【まとめ】外国語を勉強するとワーキングメモリがアップする!
そもそもワーキングメモリは短い時間で情報の精査や処理を行う能力のことであり、頭の回転を速くするには必須の能力であります。そして天才や神童と言われる人達はそもそもワーキングメモリが発達しているって話もありますし、逆に天賦の才ではなく努力で伸ばすこともできるという後天的な能力とも言われております。
更に学校の成績が悪い子どもはワーキングメモリが低いなんて話もあり、学業から仕事と幅広い場面で役立ちそうで是非とも身に付けておきたいスキルとなっております。
そんなワーキングメモリですが鍛える方法として外国語を勉強するのが良さそうなんですよね。
バイリンガルの子どもの方がモノリンガルの子どもよりもワーキングメモリが高かった…!
2013年のグラナダ大学の研究によると、1か国語しか話せない(モノリンガルの)子どもと2か国語を話せる(バイリンガルの)子どものワーキングメモリについて調べてみたそうです。
最初の実験は、5歳の子ども56人を対象にしたそうで、2つのルールの場合と4つのルールの場合を比較してワーキングメモリを調べてみたらしい。
結果、
- バイリンガルの子どもはモノリンガルの子どもに比べ、答える反応速度や正確性が高かった…!
とのこと。
どうやら2か国語を話せる子どもは実行機能が高いみたいですねー。
続きまして2つ目の実験ですが、こちらは5~7歳の子ども125人を対象にしたそうで、視空間性ワーキングメモリをチェックしたそうです。
視空間性ワーキングメモリってのは、算数の脳トレに出てくる感じのもので、例えば、頭の中で図形を想像したり、図形の展開図を想像したりする空間把握能力や空間図形のことですね。他にも暗算なんかがこれに該当します。
視空間性ワーキングメモリってのは、算数の脳トレに出てくる感じのもので、例えば、頭の中で図形を想像したり、図形の展開図を想像したりする空間把握能力や空間図形のことですね。他にも暗算なんかがこれに該当します。
結果は、
- バイリンガルの子どもの方がモノリンガルの子どもよりも全体的に成績が良かった…!
とのこと。
数学方面のワーキングメモリでも2か国語を話せる子どもの方が成績が良かったってのは面白いですね~。
因みにより難しくしてバイリンガルの子どもの言語性ワーキングメモリと視空間性ワーキングメモリをチェックしてみたら、言語性ワーキングメモリの方が良かったみたい。これは納得の結果ですね。
数学方面のワーキングメモリでも2か国語を話せる子どもの方が成績が良かったってのは面白いですね~。
因みにより難しくしてバイリンガルの子どもの言語性ワーキングメモリと視空間性ワーキングメモリをチェックしてみたら、言語性ワーキングメモリの方が良かったみたい。これは納得の結果ですね。
なぜ外国語を勉強するとワーキングメモリがアップするのか…?
2010年のヨーク大学の研究によると、バイリンガルは認知能力と言語能力にどのような影響をもたらすのかを調べてみたそうです。
というのも一般的にバイリンガルにはメリットデメリットがあるって話があって、
- メリット:2か国語が話せる
- デメリット:モノリンガルの人よりも細かい言語能力が低くなる傾向がある
って感じらしいんですよね。
バイリンガルの方は2つの言葉を理解している反面、一つに集中していない為、それぞれのボキャブラリー(語彙)が少なかったりするみたいなんですよ。
ただ、バイリンガルのメリットとして、ストループテストなどのワーキングメモリを使うものが得意だってところもあったりします。
では、これらがどういうメカニズムなのかって話なんですが研究者によると、
- バイリンガルな人はモノリンガルな人に比べて、注意力のコントロールが高い…!
そうなんですよね。
つまり、注意トレーニングのところで出てくる注意の持続(自分の向けたいところに注意を持続できる)、注意の転換(自分の向けたいところに注意を切り替えられる)、注意の分割(同時に注意を向けられる)が上手いってことですな。
確かに2か国語を素早く理解し、切り替えるにはシングルタスクで切り替えを早くするってのと同じと言えますんで納得ですね。
外国語を勉強すると加齢による認知機能の低下を防げる…!
