非常に難しい障がいである「境界性パーソナリティ障害」とその代表的な治療法である「弁証法的行動療法(DBT)」について学んでおきますかー その7「弁証法的行動療法の研究編3」
境界性パーソナリティ障害患者における弁証法的行動療法(DBT)の効果について2年間(治療1年、退院後1年)の追跡調査を行ってみた…!
2015年のワシントン大学のRCT・単盲検によると、境界性パーソナリティ障害患者における弁証法的行動療法(DBT)の効果について2年間(治療1年、退院後1年)の追跡調査を行ってみたそうです。
この研究は、18歳から60歳までの女性99名が参加したもので、以下の要件を満たした人たちだったそうな。
- DSM-IVによる境界性パーソナリティ障害の基準を満たしている。
- 過去5年間に自傷行為(自殺未遂・非自殺的自傷行為(NSSI))を少なくとも2回行っている。
- 過去1年間に少なくとも1回の自殺未遂を経験している。
参加者は1年間、弁証法的行動療法(DBT)の治療を受けて退院、その後、更に1年間追跡調査したみたい。併せて、治療前、1年間の治療期間中~1年間の追跡期間中にかけて、4ヶ月ごとに計7回、症状の変化を評価したそうです。
結果、
- 1年間の弁証法的行動療法(DBT)の治療により、参加者は統計的および臨床的に症状が改善していた…!
- 感情調節能力が高い人は、より早く症状が改善していた…!
- 感情調節能力が低い人は、症状の改善が遅かった…!
とのこと。
重症度により症状の改善スピードに違いはあるものの、間違いなく1年間の弁証法的行動療法で効果があったみたいですね。
ということで研究者曰く、
- 私たちの研究結果は、弁証法的行動療法が時間の経過とともに機能を改善する効果があることを更に裏付けている
としています。