【加筆内容】久しぶりにSST(ソーシャル・スキル・トレーニング)の話でもしようかな~と
障がい者支援の現場で良く聞かれるテクニックの一つがSST。
SSTは、ソーシャル・スキル・トレーニングの略でして、日本語に訳すと、社会生活技能訓練とかって言われますよね。
SSTは、ソーシャル・スキル・トレーニングの略でして、日本語に訳すと、社会生活技能訓練とかって言われますよね。
SSTはうつ病治療に効果的なのか先行研究結果を見直ししてみた…!
1985年のメルボルン大学のレビュー論文によると、SSTはうつ病治療に効果的なのか先行研究結果を見直ししてみたそうです。
そもそもSSTは、ソーシャル・スキル・トレーニング=社会生活技能訓練であり、対象者はソーシャルスキルで困っている人、コミュニケーションで困っている人となります。そしてソーシャルスキルで困っている人、コミュニケーションで困っている人ってのは、ちゃんとした言葉で言うと、社会的不適応な方となるんですな。
んで社会的不適応ってのは大きく以下の3種類にまとめることが出来ます。
- 不安から、社会的スキルが上手くできなくなってしまう…。
- 自分に自信がないことから、社会的な反応が怖くなってしまう…。
- 適切な社会的行動の知識とスキルがないため、上手くできない…。
この中の「3. 適切な社会的行動の知識とスキルがないため、上手くできない…。」ってのが、SSTの基礎となっている考え方であり、社会的スキルをそもそも習っていない、使わなかったためどうやるか忘れてしまったことを想定しているんだとか。
うつ病とSST
一方で、うつ病の方には以下の特徴がございます。
- 他人と関わる頻度が少ない。
- 結果、他人と関わることによって得られる喜びも少ない。
- 自己主張をすることが苦手。
- ポジティブな自己主張が少ない。
- 結果、褒め言葉や愛情表現、承認や称賛、謝罪が難しい、少ない。
- ネガティブな自己主張も少ない。
- 結果、理不尽な要求を断る、他人に何かをお願いする、妥協や交渉、調整を行う、NOや苛立ちといった表現をすることが難しい、少ない。
- 会話を開始し、維持し、上手く終わらせることが難しい。
以上のようなスキルは、カジュアルな関係から親密な関係の両方を維持する上で特に重要なため、社会生活で支障を来たします。これの対策法がSSTなんですな。
ソーシャルスキル・社会的スキルとはなにか…?
そもそもソーシャルスキル・社会的スキルってのは何なんですかね…?
研究者によれば定義は以下とのこと。
- ソーシャルスキル・社会的スキルとは、対人関係の文脈において、その結果として社会的強化を失うことなく、肯定的及び否定的な感情の両方を表現する能力である。
…。
う~む。なんだか分かったような良く分からんような…。かっこよく言えばこんな感じというか(笑)
私的に意訳するなら、
- ソーシャルスキル・社会的スキルとは、コミュニケーションを取っても関係性が崩れることなく、ポジティブな感情もネガティブな感情もちゃんと相手に伝える力
って感じですかね~。
因みにソーシャルスキル・社会的スキルは、言語・非言語の2つがありまして、
なんかが含まれます。
そして一番習得するのが難しいスキルが、
- 相手の話をちゃんと聞き、適切に返答する事
- 話す内容が会話に関連している事
- 会話の中に上記を適切に織り込む事
なんだそうです。
SSTは上記の全ての訓練をしているんだとか。
SSTの基本
次に耳タコかもしれませんが、SSTの基本を見ていきます。人は、初対面の人、友達、家族、職場や学校の先輩、同期、後輩といった、関係性の違う方々とコミュニケーションをとります。
そしてSSTでは、これらの場合の訓練と評価を行うんですな。やり方は標準化されたシナリオに沿ってロールプレイを行うのが基本でして、また、具体的な問題から、シナリオを作り、それに沿ってロールプレイを行うこともあります。
流れは以下な感じ。
- 目的:特定の行動の根拠と説明を行う。
- モデルの提示:ロールプレイを行い、目標行動を見せる。
- 練習と実演:新しい行動を練習し実際にロールプレイする。
- フィードバック:ロールプレイ後、フィードバックを行う。
- 繰り返す:何度かロールプレイを行い、慣れてもらう。
- 宿題:実生活の中で使ってもらい、どうだったか書いてきてもらう。その書いたものを発表し、フィードバックを受ける。
うつ病治療におけるSSTの効果
続いて、うつ病治療におけるSSTの効果を見ていきます。
まず大きな結論として、
- うつ病治療にSSTを採用した研究は比較的少なかった
とのこと。
確かにSSTという言葉を聴く事は多いですが、研究を探してもあんま見つからないんですよね~。
そんな中、このレビュー論文では、8個の研究をピックアップしておりました。また、他にも5個の研究を挙げていたんですが、こちらは治療の一部にSSTが使われたって感じらしく、SSTそのものの効果なのかよく分からなかったみたい。
そして先行研究を見ていくと、SSTによって抑うつ症状が軽減していたとのこと。
例えば、2つの研究では、知的障害+うつ病の方を対象にSSTの簡略版を行ってみたんだとか。すると、うつ症状が改善したとのこと。
また他の研究では、自己主張が苦手なうつ病患者さんを対象にSST又は集団心理療法を行い、効果を比較してみたそうな。結果、どちらもうつ症状が良くなったとのこと。
更に3つの研究では、対照群を用意し、SSTの効果を見てみたそうなんですが、いずれもうつ症状が軽減していたみたい。
そして期待しちゃうのが、SSTを行うことによって、うつ病の女性患者さんのソーシャルスキルがアップし、うつ病のない対照群の方と見分けがつかなくなったということもあったってこと。
但し、注意点もありまして、
- SSTが他の治療法より特段優れている訳ではない、つまり、他の治療法と同等程度の効果がありそう
- 6ヶ月後まで追跡調査を行った結果、うつ症状が変わらなかったって研究もある
って話もございました。
まぁ、同程度の効果でも十分だと思いますし、コミュニケーション問題ってのは色々なパターンで常に起こりますんで、SSTは定期的に行った方が良いと言えるかと。
それと薬+SST、SSTのみでのドロップアウト率についても書かれていたんですが、グループ間で差がなかったそうです。この辺も見方によって変わりそうですが、個人的には良いんじゃないかな~と思いました。
個人的考察
ということで、SSTはソーシャルスキル・社会的スキルをアップさせ、抑うつ症状を軽減する効果がありそうな感じ。しかも他の治療法(薬物療法や心理療法)と同程度の効果があるっていうんですから、支援で是非使っていきたいですね~。
