最強のタイムマネジメント法「タイムボクシング」のやり方・方法を学ぼう実践してみよう!
当事業所の社内研修の中で「タイムボクシング」について触れる機会がございまして、その際、口頭で説明してしまったんですが、今回ちゃんと記事にしておこうかと思いまして…。
というのも、これまで当ブログでは様々なタイムマネジメント法・時間管理術・生産性アップ術・タイムスケジュール法をご紹介してきましたが、タイムボクシングについてはまだ書いていなかったんですよね。
タイムマネジメント法のトップ100を作ってみた…!
まずタイムボクシングのやり方の説明の前に、タイムマネジメント法って色々あるけど、結局どれが良いのか…?ってことを調査したお話を書いておきます。
Filteredっていうところが、2018年に世の中にタイムマネジメント法はたくさんあるけど結局どれが良いの…?ってことを調べておりまして、それをランクイン付けしてくれたんですよね。
んで、ランキングは1位から100位までありまして、その中にはなじみのある物からちょっと聞きなれない物まで様々な物がございます。その全てをご紹介しても良いんですが、まどろっこしいんで今回はトップ5のみ挙げておきますね。
5位:デバイスコントロール(Control your devices)
5位はデバイスコントロール(Control your devices)です。
デバイスコントロールとは、仕事をするときスマホなどを物理的に遠ざけたり通知を切っておく方法のことを言います。
人間は兎に角、誘惑や気が散ることに弱い生き物なんで、それらをなるべく排除した状態にしよう…!ってことですな。因みにどれぐらい気が散るのに弱いかと言いますと、例えば2014年のミシガン州立大学の研究によれば、平均2.8秒気が散る出来事が起こるだけでミス率が約2倍もアップしてしまうらしい。
そのため如何にそれらが起きづらい環境にするか、シングルタスクで仕事が出来るかがポイントなんだとか。
但し、アイディアが欲しい場合は集中せず逆にリラックスした状態にするのが大事でして、例えばBGMが流れるゆったりしたカフェなんかは良いみたいです。
4位:運動(Move!)
4位は運動(Move!)です。
運動の効果はたくさ~~んございますが、生産性アップにもかなり良いそうな。例えば集中力が途切れた際に運動するとスッキリし、集中力を取り戻すことができたり、そもそも運動しながら仕事をするのも良い感じだと言う研究もございます。
詳しくは、
をご覧いただきたいのですが、スタンディングデスクやトレッドミルデスクを使うのが良さそうです(因みに私は自宅でスタンディングデスクを使っている)
理由についてはおそらく運動のストレス解消効果やBDNFが関わっているんじゃないのかな~と愚考しておりまして、そうなるとHIITなんかはやはりオススメになりそうな感じ。また集中力が切れてくる原因としても1日の中のBDNFの低下が自我消耗とも結びついているのかな~とか、でも、自我消耗は否定されつつあるからやはり適度なタスクの切り替え(ポモドーロ・テクニック然りで30分ぐらいがオススメ)がポイントなのかな~とか思っております。
いずれにしても運動をする理由がまた一つ増えましたね。
3位:ノーと言う(Say no)
3位はノーと言う(Say no)です。
これだけだとなんのこっちゃって感じなんですが、要は、今向かうべきタスクに集中力を全振りする為、それ以外のタスクはやらないし断ろう…!って話です。
先程も書いた通り、人間は少しの気が散る出来事でパフォーマンスや集中力が落ちちゃいます。
また脳が飽和状態になると手がつかなくなっちゃいますし、余裕がなくなると実際にIQが落ちて尚仕事が捗らなくなります。時間がないという焦りも起こり得ますしね。そういった欠乏の恐怖からもパフォーマンスは間違いなく落ちますんで、極力なくすようにすべきところです。
そのため余裕を持つ為にもノーと言うこと、重要なタスクを行う際は、勇気をもって他の仕事は断ったり他の方に振るのが大事になります。
2位:優先順位(Prioritise)
2位は優先順位(Prioritise)です。
タスクがたくさんあると、どこからどの順番で手を付けていいか分からん…!みたいな状況になってしまいますが、そんな時は優先順位を付けていくのが良い感じ。
因みに優先順位の前にタスクの総量が分からん…!って方は洗い出しにGTDをするのがオススメです。
1位:タイムボクシング(time-boxing)
1位はタイムボクシング(time-boxing)です…!
タイムマネジメント法のナンバーワンがタイムボクシングなんですなー。
ということで、次にタイムボクシングについてのやり方や流れを見ていきます…!
