統合失調症、統合失調感情障害、双極性障害の患者さんにおける強迫性症状(OCS)の有病率と相関関係
統合失調症、統合失調感情障害、双極性障害の患者さんにおける強迫性症状(OCS)の有病率と相関関係
2022年のキングス・カレッジ・ロンドンの研究によると、統合失調症、統合失調感情障害、双極性障害の患者さんにおける強迫性症状(OCS)の有病率と相関関係について調べてみたそうです。
なんでも研究者によれば、強迫性症状(OCS)は、精神病において頻繁に報告されているにもかかわらず、しばしば認識されず、十分な治療が行われていないとのこと。そこで今回、有病率を推定しつつ、相関関係をチェックしてみることにしたんだとか。
この研究は、サウスロンドンアンドモーズリーNHS財団トラストのデータセットを使ったもので、対象者は2007年~2015年の間に以下の精神疾患と診断された方々。
- 統合失調症
- 統合失調感情障害(統合失調症+双極性障害)
- 双極性障害
この参加者たちが、強迫性症状(OCS)や強迫性障害(OCD)かどうかチェックしてみたらしい。併せてデータを統計処理し、オッズ比(OR)を出してみたんだとか。
結果、統合失調症、統合失調感情障害、双極性障害の方は22,551人見つかったそうなんですが、そのうち、
- 5,179人(24.0%)は、強迫性症状が併存していた…!
- 2,574人(11.9%)は、強迫性障害が併存していた…!
とのこと。
併存性(併存リスク・二次障害・併存疾患・重複障害)が見られたんですね~。
更にこの研究では、強迫性症状と強迫性障害として、どのような症状があるのかもチェックしているんですが、
- 攻撃的な行動の増加(OR1.18)
- 認知機能障害の増加(OR1.21)
- 幻覚や妄想の増加(OR1.11)
- 身体機能障害の増加(OR1.17)
が見られたらしい。
上記のような症状が10~20%増えていたんですね。
個人的考察
強迫性症状(OCS)や強迫性障害(OCD)は、統合失調症、統合失調感情障害、双極性障害と関連があり、これらが精神疾患をより悪化させている可能性アリって感じでした。