今回は衛生仮説・旧友仮説についてご紹介したいと思います。
衛生仮説・旧友仮説を知ることは、現代に蔓延るあらゆる不調を解決する手立てとなるでしょう。
…というと大げさかもしれませんが、見れば見るほどそう思えてくるんですよね。
では早速いきましょうか…!



衛生仮説・旧友仮説ってなに…?

まずは衛生仮説・旧友仮説って何だ…?って話から行きます。
この衛生仮説・旧友仮説という言葉が初めて世に登場したのは1989年のロンドン大学衛生熱帯医学大学院の研究になりまして、衛生仮説・旧友仮説とは、微生物との経験が私たちの免疫システムを作り上げている…!という仮説のことを言います。人類最古のお友達との不仲(良い菌も悪い菌も殺菌しまくっている)がのちのアレルギーを代表するような様々な不調と関係している…!ってことですね。

実は衛生仮説・旧友仮説の存在自体はその登場前から有り得るかも…?って研究結果は出ていたんですが、言葉が世に出たのは上記となります。例えば1873年のチャールズ・ハリソン・ブラックリーの書籍によると、貴族や都市部に住む人々は地方に住む農民よりも花粉症になることが多い…!と気付いたそうな。つまり150年前にすでにあやしいと思っていた人がいた…!ってことですね。
他にも1972年のテネシー大学の研究で衛生仮説・旧友仮説の存在を伺わせる結果が出ているんですよね。
この研究はアメーバに細菌を感染させてみたというもので、最初、両方とも生きるために喧嘩してどちらかが死んでしまうと思われていたんですよ。しかし、5年後の結果は、アメーバと細菌が持ちつ持たれつの関係になってしまい、相方なしでは生き残れなくなったんですよ。面白いですよね。

その後、様々な研究が行われ仮説だった衛生仮説・旧友仮説は実際根拠がありそう…!って感じにどんどんなっていきます(最初は誤解も多く大変だったようですが)
そして2011年のユニバーシティ・カレッジ・ロンドンの研究により、衛生仮説・旧友仮説と現代病との関係性を調べた結果、研究者曰く、微生物との相互作用は遺伝子にも組み込まれており、人間と微生物が互いに手を取り合ってうまい事やらないと脳や体が正常に機能しなかったそうです。
最近になってやっと持ちつ持たれつの関係だということが分かったってことですね。



「衛生仮説・旧友仮説」と現代病との関係性

そして第99回ダーレム会議(2010年のユニバーシティ・カレッジ・ロンドンの研究)で衛生仮説・旧友仮説についての内容がまとめられて発表されました。
まず大事なポイントして「衛生仮説」の内容をまとめてみると仮説ではなく実際にありそうだ…!という結論に至ったようです。
というのも、

  • 現代、慢性炎症に伴う疾患が非常に増えている
  • 少なくとも部分的には免疫システムの確立において微生物への曝露の欠如が関係している

からということです。
更に衛生仮説を裏付けることとして研究者は以下のことを挙げておりました。

  • 旧石器時代の初期の人類ですでに微生物との関係は始まっていた
  • 慢性炎症による不調(乱れた食生活、肥満、ストレスビタミンD不足、環境汚染(ダイオキシン)など)は現代の環境変化と相互作用していた
  • 慢性炎症による不調は、アレルギーや自己免疫疾患、炎症性腸疾患だけではなく、血管疾患や一部の癌、うつ病や不安症、更には神経変性疾患や糖尿病とも関係していた
  • そのため、衛生仮説による問題は、想定しているよりも大きい
  • 微生物は、環境(自然の多さ)、皮膚、腸内環境にも関わっている
  • 免疫システムは、微生物が足りない…!って教えてくれないので、私たちは問題に気づけず、解決策を模索してこなかった
  • 腸内細菌・腸内環境と免疫との関係性は間違いない。食事・衛生抗生物質により腸内フローラが変化するのは間違いない
  • 皮膚や肺、母乳も微生物や微生物の多様性が関係している
  • 微生物が多かった太古の昔は、現代病(アレルギー性疾患、炎症性腸疾患、多発性硬化症、1型糖尿病など)はまれだった
  • 人類最古のお友達の欠如によって引き起こされる免疫問題は、自己免疫疾患の発症を促進している可能性がある
  • ダイエットと肥満は、腸内環境の変化が関係している
  • ストレスも腸内フローラと腸透過性(リーキーガット)に関係しているが、肥満とストレスの両方がより炎症性サイトカインの放出を引き起こす
  • ビタミンD不足は非常に一般的であり、慢性炎症による疾患の増加にも関与している
  • 衛生仮説は、いくつかの癌にも関係している可能性がある
  • うつ病に苦しむ方の多くは、炎症性サイトカインのレベルが高い
  • 抗うつ薬は抗炎症性サイトカインを増加させる。その結果、うつ症状が改善している可能性がある
  • アテローム性動脈硬化(心血管疾患)、神経変性疾患、アルツハイマー病パーキンソン病、2型糖尿病も関係している可能性がある

