アンブレラレビューを見てみよう!」シリーズの続きです。
昨日に引き続き今日もマヒドン大学のアンブレラレビューを見てみます。



食事パターンと血圧についてアンブレラレビューを行ってみた…!

2020年のマヒドン大学の研究によると、食事パターンと血圧についてアンブレラレビューを行ってみたそうです。
高血圧は心血管疾患リスクの主な危険因子でありまして、世界の死亡原因の第1位なんだとか。そして高血圧症の患者数は世界で約14億人もいるとのこと。そんな現代病である高血圧対策に良いぞ…!と言われている食事パターンがいくつかございます。そこで今回、様々な食事パターンと血圧低下効果をガッツリ深掘りしてみることにしたんだとか。
まず研究者たちは、該当するRCTの系統的レビューとメタ分析をScopus(1960年1月~2020年6月17日)とMedline(1946年1月~2020年6月17日)というデータベースで検索してみたそうな。すると3,347件の研究がヒットしたとのこと。
次にこの中で重複している物を除外しつつ質の高い研究をピックアップ、最終的に50件の研究を選ぶことが出来たらしい。
この50件の研究で扱われていた食事パターンは、

  1. DASHダイエット
  2. 地中海式ダイエット
  3. ベジタリアンダイエット
  4. 減塩ダイエット
  5. 低GIダイエット(低グリセミックインデックスダイエット)
  6. 低炭水化物ダイエット(糖質制限ダイエット)
  7. 低脂肪食
  8. 高タンパク質食
  9. 北欧ダイエット(ノルディックダイエット)
  10. パレオダイエット
  11. ポートフォリオダイエット
  12. パルスダイエット(豆類ダイエット:食物繊維や植物性タンパク質、様々な微量栄養素を多く含む乾燥種子や豆類を多く摂取しつつ、脂肪や高GI値の食品を少なく摂取する食事法のこと)

の12種類だったそうです。
次は各研究の特徴についてです。50件の研究の各メタ分析の主要研究数は3件~89件でして、サンプル範囲は7人~5,050人の間とのことでした。また男性参加者の割合は0%~100%までで、平均年齢は18歳~77歳とのことです。老若男女って感じでよろしいのではないでしょうか。
では結果を見てみましょう。

  • DASHダイエット:血圧低下に最も大きく関係しており、収縮期血圧が-3.20~-7.62mmHg、拡張期血圧が-2.50~-4.22mmHgも低くなっていた…!
  • 地中海式ダイエット:収縮期血圧の結果は一貫していなかった。拡張期血圧が-0.70~-1.99mmHgも低くなっていた…!
  • ベジタリアンダイエット:収縮期血圧・拡張期血圧共に結果は一貫していなかった。
  • 減塩ダイエット:収縮期血圧が-4.14~-7.04mmHg、拡張期血圧が-1.17~-3.22mmHgも低くなっていた…!
  • 低GIダイエット(低グリセミックインデックスダイエット):収縮期血圧は効果がなかった。拡張期血圧の結果は一貫していなかった。
  • 低炭水化物ダイエット(糖質制限ダイエット):収縮期血圧が-4.80~+0.61mmHg、拡張期血圧が-3.10~+0.77mmHgも低くなっていた…!
  • 低脂肪食:収縮期血圧・拡張期血圧共に効果がなかった。
  • 高タンパク質食:収縮期血圧が-0.21~-0.27mmHg、拡張期血圧が-0.18~-1.15mmHgも低くなっていた…!
  • 北欧ダイエット(ノルディックダイエット):大幅に低下させる可能性があり、収縮期血圧が-3.97~-5.20mmHg、拡張期血圧が-2.08~-3.85mmHgも低くなっていた…!
  • パレオダイエット:収縮期血圧が-4.75mmHg、拡張期血圧が-3.23mmHgも低くなっていた…!
  • ポートフォリオダイエット:収縮期血圧が-1.75mmHg、拡張期血圧が-1.36mmHgも低くなっていた…!
  • パルスダイエット(豆類ダイエット):収縮期血圧が-2.25mmHgも低くなっていた…!拡張期血圧が-0.71mmHgだったが統計的に有意ではなかった。

DASHダイエットと北欧ダイエットが良い感じだったみたいですね。また減塩ダイエットも悪くないもののその効果は高血圧の患者さんに診られたそう。その他は良い結果が出ていても研究数が少ないなどの問題ではっきり言えなかったみたい。



個人的考察

やっぱり血圧低下にはDASHダイエットが良いみたいですな。



参考文献