精神障がいや発達障がいを発症した方がいた場合、その家族のリスクはどうなのか? その16
「精神障がいや発達障がいを発症した方がいた場合、その家族のリスクはどうなのか?」シリーズの続きです。
親の精神疾患は子どもの重度精神疾患の発症年齢と関係あるのか…?
2024年の台北栄民総医院の研究によると、親の精神疾患は子どもの重度精神疾患の発症年齢と関係あるのか後ろ向きコホート研究を行ってみたそうです。
重度精神疾患ってのは、言葉からも想像がつく通り、本人、家族、社会生活を含む生活など、あらゆる環境・場面に悪影響を及ぼす可能性のある精神障害のことでして、具体的には、
- 統合失調症
- 双極性障害
- 大うつ病
が該当します。
今回は、これらの精神障がいを持つ子どもの発症年齢によって親の精神疾患が変わるのかチェックしてみることにしたそう。ちょっと新しい視点での研究ですね。
この研究は、毎度おなじみ台湾の国民健康保険データベース(NHIRD)を使ったもので、まずはここから、統合失調症、双極性障害、大うつ病の患者さんデータを探してみたそうな。併せて対照群となる方たちも探してみたらしい。
すると、
- 重度精神疾患を持つ方:212,333人
- 対照群:2,123,329人
をピックアップできたんだとか。
次にこの方々の重度精神疾患の発症時期に基づき、小児発症群、青年発症群、成人発症群に分類したそうです。
結果、
- 小児発症群:4,259人
- 青年発症群:63,227人
- 成人発症群:144,847人
となったとのこと。
最後にオッズ比(OR)を出してみたところ、
そうです。
つまり、
- 子どもの重度精神疾患がいつ、どの段階で発症したかに関係なく、親は統合失調症、双極性障害、大うつ病、アルコール依存症、物質使用障害と診断されるケースが多かった…!
って感じになります。
因果関係が見えますね。