アンブレラレビューを見てみよう!」シリーズその91です。
今週の土日、来週の土日にかけて、大気汚染のアンブレラレビューを見ていきます。大気汚染と健康リスクの研究は、近年結構盛んに行われているんでチェックしておきましたー。それではどうぞ~。



大気汚染が妊婦・産婦に与える影響についてアンブレラレビューを行ってみた…!

2024年のメンフィス大学の研究によると、大気汚染が妊婦・産婦に与える影響についてアンブレラレビューを行ってみたそうです。
なんでも大気汚染への曝露と妊婦・産婦さんへの影響を調べた先行研究って結構あるんですが、結果はまちまちなんだとか。そこで今回この辺がどうなのか深掘りしてみたそうです。
まず研究者たちは、2023年6月30日までに発表された該当する系統的レビュー・メタ分析を6つのデータベースで検索してみたそうな。すると合計1,325件の研究がヒットしたとのこと。次に重複研究を除外しつつ、各研究の質をチェック、質の高い研究を選んで行ったらしい。
最終的にピックアップされた系統的レビュー・メタ分析は20件でして、この中には合計108件の観察研究が含まれていたそうです。
んで結果を見ていきますが、まず大きな結論として、

  • 20件の全ての系統的レビュー・メタ分析で、大気汚染といくつかの妊婦・産婦の健康に有意な正の相関関係があった…!

とのこと。
じゃあ、具体的に関係あった大気汚染は何なのか…?って話なんですが、

  • 粒子状物質(PM2.5やPM10)、二酸化硫黄(SO2)、一酸化窒素(NO)は、妊娠糖尿病と正の相関関係があった…!
  • 粒子状物質と二酸化窒素(NO2)は、妊娠高血圧症候群(妊娠中毒症)、妊娠高血圧腎症(子癇前症)と正の相関関係があった…!
  • 限られたエビデンスではあるが、粒子状物質は、妊娠高血圧、自然流産と正の相関関係があった…!

そうです。
特にPM2.5やPM10の影響がヤバそうですねー。