タイムボクシングってなに…?どうやるの…?
それではナンバーワンのタイムマネジメント法である「タイムボックス」ってなに…?って話から。まぁ、名前だけだとなんだかすごそうな感じですが、もしかしたら皆さんも行っているかもしれませんがね。
タイムボックスとは、タスクに作業時間を設定し、スケジュールに組み込み、その通りに行うことを言います。…っと言ってもこれじゃあなんだか分からないんで、まずは見本を下記に載せますね(クリック又はタップで拡大できます)
- あ~見たことある…!
- 今もやっている…!
- あれ、これってGoogleカレンダーじゃ…?
って方もおられるかと思います。
実はこのようにタスクにかかる時間を設定し予定を入れている一つ一つのボックスのことをタイムボックスと言いまして、これをタイムスケジュールに組み込んでいくからタイムボクシングなんですよね。
実際使っている方も多いと思いますが、ちゃんとしたやり方は…?と聞かれるとなんとなくタイムボックスを入れているだけって方も多いと思います。なんで、次にタイムボクシングのやり方・流れについて抑えていきます。
- タスクの洗い出し
- 優先順位を付ける
- 各タスクの時間見積り
- スケジュールに組み込む
- スケジュール通りにタスクをこなしていく
- 反省会
- 上記を繰り返す
では、各項目を詳しく見ていきましょう。
1. タスクの洗い出し
まずは今あるタスクがどれぐらい、どのような物があるか、全部を棚卸します。
上記に書いた通り、個人的にはGTDがオススメですね。
2. 優先順位を付ける
やらなきゃいけない事が全部わかったら、次に優先順位を付けていきます。
ここではタスクの重要度や期限・締切、スピード重視か質重視かなど判断して振り分けていきましょう。
個人的にはKJ法+αでご紹介した方法を使うのがオススメです。
3. 各タスクの時間見積り
優先順位を付けたら、それぞれのタスクにどれぐらいの時間がかかるか見積もりを立てます。
ここは後で結構大事なポイントになるんですよね。
4. スケジュールに組み込む
スケジュールにタイムボックスを入れていきます。
週間スケジュールに組み込むことを基本としていますが、個人的には、慣れるまでは今日や明日のスケジュールだけ作って組み込んでも良いのかな~とも思っています。
5. スケジュール通りにタスクをこなしていく
作ったスケジュールに沿ってタスクを行っていきます。
この時、必ずしてほしいことは時計やストップウォッチなどを使って、タスクの開始時間・終了時間・タスクに実際にかかった時間をメモしておいてください。ここ重要。
6. 反省会
その日の最後に一人反省会を行い、見直しと振り返りをします。
ここで大事なのが見積もりで立てたタイムボックスの時間と実際にタスクでかかった時間のズレがどれぐらいあるかを確認することです。
実はタイムマネジメントが苦手な人の特徴として、時間の見積もりが下手って共通点があるんですよ。専門的に言えば、計画錯誤が起きやすいってことでして、これは計画を立てる際、ついつい時間を短く見積もってしまいがちになる事を言います。
そのため、反省会で見積もりの時間と実際の時間のズレをしっかり把握し修正することで、計画錯誤を回避し正確に予測が出来るようになるんですな。
そして正確なタスクの時間が予測できるようになると、建てたタイムスケジュール通りに開始し終了することが出来るようになるので、効率が上がり、時間管理も上手になる…!って寸法です。また上記に慣れてくると初めてのタスクの時間の見積もりも上手くできるようになります。
その他にも1日に行ったタスクの数を振り返ることにより前に進んでいる感(前進感)や達成感を味わえるため、よりモチベーションも上がるという訳です。
7. 上記を繰り返す
1回行っただけで上手くいくことはそうはありません。
繰り返し行うことは何事においても大事でして、何度も行うことによって少しずつタイムマネジメントが上手くなっていきます。
例えば、この中で最も難しいところは、タスクの分類と、どれくらいの時間がかかるかの見積りを立てるところとのことですが、これについては練習すればするほど上達するそうな。
なので、反復練習は是非していきたいところです。
タイムボクシングのやり方はこんな感じです。文章にすると、なんだか大変そうですが、実際行うとそうではありません。
それでは最後にタイムボクシングを行う際のプラスアルファなポイントを挙げておきます。
- タイムボックスには様々な物を作って入れるべし:タイムボックスにはやらなければいけない仕事のタスクだけでなく、通勤時間や会議、約束事、食事、プライベートな事、遊び、休憩、何もしない、ダラダラする、サボる、予備時間などあらゆるものをボックス化して入れると言いそうな。