これらをみると、衛生仮説と現代病との関係性がかな~り深い事を意味していると感じちゃいますねー。
人類最古のお友達を裏切った罪は重く、しかも自分自身(免疫システム)では気付けないので、どんどん不仲になってしまい体調不良にもなっていくってのは、悲しいすれ違いですな…。


2014年のユニバーシティ・カレッジ・ロンドンの研究でも上記研究者は衛生仮説の大事さを説いておりまして、慢性炎症による現代病の増加は、高所得環境によって人類最古のお友達との触れ合いが減っている生活が問題なのだ…!とおっしゃっております。
なんでも、

  • 低所得の国(発展途上国)から高所得の国(先進国)に移住すると、慢性炎症による疾患が増加する傾向にあった
  • どの国においても慢性炎症による疾患は、田舎の農村部よりも近代化された都市部の方がより多く一般的だった

そうなんですよね。
因みに自閉症や統合失調症、うつ病などの発達障害、精神障害も同様の傾向があったんだとか。
更に、上記で挙げた食事や抗生物質問題の他にも

  • 帝王切開
  • 産まれた順番

なんかも衛生仮説による不調と関係していたらしい…。
一方で、自然環境や動物とのふれあいの頻度が高まるほど、不調に悩まされることが少なくなっていたそうな。
個人的にはこの辺の情報なんかもっと農福連携のメリットとして押し出せばいいのに…!と思いますねー。
兎にも角にもライフスタイルの変化が人類最古のお友達にここまで多くの影響を与えているってのはすごいですね。



「衛生仮説・旧友仮説」を踏まえてどう対策していくべきか…?

では衛生仮説・旧友仮説を踏まえてどう対策していけばいいのでしょうか…?
ここで参考になるのが2013年のユニバーシティ・カレッジ・ロンドンの研究になります。
まず結論から申しますと、自然環境に触れる機会を多くすることが、微生物の多様性を生み、結果、免疫システムの調節ができるようになって健康になっていくとのことです。
そもそも高所得者の多い国では、免疫システムの異常による病気や慢性炎症になっている人が非常に多くなっているそうで、これは人類最古のお友達である微生物との触れ合いが減ったのが原因なんだとか。多くの研究でも、自然豊かな農村部や沿岸部に住む人々が健康的であるという結論が出ており、免疫システムは、微生物との触れ合いがないと正常に発達しないみたいです。
では微生物がどこにいるのかと言いますと、まず空気中にたくさん漂っているそうです。
実際どれぐらいいるのか、空気中の微生物の数を数えてみたそうなんですが、

  • 晴れた日の草原:1立方メートル当たり10万以上
  • 低木や草地:1立方メートル当たり100万以上
  • 酪農や畜産施設:1立方メートル当たり1000万~1億

だったそうです。
そのため、青空が広がる自然豊かな場所は微生物の多様性の源の一つだと言えるとしています。また、海岸からくる微生物は基本的に無害なものが多く、優良微生物の豊富な供給源なんだとか。
ということで一つ目の対策は自然豊かな森や海に出かけるというところでしょうかね。

二つ目の対策はペット(特に犬)を飼うと言うものになります。なんでも犬を飼っている家庭とペットを飼っていない家庭のほこりをチェックしてみたら、犬を飼っている家庭の方がはるかに豊富で多様な微生物がいたそうなんですよね。また幼少期にペット、特に犬との触れ合いが多いとアレルギーになりづらいって結果も出ているそうです。
酪農や畜産施設の微生物の多さからなんとなく分かる感じがしますねー。

