今回ご紹介する物も同じ研究チームが行ったもので、何を調べたかと言いますと、

  • 標準体重と過体重・肥満の違いでアプリを使った運動の続きやすさって変わるの…?
  • 歩数計アプリや位置情報ゲームといった違いで運動の続きやすさって変わるの…?

ってこと。確かにこれは気になりますな。
それでは早速見てみましょう…!



体型やアプリの種類の違いで運動の続きやすさに違いはあるのか…?

2024年のカトリカサンアントニオデムルシア大学準実験によると、体型やアプリの種類の違いで運動の続きやすさに違いはあるのか調べてみたそうです。
そもそも2022年にWHOが発表したヨーロッパ地域における肥満報告書によれば、10歳から19歳の青少年の24.9%が過体重であり、7.1%が肥満であるそうな。そしてスペインは過体重や肥満率が最も高い国の一つらしく、2歳から17歳の子供と青少年の200万人以上が過体重、約100万人が肥満とのこと。
そんな過体重や肥満に悩んでいる人が多い中で、アプリを使った運動介入は、この流れを変える可能性があるそうな。但し、体重の違い(標準体重と過体重・肥満)やアプリの違いでドロップアウト率が変わるのか謎だったんですよね。そこで今回研究者たちはここんところを調べてみたんだとか。
この研究は、スペインの義務教育中の子どもを対象にしたもので、まずは全員にスマホに関するアンケートに答えてもらったそうな。このアンケートは10個の質問からなりまして、スマホで勉強や睡眠に問題が起きていないか、スマホ依存度はどれぐらいか、メンタルに悪影響が出ていないかなどを見てみたそう。
次に参加した子ども達を標準体重グループと過体重・肥満グループにわけつつ、更にそれぞれのグループを4種類のスマホアプリグループ(スマホアプリはStravaPacerMapMyWalkポケモンGOを使用)にランダムに振り分けたみたい。
それと参加した子供たちの年齢は12歳から16歳の間でして、最初は合計88人が参加しておりました。その後、続けたくない、転校したなどの理由でドロップアウトした方がおります。最後までやりきった子ども達は、70人(男性31人、女性39人)でして、そのうち標準体重の方が38人、過体重・肥満の方が32人ってことでした。
ちょっと情報が多く、ごちゃごちゃしちゃうんで、以下に各グループと各人数をまとめておきます。

  1. 標準体重でStravaアプリ使用グループ:10人
  2. 標準体重でPacerアプリ使用グループ:9人
  3. 標準体重でMapMyWalkアプリ使用グループ:9人
  4. 標準体重でポケモンGOアプリ使用グループ:10人
  5. 過体重・肥満でStravaアプリ使用グループ:7人
  6. 過体重・肥満でPacerアプリ使用グループ:7人
  7. 過体重・肥満でMapMyWalkアプリ使用グループ:7人
  8. 過体重・肥満でポケモンGOアプリ使用グループ:11人

この8グループで違いを見てみたってことですね。
続いて具体的なアプリの使用方法を見てみましょう。
まず参加者全員にそれぞれのアプリを10週間使用してもらったそうです。そして期間中、最低週3回は一定の距離を歩いてもらったとのこと。
因みにStravaPacerMapMyWalkの3つは運動を促すメッセージやリマインダーがある歩数計アプリとなっております(詳しくは下記リンクからご覧ください。日本語版があるので入れて使ってみても良いかも)。ポケモンGOは、歩くと画面にポケモンが出てきて捕まえたり、たくさん歩くと報酬がもらえたりする、位置情報ゲームとなっております(詳しくはポケモンGO研究の記事をご覧ください)
話しを戻しまして、参加者全員には学校の時間外で10週間アプリを使ってもらったんですが、最初の週の目標は1日7,152歩(4.5km)だったそうです。ここから毎週595歩ずつ歩数を増やす形だったらしく、10週目の目標は12,520歩(8km)だったみたい。
それとアプリの品質評価アンケートも答えてもらったそうで、最後に集まったデータを統計処理してグループ間の違いを見てみたんだとか。
それでは結果を見てみましょう。

  • アプリの種類の違いによってドロップアウト率に有意差はなかった…!
  • 体型の違いによってドロップアウト率に有意差はなかった…!
  • 8グループのアプリの評価に有意差はなかった…!
  • 標準体重の人で見てみるとPacerの方がポケモンGOよりも一部のアプリの評価が高かった…!
  • アプリの種類の違いによってアンケート結果に有意差はなかった…!
  • 標準体重で運動量が多かった人ほど、スマホの使用率が高くなる傾向があった…!
  • 過体重・肥満にそのような傾向はみられなかった…!
  • 運動量が多かった人ほどアプリの評価が低くなる傾向があった…!

上記を見ると、体型やアプリの種類の違いによる運動の続きやすさに違いはなさそうですね。つまり、どのような人・アプリでも効果はありそうだと…。しかもどのアプリを使うことも子ども達には好評だったらしく、楽しく運動を促せた様子。大変よろしいですな。
気になるのは、歩数計アプリ(StravaPacerMapMyWalk)とゲーミフィケーションアプリ(ポケモンGO)の効果が同じだったってこと。
これについて研究者曰く、

  • ポケモンGOをゲーミフィケーションアプリとして今回選んだのが原因の可能性がある。ポケモンGOは子供たちにとって、ニーズに合わない古いアプリゲームであると認識されており、最適なゲーミフィケーションアプリではない可能性があったからだ

とのこと。ガーン。ポケモンGO研究の記事を長らく書いてきた身として悲しい言葉…。
ただ、確かに言われてみれば、ポケモンGOリリースが2016年なんで、この研究の時点(2024年)で見ても、8年前のリリースなんですよね。2024年時点で12歳から16歳の子どもたちにとっては古いゲームでニーズに合わないってのは有り得そうですな。



個人的考察

時代や年代に即した、ゲーミフィケーションアプリを使う、もっといえば、自分に合った、気に入った歩数計アプリや位置情報ゲームを選ぶのがベストなのかもしれませんね。



参考文献