今回は腸内環境編です。それでは早速見ていきますかー。



地中海式ダイエットは腸内環境改善に役立つのか系統的レビューを行ってみた…!

2024年のテヘラン医科大学の研究によると、地中海式ダイエットは腸内環境改善に役立つのか系統的レビューを行ってみたそうです。
まず研究者たちは、2023年10月までに発表されている該当研究をPubMed、Web of Science、Scopusで検索してみたそうな。また手作業でも該当研究がないか探してみたらしい。すると全部で1,637件の研究が見つかったとのこと。次にこの中で重複している物を除外、その後、各研究の質をチェックしたそうな。
最終的に基準を満たした研究は37件でして、そのうちの17件が観察研究(6件が縦断研究、11件が横断研究)、残りの20件が介入研究ってことでした。
これらの研究結果をまとめたところ、

  • 地中海式ダイエットを行うと、腸内細菌の多様性がアップしバクテロイデス(痩せ菌)も増えていた…!

そうです。
更に地中海式ダイエットの実践により、

  • 糖尿病管理の改善
  • 炎症の減少
  • 脂肪量の低下
  • 排便の増加
  • 入院リスクの低下

というメリットも見られたみたい。



地中海式ダイエットが与える腸内細菌・パーキンソン病への影響について系統的レビューを行ってみた…!

2024年のユニバーシティ・カレッジ・ロンドンの研究によると、地中海式ダイエットが与える腸内細菌・パーキンソン病への影響について系統的レビューを行ってみたそうです。
そもそもパーキンソン病は、アルツハイマー病に次ぐ2番目に多い神経変性疾患でして、WHOによれば、2019年の時点で世界850万人の方が発症しているとのこと。
そして2021年のラドバウド大学の研究によると、パーキンソン病の原因としてはっきりと分かっているのは遺伝要因のみなんだとか。但し、環境因子もパーキンソン病リスクに何らかの関係があるっぽいみたい。
また2012年のジョージタウン大学の研究によれば、これまで見つかっている治療法は対症療法に留まっているとのことで、パーキンソン病に伴う進行性の神経変性への治療法は見つかっていないんだとか。
その対症療法のメインはドーパミン作動薬を使うんですが、パーキンソン病の非運動症状(自律神経の乱れ、精神の乱れ、認知機能障害、痛みなど)にはほとんど影響がなく、更に非運動症状は運動症状の発症よりも最大で20年前から始まることが多いそうです。
そんなまだまだ分からないことが多い、良い治療法が見つかっていないパーキンソン病なんですが、地中海式ダイエットでリスクを低下させられるという先行研究結果が出ております。ただ、研究者曰く、現在までに地中海式ダイエットがパーキンソン病の患者さんの運動症状と非運動症状に及ぼす影響を包括的に調べた研究はないんだとか。
そこで今回研究者たちは系統的レビューを行ってみることにしたそうです。
まず最初に2023年4月24日までに発表された該当研究をMedline、EMBASE、PubMed、EMCare、Scopusで検索してみたそうな。すると合計737件の研究がヒットしたとのこと。次にこの中で重複した研究を除外したそうです。
その後2023年6月にもう一度上記で該当研究がないか検索しつつ、更にGrey Literature Reportデータベースでも検索したんだとか。但し、追加の研究はなかったそう。ということで見つかっている研究を精査したんだとか。
最終的に残った研究は3件でして、


って感じ。
大分小規模な系統的レビューになっちまいましたが仕方ないですね…。
それでは結果を見てみましょう。

  • 5週間又は10週間という短期的な地中海式ダイエットの実践により、パーキンソン病患者さんの実行機能ワーキングメモリ、言語機能、全般的な認知機能、便秘、消化不良が有意に改善されていた…!
  • 但し地中海式ダイエットを忠実に実践しても、運動症状、下痢、腹痛、胃食道逆流症(逆流性食道炎と非びらん性胃食道逆流症)、短期記憶、視空間認知の変化には効果がなかった…。

全てのパーキンソン病の症状に効くわけではないものの、いくつかの非運動症状が改善するのは大きいですね。因みにこの効果は地中海式ダイエットの忠実度と腸内細菌の変化(短鎖脂肪酸の増加など)が関係してそうだったみたい。



個人的考察

そんなわけで、地中海式ダイエットは腸内細菌に影響を与え腸内環境を良くするみたいです。



参考文献