科学的にみてポケモンGOみたいな位置情報ゲームって健康に良いの?事故とかのデメリットって本当のところどうなの?って話 その12
皆さんご存知かと思いますが、位置情報ゲームってのは、
- ポケモンGO
- モンハンNOW
- Moomin Move(ムーミンムーブ)
- イングレス
- ハリポタGO(サービス終了)
- ドラクエウォーク
- キングダム ハーツ ミッシングリンク(KINGDOM HEARTS Missing-Link)
- ピクミン ブルーム(Pikmin Bloom)
んで、このようなゲームが一番有名になるきっかけとなったのがポケモンGOなんで、研究もポケGOを調べたものが多いんですよね。
ポケモンGOの動機を調査した最初の研究の話
2017年のアーヘン工科大学の研究によると、ポケモンGOのような位置情報ゲームを始めるきっかけ、継続する理由、辞める動機などを調べてみたそうです。
具体的には以下の6点をチェックしてみたんだとか。
- ポケモンGOをどのくらいの時間プレイしているか…?
- ポケモンGOを始めたきっかけは何か…?
- ポケモンGOを続けている理由は何か…?
- ポケモンGOを辞めた理由は何か…?
- ポケモンGOで運動頻度が変わるのか…?
- ポケモンGOをする人はどのような性格なのか…?
因みに研究者曰く、ポケモンGOの動機を調査した最初の研究とのこと。これは気になりますね~。
ということでまず研究者たちは、2016年10月26日~11月20日までの間にFacebookの広告などを使って参加者を募集してみたそうな。続いて全42項目からなるポケモンGOに関するwebアンケートに答えてもらったらしい。
その後、アンケート調査に参加すると言ったけど実際に答えてくれなかった人やアンケートを中途半端で止めちゃった人のデータを除外していったそうで、最終的には199人分のデータが集まったみたい。因みに199人の内訳は、
- Facebook広告→53人
- ポケモンGOフォーラムを通じて→62人
- メールを通じて→12人
- 不明→72人
って感じだったそうです。
次にwebアンケートについてなんですが、まず研究者たちは
- 現役ポケモンGOプレイヤー
- 元ポケモンGOプレイヤー
- 非ポケモンGOプレイヤー
の3グループに分けて比較したかったんで、最初の質問でどれに該当するかを質問してみたそうな。その後、身体活動や動機などを項目ごとに質問していく形式だったみたい。併せて、プレイ期間や到達レベルの詳細も聞いてみたんだとか。
更に質問のポイントをまとめておきますと、
- 身体活動:汗をかくぐらいの運動を最低週30分間行っているかで、主観的な身体活動量をチェックした。また定期的に運動していない人には、月数回や月1回程度、めったにしない、全くしないという項目も用意し聞いてみた。更にポケモンGOで運動への関心が増えたか、ポケモンGOで実際に運動頻度が増えたかも聞いてみた
- モチベーション:ポケモンGOを始めた最初の動機、継続する動機を聞いた。ポケモンGOに不足している機能についても聞いてみた。元ポケモンGOプレイヤーには辞めた動機、欲しい追加機能について聞いてみた
- 性格:ポケモンGOを始める始めないに性格が関係あるのか調べるため、ビッグファイブ(簡易ビッグファイブ・ショートビッグファイブ)を行った
のようになっておりました。
最後にwebアンケートを統計処理してどのような傾向があるのかまとめてみたそうです。
それではまず最初の質問の結果から見ていきましょう。
- 現役ポケモンGOプレイヤー:81人(男性54人、女性27人)、平均年齢34.9歳
- 元ポケモンGOプレイヤー:56人(男性34人、女性22人)、平均年齢25.6歳
- 非ポケモンGOプレイヤー:62人(男性32人、女性30人)、平均年齢38.8歳
これをみると、やっぱり男性の方がやっている、やっていた人が多く、また年齢も比較的若い世代が多いみたいですね。
続いて、身体活動(運動)についてです。
- 現役ポケモンGOプレイヤーは、元ポケモンGOプレイヤーや非ポケモンGOプレイヤーに比べて、全体的に身体活動が少ないと述べていた…!
- 具体的には、現役ポケモンGOプレイヤーは週に数回から全く運動しないと幅広く答えていたのに対し、元ポケモンGOプレイヤーや非ポケモンGOプレイヤーは週に数回運動していると答えていた…!
- 上記結果には3グループ間の有意差があった…!
- 身体活動への関心度については、現役ポケモンGOプレイヤーは高まったと答えていた…!
- それに対して、元ポケモンGOプレイヤーは身体活動への関心度が高まったと思っていなかった…!
- 上記結果には有意差があった…!
- ポケモンGOで運動頻度が増えたかどうかについては、現役ポケモンGOプレイヤーの58%が多くなったと答えていたのに対し、元ポケモンGOプレイヤーが多くなったと答えたのは10%未満だった…!
- 上記結果には有意差があった…!
つまり、ポケモンGOをしている人は運動する頻度がバラバラで、全体的にみたら少ない傾向にあると主観的に思っているんだけど、一方でポケモンGOによって運動への興味関心が増え、ポケモンGOを行うことによって実際に運動することが多くなったと答えていたみたいですね。
先行研究であった、今まで運動していなかった人ほどポケモンGOの身体活動効果は大きい…!ってのと合致していますな。
お次はポケモンGOを始めた動機、続けている動機、辞めた動機というモチベーションについて見ていきます。
まずはポケモンGOを始めた動機と続けている動機から。
- ポケモンGOを始めたきっかけの最も多かった理由は、興味があったから…!
- また、ポケモンが好きだから…!メディアで見たから…!友達から誘われたから…!という理由も大きな理由だった…!
