妊娠中の合併症に伴う2型糖尿病と高血圧リスクの関係についてアンブレラレビューを行ってみた!
「アンブレラレビューを見てみよう!」シリーズその89です。
妊娠中の合併症に伴う2型糖尿病と高血圧リスクの関係についてアンブレラレビューを行ってみた…!
2024年のバーミンガム大学の研究によると、妊娠中の合併症に伴う2型糖尿病と高血圧リスクの関係についてアンブレラレビューを行ってみたそうです。
なんでも妊娠中の合併症ってのは、妊娠の少なくとも30%に影響を及ぼし、妊娠中の死亡原因の上位なんだとか。また先行研究により、産後の2型糖尿病と高血圧の発症リスクにも関係あるっぽいみたい。今回はこの辺について既存の研究結果をまとめてみたそうな。
まず研究者たちは、2022年9月26日までに発表された該当する系統的レビューとメタ分析をMedline、Embase、コクランで検索したとのこと。
すると6,743件の研究がヒットしたそうな。続いてこの中の重複研究を除外、その後、各研究を質をチェックしていったらしい。
最終的にピックアップできた系統的レビューは10件ってことでした。因みに2型糖尿病における研究のサンプル範囲は1,332,373~3,095,457人で、高血圧における研究のサンプル範囲は8,041~2,711,443人とのこと。
それでは結果を見ていきますかー。
【妊娠中の合併症に伴う2型糖尿病リスク】
- 妊娠糖尿病(GDM):1,332,373人の女性を対象に、妊娠糖尿病歴を持つ方の2型糖尿病リスクを調べてみたら、出産後、少なくとも12か月間における2型糖尿病リスクがほぼ10倍(RR9.51)高かった…!
- 妊娠高血圧症候群(HDP):3,095,457人の女性を対象に、妊娠高血圧症候群歴(前段階を含む)を持つ方の2型糖尿病リスクを調べてみたら、出産後、少なくとも12か月間における2型糖尿病リスクが2倍以上(HR2.24)高かった…!
【妊娠中の合併症に伴う高血圧リスク】
つまり、妊娠中の合併症である妊娠糖尿病や妊娠高血圧症候群になると、産後の2型糖尿病発症リスクや高血圧発症リスクが高まるみたいです。
個人的考察
これらを見ると、女性は男性とはまた違ったところで、2型糖尿病や高血圧に気を付けて行かなければいけないみたいですね。