過敏性腸症候群(IBS)に鍼灸は効果があるのかアンブレラレビューを行ってみた!
「アンブレラレビューを見てみよう!」シリーズその87です。
過敏性腸症候群(IBS)に鍼灸は効果があるのかアンブレラレビューを行ってみた…!
2023年の上海中医薬大学の研究によると、過敏性腸症候群(IBS)に鍼灸は効果があるのかアンブレラレビューを行ってみたそうです。
過敏性腸症候群(IBS)は、排便習慣の変化に伴う腹痛や腹部の不快感を特徴とする腸疾患。その有病率は世界の様々な地域によって違いはあるものの3%~15%らしく、増加傾向にあるんだとか。そして原因はまだはっきり分かっていないものの、どうやら腸内細菌・腸内環境の変化、腸透過性、腸脳軸(GBA)、心理社会的状態などが要因っぽい。
そんな過敏性腸症候群ですが、先行研究により、鍼灸で症状改善や再発防止が出来るぞ…!って話があったりします。またそれらの知見をまとめた系統的レビューも行われていたんですが、結果は一貫しておらずよく分かっていなかったらしい。そこで今回アンブレラレビューを行ってみることにしたんだとか。
まず研究者たちは、2023年2月20日までに発表された、該当する系統的レビューをPubMed、Embase、コクラン、Web of Science、China National Knowledge Infrastructure、Wanfang Data、VIP Database for Chinese Technical Periodicals、China Biology Medicineで検索してみたそうな。すると合計342件の研究がヒットしたとのこと。
次にこの中で重複している研究を除き、その後、各研究の質をチェックしていったんだとか。最終的に選ばれた系統的レビューは15件でして、これらを基に、鍼灸は過敏性腸症候群に効果的かチェックしてみたそうです。
結果、
- 2件の系統的レビューは方法論的質が低かった…。
- 13件の系統的レビューは方法論的質が非常に低かった…。
- エビデンスレベルも低い、又は非常に低い物しかなかった…。
とのこと。
ということでまとめると、
- そもそも質の低い研究ばっかでよく分からん…!
って感じ。
今後の研究に期待と言ったところでしょうか…。