三つ目の対策は窓を開けて換気するです。
まず屋内の空気中の微生物は、自然環境の微生物と異なる可能性があるみたいなんですよ。そして、そもそも人類の歴史から見れば、つい最近まで人間の家ってのは、木材や泥、動物の毛、動物のふん、わらぶきなど天然の物を使って建てており、そこに住んでいたんですよね。当然外気もガンガン入ってきて十分換気されています。
しかし現代の建物は、合成された材料やプラスチック、コンクリートで建てられており、木材と段ボールは接着剤と防虫剤で加工されています。また、外気についてはエアコンなんかで取り入れております。これらにより微生物が定着しづらくなってしまったそうなんですよね。余談ですが、シックハウス症候群なんかはこれらが原因なんじゃないかとも言われております。
そしてここからがポイントなんですが、エアコンなどの機械で換気した部屋の空気中の微生物の多様性は、窓を開けて換気した部屋の空気中の微生物の多様性を比べ、少なかったということです。機械を使うとどうしてもフィルター等によって微生物が減少してしまうんで、換気はやはり窓を開けるのがベストみたいです。

ということでまとめると、自然が多い場所に暮らし、犬を飼って窓を開けて換気をする…!が最強ということになりますね。
まぁ、実際実現するのは難しい部分もありますんで、まずは手軽な窓を開けた換気から取り入れてみてはいかがでしょうか…?



衛生仮説・旧友仮説とアトピー(アレルギー)の関係を調べてみた…!

2012年のヘルシンキ大学の研究によると、微生物の多様性が人間のアレルギー(アトピー)とどう関係しているのか調べてみたそうです。
この研究はフィンランドの東部(100×150kmの範囲内)の町や村などに住む14~18歳の青年を対象としたそうで、参加者は118名だったとのこと。
この方々を対象に以下の4つの関係を調べてみたそうな。

  1. 住んでいる場所(自宅から3km以内)の微生物の多様性が皮膚の微生物の多様性とどう関係しているのか…?
  2. アトピーが家の環境(周囲)の微生物の多様性とどう関係しているのか…?
  3. アトピーが皮膚の微生物の多様性とどう関係しているのか…?
  4. IL-10などの抗炎症性サイトカインは皮膚の微生物の多様性とどう関係しているのか…?

まとめると、衛生仮説・旧友仮説とアトピー(アレルギー)の関係を調べてみた…!ってことですね。
では早速結果をバーッと見てみましょう。

  • 家から3km以内に森林や農地があると、環境・皮膚の微生物の多様性が大きかった…!
  • 家から3km以内に建築や湖などがあると、環境・皮膚の微生物の多様性が小さかった…。
  • アトピーは家の周りの環境の微生物の多様性によって大幅に説明することが出来た…!
  • 自宅から3km以内に森林や農地が多ければ多い程アトピーの人は減少していた…!

とのこと。
この結果に研究者曰く、

  • 微生物の多様性が現代の一般的な免疫機能障害であるアトピーと驚くほど強く関係している可能性がある

としています。
これらをみると腸内環境のような内側の微生物、環境(自然)のような外側の微生物の両方の多様性を増やしていくことが一番のアレルギー対策・美容対策と言えるのかもしれませんね。
そういえば天然の泥パックで顔がつやつやになるとか、ぬか漬けをかき回すと手がきれいになるとかもこれが原因かも…。



キタバ族とアチェ族にニキビの人は事実上存在しない…!狩猟採集民にとって皮膚トラブルはかなり稀…!

2002年のコロラド州立大学の研究によると、ニキビは西洋化が原因なのかを調べてみたそうです。
そもそも先行研究によると、西洋化が進んだところに住んでいる人たちとニキビの関係は、

  • 25歳以上の男性40%、女性54%は顔にある程度のニキビがある…!そのうちの男性3%、女性12%は中年期になっても顔のニキビが出来ていた…!
  • 10~12歳の子どものうち28~61%の人はニキビがあると診断されていた…!
  • 16~18歳の青年のうち79~95%の人はニキビがあると診断されていた…!
  • 4~7歳の子どもでさえ、にきびと診断されている人がいた…!