2013年のSanders-Brown Center on Agingの研究によると、バイリンガルと認知機能の関係について調べてみたそうです。この研究はバイリンガルとモノリンガルの違いが、加齢による認知機能の低下にどのような影響をもたらすのかを調べたもので、合計110人が参加者したとのこと。実験は全部で2つ行われておりまして、各実験の参加者情報と結果はこんな感じ。
実験1
一つ目の実験に参加したのは30人の高齢者の方々。まず参加者をモノリンガルの方15人(男性7人女性8人、平均年齢63.3歳)とバイリンガルの方15人(男性7人女性8人、平均年齢64.1歳)の2グループに分けたそうな。
その後、認知機能のテストをしてみたとのこと。
結果、
- バイリンガルの方はモノリンガルの方よりも、情報の切り替えパフォーマンスが高かった…!
だったそうです。
実験2
2つ目の実験に参加したのは80人の高齢者の方々。こちらは参加者を以下の4グループに分けたとのこと。- モノリンガルの若者(男性10人女性10人、平均年齢32.2歳)
- バイリンガルの若者(男性10人女性10人、平均年齢31.6歳)
- モノリンガルの高齢者(男性10人女性10人、平均年齢64.4歳)
- バイリンガルの高齢者(男性10人女性10人、平均年齢63.9歳)
んで、実験1と同じように認知機能テストをしつつ、fMRIで脳内も見てみたらしい。
結果、
- 加齢に伴う認知機能のパフォーマンス低下がみられた。
- しかし、バイリンガルの高齢者は、モノリンガルの高齢者よりも認知機能が優れていた…!
- バイリンガルの方のタスク切り替えパフォーマンスアップと加齢による認知機能の低下は関係があった…!
とのこと。
2つの実験の結果から研究者曰く、
- これらの結果は、バイリンガルの方が生涯にわたる加齢に伴う認知機能の低下を相殺する可能性を示している
としています。
どうやら外国語を習得することによって加齢による認知機能の低下を防げるみたいですねー。
また、バイリンガルの人はタスクの切り替えが上手いみたいなんで、スーパータスカーのように作業スピードを落とさず、同じパフォーマンスでタスク処理できるみたいですね。羨ましい…。
この辺がワーキングメモリの維持・向上につながるんでしょうね。
この研究は3か月間みっちり外国語学習を参加者にしてもらったそうで、合わせて、実験の開始前後に脳皮質の厚さと海馬の体積をチェックしてみたそうな。
早速結果を見てみると、
- 外国語の学習後、前頭葉の脳皮質(具体的には左中前頭回、下前頭回、上前頭回)が明らかに厚くなっていた…!
- 海馬の体積も明らかに大きくなっていた…!
- 外国語がネイティブに近くなるほど、右海馬と左上前頭回が増加していた…!
- 外国語の習得に苦戦した人は、中前頭回の灰白質が特に分厚くなっていた…!
とのこと。
外国語の勉強は脳がデカくなる…!ってのは嬉しいですねー。あと面白いのが、得意な人と苦手な人でデカくなる部位が違うことですね。また苦手でも外国語の勉強をすれば脳に良い影響があるのも嬉しいですね。
因みに海馬は、軽い運動でも大きくなるみたいです。海馬を鍛えればストレス対策になるんでぜひとも押さえておきたいですね~。
外国語を学べば多角的な視点を持てるようになるかも…!
2010年の研究によると、日本語と英語のバイリンガルの方の色の認知処理について調べてみたそうです。
というのも先行研究でギリシャ語と英語のバイリンガルの人の色の認知処理がモノリンガルの人に比べ、柔軟な捉え方をしていたみたいなんですよね。
実験はバイリンガルの方に青色と水色を見てもらい、違いを区別する際の感受性をどう調節しているかを見てみたらしい。
結果、
- 英語メインのバイリンガルは日本語メインのバイリンガルよりも、青色と水色についてうまく区別できなかった…!
そうです。
つまり、バイリンガルの方はその国ごとにある文字とそれに対する色のイメージをそれぞれで持っているので、色の捉え方が柔軟である可能性が高いみたいなんですよね。
確かに外国語を学べば学ぶほど、その国ごとの常識やルールも自然と身に付きそうなんで、多角的な視点を持てるようになりそうですな。
個人的考察
今回の研究は子どもをターゲットにして調べているので大人でも同じ効果があるのかはわかりません。しかし、ポイントはワーキングメモリを普段から使って鍛えておく…!ってところな感じがしますんで、効果は期待できるんじゃないですかね~?
因みに歩きながら語学勉強をすると成績アップも見込めるし、運動によるワーキングメモリアップも期待できるんでお得です。
…と、まぁ、ワーキングメモリのアップやそれ以外も含め、外国語の習得が良さそうなんですが、いかんせん私は英語とかがずーっとダメダメでして…。
なんで、ここはゆる~くやりつつ、まだ少しはやる気の起きる運動をメインにしていこうかな~と思っております(笑)