皆さんご存知の通り、

  • 果物は健康に良い…!
  • 野菜は健康に良い…!

のは間違いないところ。
もちろんこれだけを食べるのはオススメしないものの、積極的に食べていきたいのは間違いないんですな。そして以前にも書きましたが、果物と野菜ってセットになって健康効果を調べられることが多いんですよ。
ということで今回は、果物と野菜をセットして調べた研究を色々見ていきましょう。



果物と野菜を食べるとうつ病リスクが低下する…!

2016年の青島大学の研究によると、果物野菜の摂取とうつ病リスクとの関係についてメタ分析を行ってみたそうです。10件の果物の研究(総サンプル数227,852人)と8件の野菜の研究(総サンプル数218,699人)をまとめてみた結果、

  • 果物:うつ病リスクが14%低下…!
  • 野菜:うつ病リスクが11%低下…!

って感じだったみたい。
また似たような研究は他にもありまして2018年のテヘラン医科大学の研究でも系統的レビューとメタ分析を行いチェックしております。27件の研究(横断研究16件、縦断研究9件、症例対照研究2件)を系統的レビューに、18件の研究をメタ分析にかけてみた結果、

  • 果物:うつ病リスクが17~24%低下…!
  • 野菜:うつ病リスクが14~25%低下…!
  • 果物と野菜:うつ病リスクが20%低下…!
  • 果物の摂取量が100g増えるごとにうつ病リスクが3%低下…!
  • 野菜の摂取量が100g増えるごとにうつ病リスクが3~5%低下…!

だったとのこと。
つまり、果物と野菜の摂取量はうつ病リスクと逆相関しており、予防効果があると…。



果物と野菜を食べると冠状動脈性心疾患(CHD)リスクが低下する…!

2015年の華中科技大学の研究によると、果物と野菜の摂取と冠状動脈性心疾患(CHD)リスクとの関係について前向きコホート研究のメタ分析を行ってみたそうです。
937,665人の参加者と18,047人の冠状動脈性心疾患の患者さんを対象とした23件の研究をまとめてみた結果、

  • 果物と野菜:冠状動脈性心疾患(CHD)リスクが16%低下…!
  • 果物:冠状動脈性心疾患(CHD)リスクが14%低下…!
  • 野菜:冠状動脈性心疾患(CHD)リスクが13%低下…!
  • 果物と野菜の摂取量が477g増えるごとに冠状動脈性心疾患(CHD)リスクが12%低下…!
  • 果物の摂取量が300g増えるごとに冠状動脈性心疾患(CHD)リスクが16%低下…!
  • 野菜の摂取量が400g増えるごとに冠状動脈性心疾患(CHD)リスクが18%低下…!

したそうな。野菜は心疾患にも良さげですねー。
但しこの研究ではこの効果は西洋人にのみ見られ、アジア人にはなかったらしい。理由は謎みたい…。



果物と野菜を食べると喘息リスクが低下する…!

2014年のタブリーズ医科大学の研究によると、果物と野菜の摂取と喘息リスクとの関係について系統的レビューとメタ分析を行ってみたそうです。
26件の横断研究、12件の縦断研究、4件の症例対照研究の結果をまとめてみたところ、

  • 果物:喘息リスクが22%低下…!
  • 野菜:喘息リスクが14%低下…!
  • 果物と野菜:喘息リスクが46%低下…!

していたんだとか。
因みにこの傾向は大人でも子供でも見られたみたい。



果物と野菜を食べるとがんリスクが低下する…!

2015年の同済大学の研究によると、果物と野菜の摂取と膀胱がんリスクとの関係について観察研究のメタ分析を行ってみたそうです。
合計27件の研究(縦断研究12件、症例対照研究15件)をメタ分析にかけてみた結果、

  • 野菜:膀胱がんリスクが16%低下…!
  • 果物:膀胱がんリスクが19%低下…!
  • 野菜の摂取量が200g増えるごとに膀胱がんリスクが8%低下…!
  • 果物の摂取量が200g増えるごとに膀胱がんリスクが9%低下…!