- タイムボックスは共有カレンダーに入れるべし:タイムボックスを共有カレンダーに入れることによって、自分が行っていることを周囲の方も見ることができるようになります。これにより透明性が確保され、また、周囲が助けやすくもなります。特に、助けて…!というのが苦手な人(援助希求能力が低い人)は、おすすめですね。因みに他人に助けを求めると助けを求めた人が有能に見えたりします。良い事尽くしですね~。
- 過去のスケジュールを取っておくべし:終わったタイムスケジュールも取っておくことによって、より過去の振り返りが行えます。例えば、忙しい1週間の中では結局どれぐらいの成果があったのか分からないということになりがちです。しかし、過去のスケジュールを取っておくことによってそれらを振り返る事が出来ます。もっというと、半年前や一年前はどうだったか、その期間で最も上手くいったタスク管理とそうでないタスク管理は何だったのかなども見直すことができますんで、それらを踏まえた予定を次に組むことが可能になるんですよね。ログ(記録・日記)は大事と散々書いてきましたがそれはここにも通ずる話。個人的には、検索できるGoogleカレンダーのようなデジタルな物にしておくと検索できるので便利だと思います。
なぜ「タイムボクシング」はここまで良いのか…?
タイムボクシングの方法が分かったところで、ふと、疑問が起こるかと思います。それは、なぜタイムボクシングがここまで良いのか…?ってことです。
これについては、2012年のハーバードビジネスレビューが参考になりまして、なんでも、従来のやることリスト(ToDoリスト)には以下の5つの問題があったかららしい。
- 問題1:ただタスクを洗い出しただけでは、そのタスクの量に圧倒されてしまい立ち尽くしてしまうから。
- 問題2:簡単なタスクにばかり手を付けてしまい、重要なタスクや面倒なタスクをどうしても後回しにしてしまうから。
- 問題3:重要なタスクであっても緊急性がないと結局やらないことが多いから。
- 問題4:やることリスト(ToDoリスト)には、そもそもどれぐらいの作業時間が用意されているのか書いていないから。
- 問題5:自分をごまかさず、セルフコントロールを効かせてコミットする仕組みがないから。
確かに言われてみれば、どれもその通りですよねー。
例えば2014年の書籍に載っている研究によれば、
- ToDoリストに挙げたやる事の41%はずっとやらずに残り続ける…!
- ToDoリストの50%以上はその日で終わらせるし、書いて1時間以内で終わっている…!
って感じだったそうなんで、如何に上記の5つの問題が起こるか納得できますな。
他にもパーキンソンの法則(Parkinson’s Law)っていう問題もありまして、これは、
- タスクの完成時間は、与えられた時間を全て使い切るまで増え続ける…!
って法則のこと。
つまり、時間が無限にあると思うといつまでもダラダラやって終わらないってことですね。にもかかわらずToDoリストには時間の見積もりが入っていないので上記の問題が起こる訳です。
タイムボクシングは、これらの問題を全て対策するため、
- より多くのタスクをこなせるようにする
- ストレスを感じないようにシングルタスクと集中力を意識する
- 優先順位を付けて締め切りを守れるようにする
- ちょこちょこ達成感を味わえるようにする
っていう仕組みを取り入れたわけです。
個人的考察
実はタイムボクシングは自己決定理論の自律性に基づいているのも大きいと言われております。
つまり自己コントロール感を得やすいってことでして、どのタスクをいつやるかについて自分で決めて、タイムボクシングされた時間帯は気が散るものを全てシャットダウンし、集中してタスクをこなしていく。そしてこれを繰り返す。すると、自分でタスクを継続的にコントロールしている感じがし、また、達成した仕事が目に見えると、満足感も得られ、それが習慣化してくるって感じですな。
ということで、仕事を上手くこなしていきたい…!って方はタイムボクシングを使ってみてください…!
参考文献
https://learn.filtered.com/about
https://learn.filtered.com/hubfs/Definitive%20100%20Most%20Useful%20Productivity%20Hacks.pdf
https://www.g-workspace.jp/googleworkspace/calendar/
https://learn.filtered.com/hubfs/Definitive%20100%20Most%20Useful%20Productivity%20Hacks.pdf
https://www.g-workspace.jp/googleworkspace/calendar/