が良いけど、もし仕事が出来ない人だと困っちゃいますよね…。対して嫌な人だけど仕事が出来るやつっているじゃないですか。言い方や態度はアレだからチームに亀裂が入りそうでヒヤヒヤだけど、仕事はできるから助かるみたいな感じですね。
じゃあ、どちらが会社やチームで行っていくときに良いのかと聞かれると、う~んってなりますよね。またこの疑問を持ったことがある方も多いのではないでしょうか…?
良い人で仕事の出来ないやつvs嫌な人で仕事の出来るやつ、勝つのはどっちだ…?
2022年のジェームズクック大学の研究によると、良い人で仕事の出来ないやつと嫌な人で仕事の出来るやつを比べてみたそうです。冒頭にも書いた通り、好感度と能力ってのは仕事面と対人面に大きな影響を与えます。そして好感度と同様に謙虚さも組織内では高く評価される魅力的な特性なんですな。但し、これらが対人面に与える影響はプライベートと仕事では違いそうで、また、どれが重要なのかも謎なところ…。そこで今回チェックしてみることにしたみたい。
この研究は21歳~77歳までの労働者475人(女性273人、男性201人、平均年齢40.34歳)を対象にしたというもの。参加者の就業年数は1年未満~58年までの間でして、平均年数は約20年だったらしい。また、475人のうち、233人が管理職、206人が一般社員、その他が21人、回答なしが15人だったそう。
んで、参加者全員に職場で最近プロジェクトで協力した同僚を思い出すようお願いしつつ様々な調査を実施、その後、好感度と有能度モデルに当てはめてみたみたい。
この好感度と有能度モデルってのは2005年のハーバードビジネススクールの研究に出てきたもので以下の4タイプからなります。
- 良い人で仕事の出来るやつ
- 良い人で仕事の出来ないやつ
- 嫌な人で仕事の出来るやつ
- 嫌な人で仕事の出来ないやつ
これらの4タイプの人たちが、プライベートと仕事での好感度、協力度(周囲が協力的かどうか)がどうだったのか見てみたってことですね。
では気になる結果を見てみましょう。
- タイプ:プライベートの好感度:仕事の好感度:協力度
- 良い人で仕事の出来るやつ:6.11:6.11:5.61
- 良い人で仕事の出来ないやつ:5.15:5.20:4.87
- 嫌な人で仕事の出来るやつ:4.66:5.05:5.14
- 嫌な人で仕事の出来ないやつ:3.49:3.61:3.86
ちょっとランキングにしてみると以下な感じ。
【プライベートの好感度ランキング】
- 良い人で仕事の出来るやつ
- 良い人で仕事の出来ないやつ
- 嫌な人で仕事の出来るやつ
- 嫌な人で仕事の出来ないやつ
【仕事の好感度ランキング】
- 良い人で仕事の出来るやつ
- 良い人で仕事の出来ないやつ・嫌な人で仕事の出来るやつ
- 嫌な人で仕事の出来ないやつ
【協力度ランキング】
- 良い人で仕事の出来るやつ
- 嫌な人で仕事の出来るやつ
- 良い人で仕事の出来ないやつ
- 嫌な人で仕事の出来ないやつ
ポイントは太字黄色の部分でしょう。
プライベートな好感度は皆が思う通りだったものの、仕事の好感度になると「良い人で仕事の出来ないやつ」と「嫌な人で仕事の出来るやつ」が同等のランク付けになっているんですな。更に「嫌な人で仕事の出来るやつ」の方が「良い人で仕事の出来ないやつ」よりも周囲からの協力を得られていたらしい。因みにこれらの結果に勤続年数は関係なかったそうです。
個人的考察
これらを見ると、職場では「嫌な人で仕事の出来るやつ」が「良い人で仕事の出来ないやつ」に勝ったように見えますが、研究者曰く、
- 4つのタイプのメンバーからなる多様なチームを持つことは、チーム内にバランスのとれたエナジーを発生させる
としており、どのタイプもいた方が良さそうです。つまりここに勝ち負けはないと…。
これには個人的にも納得でして、チームは総合点で勝負していますからねー。
因みに多様なメンバーはパズルのように上手く当てはめて適材適所を行うのが基本。そしてここには比較優位の考え方を使うとよろしいかと。この辺について詳しく知りたい方は「就職や転職、社内でも活躍できるようになる考え方、比較優位とそれを見極めるために使えるゲーム化(ゲーミフィケーション)」の記事をご覧ください。