のようになっていたみたい。

また2016年の中国医科大学の研究では、果物と野菜の摂取と膵臓がんリスクとの関係についてメタ分析を行っておりました。
合計24件(症例対照研究15件、前向きコホート研究8件、その他の研究1件)をメタ分析にかけたところ、

  • 果物と野菜:膵臓がんリスクが27%低下…!
  • 果物:膵臓がんリスクが27%低下…!
  • 野菜:膵臓がんリスクが24%低下…!

だったそうです。
いくつかのがんにも効果がありそうですね。



果物と野菜を食べるとメタボリスクが低下する…!

2018年の中南大学の研究によると、果物と野菜の摂取とメタボリックシンドロームリスクとの関係について観察研究のメタ分析を行ってみたそうです。
合計26件の観察研究(横断研究20件、症例対照研究1件、縦断研究5件)をまとめてみたら、結果、

  • 野菜:メタボリスクが11%低下…!
  • 果物:メタボリスクが19%低下…!
  • 果物と野菜:メタボリスクが25%低下…!

だったんだとか。
やっぱり果物と野菜はダイエットにも使えると。



果物と野菜を食べると炎症リスクが低下する…!

14件の症例対照研究をまとめてみたところ、

  • 野菜:潰瘍性大腸炎リスクが29%低下…!
  • 果物:潰瘍性大腸炎リスクが31%低下、クローン病リスクが43%低下…!

していたとのこと。
因みに野菜とクローン病リスクについてはヨーロッパだと64%低下していたけど、アジアだと0%低下って感じで有意差がなくなっちゃう感じ。理由はやっぱり謎。



果物と野菜がもたらす健康への影響についてアンブレラレビューを行ってみた…!

2019年のパルマ大学の研究によると、果物野菜がもたらす健康への影響についてアンブレラレビューを行ってみたそうです。
実は多くの研究で果物と野菜ってセットになって効果を調べられることが多いんですよね。
んで、先行研究により様々な健康効果がみられていたんですが、それがどの程度のエビデンスレベルなのかイマイチはっきりしていなかったんですな。
そこで今回研究者たちはアンブレラレビューとしてガッツリ調べてみることにしたみたい。では早速ポイントを見ていきましょう…!
まずは果物と野菜で最も信頼できるエビデンスレベル、つまり、ほぼこの効果は間違いなし…!ってものは以下だったそうな。

  • 心血管疾患(CVD)リスクの低下…!

やっぱり心臓や血管、脳に野菜と果物はガッツリ効くみたいですねー。
続いて、果物で効果がありそう…!ってものはこちら。

  • 結腸がんリスクの低下…!
  • うつ病リスクの低下…!
  • 膵臓疾患リスクの低下…!

最後は、野菜で効果がありそう…!ってものになります。

  • 結腸がんと直腸がん(大腸がん)リスクの低下…!
  • 股関節の骨折リスクの低下…!
  • 脳卒中リスクの低下…!
  • うつ病リスクの低下…!
  • 膵臓疾患リスクの低下…!

共通しているところも多く、大腸がん、うつ病、膵臓疾患にはどちらも良い感じっぽいですね。あともしかしたら野菜にはもうちょい期待できる部分が多そうな感じ。因みに上記以外は可能性があるかも…?って感じぐらいでよく分からなかったみたい。
それと性別や国や地域なんかの因果関係を踏まえても、結果は十分信頼できそうと言うことでした。



個人的考察

改めて果物や野菜を積極的に摂りたいな~と思う結果でしたね。
注意点としては果物と野菜のみ食ってればそれでOKって話ではないんでご注意を。そう考えるとやっぱ地中海式ダイエットの実践が良いんだろうな~と思いました。



参考文献