【加筆内容】無意識に運動するならトレッドミルデスクだ!って話 その4
「無意識に運動するならトレッドミルデスクだ!って話」シリーズのラストです。
トレッドミルデスクはウォーキングマシンとスタンディングデスクを組み合わせた物のことを言いまして、1989年の研究によれば1988年に発明されたそうです。ただ2007年のメイヨークリニックの研究によると、商用として製造されたのは2007年以降とのことで、割と最近になって普及したみたい。
トレッドミルデスクはウォーキングマシンとスタンディングデスクを組み合わせた物のことを言いまして、1989年の研究によれば1988年に発明されたそうです。ただ2007年のメイヨークリニックの研究によると、商用として製造されたのは2007年以降とのことで、割と最近になって普及したみたい。
そんなトレッドミルデスクですが2012年のマイアミ大学の研究では理想的な速度は時速2.25kmとなっており、また以前に紹介した研究では時速3.2kmとなっておりました。おそらく歩きながら行う作業(仕事)に支障が出ないスピードであれば良くて、大体これぐらいのスピードが該当するんでしょうね。
各アクティブワークステーションのメリットについて系統的レビューを行ってみた…!
2019年のモントリオール大学の研究によると、各アクティブワークステーションのメリットについて系統的レビューを行ってみたそうです。
アクティブワークステーションってのは仕事中などにながら運動が出来るようにしたもので、スタンディングデスクやトレッドミルデスク、デスクバイクなんかのことを言います。
…と言ってもなじみのない方にはよく分からんと思いますので、下記に参考画像を挙げておきますね。
んで、先行研究によりこれらを使うことで、
- 座りっぱなしの時間を減らせる…!
- 仕事の生産性(パフォーマンス)を維持できる…!
- カロリー消費量を増やせる…!
- 高血圧を予防・改善できる…!
- 腰痛を予防・改善できる…!
- ポジティブになれる…!
- 認知機能を高められる…!
かもしれないんですな。
そんなアクティブワークステーションですが、それぞれの違いによる効果についてはあんまりよく分かっていないらしい。そこで今回、デスクバイク・トレッドミルデスク・スタンディングデスクそれぞれの効果についてメリットをまとめてみることにしたんだとか。
まず研究者たちは、2018年3月13日までに発表されている該当研究をCentral、Embase、PubMed、Web of Scienceで検索しまくったそうな。すると2,102件の研究がヒットしたとのこと。次にこの中で重複している物を除きつつ、基準を満たす質の高い研究をピックアップしていったらしい。
最終的に12件の研究が基準を満たしたそうで、これらの研究結果を各アクティブワークステーションごとにまとめてみたそうです。
では結果を見ていきましょう。
まずはデスクバイクからです。
- デスクバイクを20~30Wで漕ぐとスタンディングデスクよりMETs(代謝当量)の2倍カロリー消費量がアップしていた…!
- 他の研究ではデスクバイクはスタンディングデスクよりカロリー消費量が10%アップしていた…!
- デスクバイクで肥満と高血圧予備軍の成人の歩行時の血圧がダウンしていた…!
- デスクバイクで拡張期血圧(最低血圧)がダウンしていた…!
- デスクバイクを20~30Wで漕ぐと心血管代謝にプラスの影響があった…!
- デスクバイクを1時間中10分間漕ぐだけでは座りっぱなしのデメリットを上回れなかった…。
- デスクバイクはスタンディングデスクよりも覚醒度をアップさせ、退屈さを大幅にダウンさせていた(=生産性がアップしていた)…!
- デスクバイクはスタンディングデスクやトレッドミルデスクよりも短期記憶と注意力をアップさせる可能性があった…!
- デスクバイクはスタンディングデスクやトレッドミルデスクよりも単純作業の処理スピードがアップしていた…!
次にトレッドミルデスクのメリットを見てみましょう。
- トレッドミルデスクの時速が1.6~2.5kmの時、スタンディングデスクや座りっぱなし(1.5METs)よりも約1METsカロリー消費量が高かった…!
- 更に強度を上げると(時速3.2km)、デスクバイクを30Wで漕ぐのと同じカロリー消費量になった…!
- 但し時速3.2kmになると不快感が出てきた…。
- トレッドミルデスクで収縮期血圧(最大血圧)はダウンしたが、拡張期血圧(最高血圧)は変化がなかった。
- トレッドミルデスクはスタンディングデスクに比べて、作業ストレスの軽減、覚醒度のアップ、退屈さのダウン、作業の満足度がアップしていた…!
- トレッドミルデスクを使うとタイピングやマウスの操作パフォーマンスがダウンしてしまった…。
- トレッドミルデスクの時速が3.2kmの場合、スタンディングデスクやデスクバイクよりも腕の筋肉活動が大きくなっており、これは姿勢と歩行を安定させるために体幹や腕の筋肉を使っている為であった。そしてこれがパソコン操作への悪影響をもたらしていると考えられた…。
最後はスタンディングデスクのメリットになります。
- スタンディングデスクで座り時間が減りそうだった…!
- 結果、血糖値や血圧が改善していた…!
- スタンディングデスクは座りっぱなしの腰痛予防になっていた…!
- スタンディングデスクはトレッドミルデスクと違い、タイピングやマウスなどのパソコン操作パフォーマンスに悪影響をもたらさなかった…!
細かく見てみると、結構効果に違いがありそうですねー。
では研究者によるまとめを見てみましょう。
- デスクバイク、トレッドミルデスク、スタンディングデスクの効果は違う可能性があった…!
- デスクバイクとトレッドミルデスクはスタンディングデスクよりも、短期的な運動効果、健康効果が大きいっぽい…!
- デスクバイク、トレッドミルデスク、スタンディングデスクは短期的な生産性向上効果があるっぽい…!
- 但しトレッドミルデスクはタイピングやマウスなどのパソコン操作パフォーマンスに悪影響がありそう…。
より運動っぽさが増えるほど運動効果は高くなって、生産性は落ちていくみたいですね。まさにトレードオフ。その中でデスクバイクは一番バランスが良いみたいですな。
個人的考察
因みに認知や作業パフォーマンスがアップする理由は、立ったり、歩いたり、漕いだりする→脳に酸素が行きわたるって流れからとのこと。やっぱ運動は脳に良いんですね~。