って感じで、青年を筆頭にほぼ皆が悩む皮膚トラブルなんですよね。
一方で、

  • ブラジルの農村地域に住む6~16歳の子ども9,955人を対象に行った研究では、ニキビの人は2.7%しかいなかった…!
  • 南アフリカのプレトリアに住む15~19歳のバントゥー族の青年510人を対象に行った研究では、ニキビの人は16%だった。それに対して同じプレトリアに住む15~19歳の白人の青年1,822人の中でニキビの人は45%だった…!
  • 全年齢のバントゥー族3,905人を調べるとニキビの人は2%だった。それに対して全年齢の白人16,676人を調べるとニキビの人は10%だった…!

って感じで、西洋化が進んでいない地域の人たちのニキビ率はかなり低かったみたいなんですよ。
これらを踏まえて今回研究者たちは、パプアニューギニア近くのトロブリアンド諸島に住むキタバ族と、パラグアイのアチェ族という2つの狩猟採集民を調べてみたそうです。
ではそれぞれの狩猟採集民の概要とニキビの人がどれぐらいいたのか見ていきましょう…!


キタバ族

キタバ族が住んでいるのは、パプアニューギニアのミルン湾州にあるトロブリアンド諸島の一つキタバ島というサンゴ礁の島です。キタバ島の面積は25kmで、畑での自給自足や漁師を行っており2,250人ほどのキタバ族が住んでいるとのこと。因みに電機や電話、自動車といったものは1990年にはまだなかったそうです。
キタバ族は20~400人の村に住んでいるそうで、パプアニューギニアの本土からの商品はほとんどなく、西洋化が最小限にとどまっている場所となります。
キタバ族は心疾患や脳卒中といった病気がほぼなく、また、肥満や高血圧、栄養失調とも無縁な暮らしをしているとのこと。更にインスリンレプチンも非常に理想な状態とのことで、一生インスリン感受性が高いらしい。それと男性は基礎代謝の約1.7倍も運動レベルが高いらしく、にもかかわらず、男女4人中3人が毎日タバコを吸っているそうです。
一般的な死因は感染症、事故、妊娠時の合併症、老化で、平均余命は新生児で45歳、50歳で75歳以上とのこと。この辺は狩猟採集民によくある感染症への対策(抗生物質)のなさといった現代医療がないデメリットが大きく出ていそうですね。特に乳幼児の死亡率が高くなっちゃいますから…。
キタバ族の食事は主に根菜類、果物、ココナッツです。そしてほぼ西洋スタイルの食事の影響はないとのこと。例えば、乳製品アルコールコーヒー、紅茶の摂取量はほぼゼロで、植物油マーガリン、シリアル、砂糖の摂取量はごくわずかみたい。
キタバ族の特徴は炭水化物摂取量の多さで1日の摂取カロリーの約70%が糖質(ほぼいも類)なんですよね。代わりに脂肪の摂取量が20%ぐらいと少なかったり致します。

キタバ族の概要はこんな感じでして、続きましてニキビの調査の概要と結果です。
キタバ族とニキビの調査は1990年に7週間行ったそうです。494世帯のキタバ族を訪ねて10歳以上のキタバ族1,200人(うち15~25歳までのキタバ族は300人)を対象に一般的な健康診断を行い、合わせてニキビを含む皮膚トラブルについて検査してみたらしい。因みに男性は顔、胸、背中のニキビをチェック、女性は顔、首のニキビをチェックしたそうな。
結果は、

  • 1,200人中、ニキビの人は0人だった…!
  • 最もニキビになりやすい15~25歳の300人にもニキビの人はいなかった…!

とのこと。
皮膚トラブルってなに…?みたいなレベルですね。羨ましい…。


アチェ族

続いてアチェ族をご紹介していきます。
アチェ族が住んでいるのはパラグアイの東部でして、1970年代半ばに西洋文明と接触するまでは、パラグアイ川とパラナ川の間の20,000kmで暮らしていた狩猟採集民です。
西洋文明と接触後は伝統的な狩場の近くに小さな村を作って定住し、現代は狩猟採集と農業経済というハイブリッドな生活を送っておられます(余談ですが近年ではますます近代化・西洋化が進んでいる)
1970年代後半以降は西洋文明との接触による近代化・西洋化によって全体的な健康面は変わりつつありますが、感染症による死亡率はやはり高く、しかし一方で慢性疾患(糖尿病や喘息、高血圧、その他の心血管疾患など)は稀とのこと。
アチェ族の食事は狩猟採集と西洋スタイルのハイブリッド型で、地元で栽培されたものや西洋スタイルのものも食べられていたりします。食べ物の内訳は、野生植物が最も多い69%、次いでジビエ肉17%、その他として西洋スタイルの食事が8%、国産肉が3%、密林産の物が3%といった感じらしい。
主食は甘いキャッサバ(タピオカの原料、いも)で、他にピーナッツやトウモロコシ、米といった感じ。西洋スタイルの食事はパスタや小麦粉、砂糖、パンなど。

