今回は、2024年に釜山大学校が発表した、境界性パーソナリティ障害における自己と他者の評価と脳活動パターンについて調べた研究を見てみます。



境界性パーソナリティ障害における自己と他者の評価と脳活動パターンについて調べてみた…!

2024年の釜山大学校の研究によると、境界性パーソナリティ障害における自己と他者の評価と脳活動パターンについて調べてみたそうです。
この研究は、成人156名が参加したもので、平均年齢23歳、年齢範囲19歳~36歳となっております。また、参加者の約29%が精神科の治療歴があり、更に少数の参加者は現在も治療中か、服薬中だったそうな。
んでまず最初に参加者全員にアンケートを実施、境界性パーソナリティ障害の特性をどれぐらい持っているかチェックしたとのこと。特にアイデンティティの不安定さや衝動性を重点的にチェックしたみたい。
そしてこの時、

  • 自分自身を評価するとき
  • 自分が他者について評価するとき
  • 他者が自分について評価するとき

のような様々なパターンで脳の反応がどれほど似た感じになるか、脳の情報処理方法に違いはあるのか見てみたとのこと。因みに他者には、友人などの親しい人や、たまに会うけど特に親しくない人などのパターンがあったらしい。また、対照群については関係ない課題で単語の意味についての判断を行ったそうな。
それとこの研究では脳の反応を見るため、機能的近赤外分光法(fNIRS)ってのを使ったそうです。これは頭皮の上から近赤外光を当てて、脳の血流の変化(血中酸素濃度)を安全に測定する方法らしい。
最後に集まったデータを見てみたところ、

  • 境界性パーソナリティ障害の特性が高い人は、自己と他者を評価する際、同じような脳活動パターンをしていた…!

とのこと。
つまり、自分自身の視点と他者の視点を精神的に区別することが難しいってことですね。これがアイデンティティの不安定さにつながるかも…っと。
またこの現象については、

  • 親しくない人について評価を下すときは、脳活動パターンが違った…!

ってことでした。
つまり、自分と他者を区別することの難しさってのは、親密であればあるほど起きやすいってことですね。親しい人ほど自分の思考や感情を他者のものと混同するってのは確かに有り得そうですな。
一方で、

  • 衝動性については脳活動パターンから予測が出来なかった…!

みたい。
つまり、境界性パーソナリティ障害の特性である、アイデンティティの不安定さと衝動性ってのはそれぞれ別の脳内のプロセスによって起きている可能性があるってことですね。もしかしたらここがボーダーと言われる特性のゆえんなのかも…。



個人的考察

ACT認知的フュージョンは、自分の考えが現実とごちゃごちゃになって区別がつかなくなることをいいますが、今回の研究結果を踏まえると、境界性パーソナリティ障がいは、これが自己と他者で起こっているのかな~と思いました。
となると、自分と他者の感情や思考などは別であること、そこに気付きを得て、メタ認知的な視点を持てるようになるよう治療するアプローチがあれば、有効なのかな~と愚考しております。



参考文献