「認知行動療法の共通基盤マニュアル」のポイントを抑えよう!その16「認知行動療法と薬物療法を併用するメリット」
この記事は、当事業所の社内研修で行いたかったが時間の都合上出来なかった内容を載せている物になります。
具体的には認知行動療法マップ(CBTマップ)の「認知行動療法の共通基盤マニュアル」を私なりにまとめたものです。
認知行動療法と薬物療法を併用するメリット
認知行動療法と薬物療法を併用するメリットは、大きく分けて以下の3つが挙げられる。- 治療効果の増強
- アドヒアランス(管理・遵守)の向上
- 再発予防
それぞれの根拠は以下の通りとなる。
1. 治療効果の増強
- 2004年の系統的レビュー:うつ病での併用療法は薬物療法単独よりも治療反応が高かった(オッズ比1.86)
- 1997年のピッツバーグ大学の研究:軽度のうつ病では有意差はなかったが、重度の再発性うつ病に対しては高い効果があった
つまり、併用療法は、薬物療法単独又は精神療法単独よりも治療効果が高く、それぞれの治療効果を増強する可能性がある。
2. アドヒアランス(管理・遵守)の向上
- 2009年の済生会中央病院の研究:うつ病の患者の服薬アドヒアランス(管理・遵守)は、概ね6ヶ月で約40~60%まで低下する。
- 2004年の系統的レビュー:併用療法グループは薬物療法単独グループよりも治療脱落率が低かった(オッズ比0.59)
つまり、併用療法は、服薬遵守にも役立つ可能性がある。
3. 再発予防
- 1998年のライデン大学の研究・1999年の米国カリフォルニア大学ロサンゼルス校の研究:うつ病の再発率は5年間で約40%前後であり、認知行動療法はその再発を予防する効果がある。
- 1992年のミネソタ大学の研究:イミプラミン(抗うつ薬)での単独治療グループ、認知療法グループ、併用療法グループに分かれてもらい、2年間の経過観察を行った。結果、急性期で治療を終了しその後治療を行わない場合、認知療法および併用療法グループは、イミプラミン治療グループに比べて、再発率が半分以下だった。
つまり、併用療法は、治療終了後の再発予防効果があり、長期的な有用性がある可能性がある。
個人的考察
以上「認知行動療法と薬物療法を併用するメリット」でした。
次回は最終回として「支援者が認知行動療法を習得するための方法」をご紹介します…!
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