アチェ族の概要はこんな感じでして、続きましてニキビの調査の概要と結果です。
アチェ族とニキビの調査は1997年9月~2001年6月までの843日間にわたって繰り返し行ったとのことで、ニキビや皮膚トラブルについて調べたらしい。
実験に参加したアチェ族の方は16歳以上の男女59人と16歳未満の少年少女58人の平均115人だったそうで、そのうち15~25歳のアチェ族の人は15人だったとのこと。この参加者全員を6ヶ月おきに皮膚チェックしたそうな。因みに調べた箇所は顔、胸、首、背中だったらしい。
結果は、

  • 115人中、ニキビの人は0人だった…!
  • 但し、18歳の男性の1人のみ、過去にニキビがあった跡があった…!

とのこと。
やはりニキビってなにそれ…?レベルですね。羨ましい…。


以上の結果から研究者曰く、

  • キタバ族とアチェ族に、ニキビの人は事実上存在しない…!

としています。
また、これらの結果は遺伝的な違いのみが原因ではなく、環境要因の可能性も高いとのこと。やっぱ西洋スタイルの食事はニキビを筆頭に皮膚トラブルを呼ぶみたいですね。
腸内フローラ(腸内細菌の多様性)をしっかり考えていくことが、一番の皮膚トラブル回避、美容法って感じですな。



除菌・抗菌・殺菌をし過ぎてしまうと皮膚の微生物の多様性が失われる…!

2009年の研究によると、皮膚の微生物の多様性が衛生習慣によって失われつつあるよーってことが書かれております。
なんでも哺乳類は汗をかいた時に出るアンモニアに反応して、皮膚の微生物の多様性は進化してきたそうなんですよね。また現代の皮膚の衛生習慣、つまり過度な除菌・抗菌・殺菌などによって、これらの皮膚細菌が皮膚から徐々に失われていっているらしいんですよ。以前に「トリクロサン・トリクロカルバンに気を付けろ…!」みたいな記事を書きましたが、やはり行き過ぎた衛生習慣は反って良くないみたいですねー。

更に問題なのが体内の亜硝酸塩(一酸化窒素)が不足していること。これが免疫の異常や体内炎症問題として現れているそうな。この辺について詳しくは、


あたりをご覧いただきたいのですが、ざっくりいうと太陽光に当たらないと反って良くない…!って話ですね。



では微生物とどうやって仲直りすべきか…?

では微生物と仲直りして多様性を取り戻すにはどうすれば良いのでしょうか…?
まずざっくり言ってしまうと対策は2つございます。
外側の対策と内側の対策です。
外側の対策については、

  • 自然を取り入れるのがベスト…!

となります。
具体的には

  • 自然豊かな森や海に出かける
  • ペットを飼う
  • 窓を開けて換気する
  • 室内に観葉植物を置く
  • 家庭菜園を行う
  • ガーデニングを行う

なんかが効果的かと思います。

続きまして内側の対策です。
内側の対策のポイントはやっぱり食事です。


って感じです。
他にも、


ってのもよろしいかと思います。
最後にその他としては、

  • 除菌・抗菌・殺菌のシートやスプレーをむやみやたらと使わない
  • 抗生物質をむやみやたらと使わない
  • 微生物の多様性がある人と一緒に過ごす(悪い細菌同様、良い細菌も人から人へ移る)

となります。
出来るところから始めていきたいですねー。



個人的考察

衛生仮説は、感染症や慢性炎症腸内環境と密接なかかわりがあり、現代病との関係は間違いないように思います。
当ブログでご紹介している研究・記事も衛生仮説を裏付けるようなものが多いんで、気になる方は上記のリンク先やセットポイントの記事内のリンクなどをご覧いただくとよろしいかと思います。



参考文献