- 現役ポケモンGOプレイヤーと元ポケモンGOプレイヤーで唯一大きな違いが見られたのはARに興味があったから…!の項目だった。
- 元ポケモンGOプレイヤーは、現役ポケモンGOプレイヤーよりも、ARに興味があったから…!の項目に多く該当すると答えていた…!
- ポケモンGOを継続するのに最も必要だった動機は、次のレベルに到達したことだった…!
- その他では、ポケモン図鑑を完成させる…!やポケモンGOが楽しいから…!、より興味関心が高まったから…!を挙げていた…!
- 現役ポケモンGOプレイヤーは全体的に多くの理由をあげる傾向にあった…!
まとめると、現役ポケモンGOプレイヤーは、全てのポケモンをゲットしてより高いレベルを目指すなど、ポケモンに直接かかわる機能がメインの動機みたいっすな。対して、元ポケモンGOプレイヤーはより優れたARや多くの機能など、一般的なゲームの質の重要性がメインの動機みたいです。こうやってみると面白いですね~。
因みに研究者は人との交流でモチベーションが変わるのかもチェックしたそうなんですが、現役ポケモンGOプレイヤーの90%と元ポケモンGOプレイヤーの95%が、友達のグループは変わらないと言っていたらしい。知らん人との交流は増えないってことですね。
但し、友だちや家族での会話でポケモンGOの話題がどれぐらい出るかについては大きな違いがあったそうで、
- 元ポケモンGOプレイヤー:50%が全く話さない、39%がほとんど話さない、11%がよく話すと答えた
- 現役ポケモンGOプレイヤー:11%が全く話さない、56%がほとんど話さない、20%がよく話す、5%がほぼ話す、9%が必ず話すと答えた
とのこと。
まぁ、実際やっている人は周囲もやっていることが多いんで自然と話のネタとして多くなりますわな。
更に面白かったのが、元ポケモンGOプレイヤーに再開するにはどのようなことが必要かも尋ねてみたんだとか。これはソシャゲを作っていて長く運営している企業全般が気になる情報ですね(笑)
んで、元ポケモンGOプレイヤーが何と答えたかといいますと、
- ゲームの機能が多くなる事(21%)…!
- 他ユーザーとコミュニケーションをとる機能の追加(32%)…!
- サーバーの安定性とバッテリー消費量の減少(13%)…!
- 新イベントやより戦略的なゲーム要素の導入(11%)…!
とのこと。
確かにリリース当初は機能が少なく、コミュニケーションをとることも全然できませんでしたらね~。また鯖落ち(サーバーが落ちて通信がしづらい、できなくなる)なんかはネットゲームの死活問題ですからな。
それとバッテリー消費問題は初期のポケモンGOの代名詞みたいなもんでして、これでモバイルバッテリーが一気に普及した感も否めませんからね。
イベントも最初は全然なくて(ハロウィンとクリスマスぐらい)、巣や地形で湧くポケモンに偏りがあったから、つまらんみたいになったのも分かります。ジム置きなんてCP順で同じポケモンが置けたから個体値の良いカイリューばっかだったし…。つか、懐かしいな(笑)
…っと話がちょいそれちゃいましたんで戻ります。
今度は辞めた動機ってのをバーッと見ていきましょう。
- 退屈だから(57%)…!
- 失望したから(23%)…!
- より高いレベルに到達するのが難しいから(29%)…!
- 技術的な問題(サーバーの安定性やバッテリー消費問題)があるから(18%)…!
- 実装ポケモンが少ないから(18%)…!
- ポケストップが少ないから(9%)…!
- ジムが少ないから(5%)…!
- 一緒にやる人がいないから(7%)…!
- 興味関心が薄れたから(11%)…!
- ポケモンGOをする時間がなくなったから(9%)…!
やっぱ上記にあった、元ポケモンGOプレイヤーはゲームの質が重要ってのに沿う形ですね。
最後はビッグファイブ(性格)と現役ポケモンGOプレイヤー・元ポケモンGOプレイヤー・非ポケモンGOプレイヤーに違いがあるのかですが、これは結論から言っちゃうと関係なかったみたいです。
一応どんな感じだったかデータを載せておきますね~。
- 性格特性:現役:元:非
- 外向性:3.2:3.5:3.4
- 協調性:2.9:3.0:3.1
- 誠実性:3.4:3.4:3.7
- 神経症傾向:2.8:3.0:2.7
- 開放性:3.5:3.5:3.5
個人的考察
オマケとして個人的に気になったアンケート項目について書いておきます。
このwebアンケート調査の中で、現役ポケモンGOプレイヤーと元ポケモンGOプレイヤーにポケモンGOで不足している機能についての質問があるんですよね。そんでこの回答が現役ポケモンGOプレイヤーと元ポケモンGOプレイヤーにポケモンGOで傾向が違ったんですよ。
どんな感じだったかといいますと、
- 現役ポケモンGOプレイヤー:ポケストップとジムが足りん…!
- 元ポケモンGOプレイヤー:ポケモン交換機能やAR機能をもっと良くして…!
って感じだったんすよね。
これらは今もポケモンGOを続けている人はご存知の通り、
って感じで後にアップデートで改善されたんですな。
また現役ポケモンGOプレイヤーと元ポケモンGOプレイヤーの両方からの要望としては、近場でより多くのポケモンが湧いてほしい、ポケモンを交換しやすくしてほしいってのもあったみたいで、これらも改善がある程度されております。
こう考えると、ポケモンGOに限らずこの研究結果はスマホゲー(ソシャゲ)を作っている方や長く運営するヒントがあると言えますね。