運動の時にコンプレッションウェアを着ると良い…!って話が一時期結構話題になりまして、ですが、最近着ている方を見かけなくなったのも事実。
結局、アレって着ると良いの…?ってことでその辺を調べた研究を見ていきましょう。



コンプレッションウェアを使っても筋肉の血流量はアップしないしエネルギーの輸送スピードも上がらないしグルコースの取り込みもアップしない…!

2013年のヴッパータール大学の研究によると、コンプレッションウェアが血流をアップさせたり、グルコースの取り込みを増加させたりするのか調べてみたそうです。
そもそも骨格筋の血流ってのは、筋肉の老廃物やエネルギーを運ぶだけじゃなく、代謝にも重要でして、運動の開始時から運動中に上がることが分かっております。因みに運動開始から約30秒で増加していくみたいです。また運動の回復にはグリコーゲンを使います。
一方コンプレッションウェアは、

  1. パフォーマンスをアップさせる…!
  2. 筋肉回復スピードをアップさせる…!

と言われております。
ということは、コンプレッションウェアを着ることで、筋肉の血流やグルコースの取り込みがアップしているかもしれないってことですよね。ということで今回ここんところを調べてみたそうな。
実験は健康な男性6名(平均体重72±4kg、平均身長181±7cm、平均年齢22±2歳、VO2max54±6)を対象に以下の手順で運動をしてもらったそうな。

  1. 10分間のウォームアップ
  2. 限界まで高強度でエアロバイクを漕ぐ
  3. 1分間の休憩
  4. VO2maxの75%でエアロバイクを漕ぐ

併せて、実験開始・終了時に筋肉の血流量とグルコース取込量の測定を太ももの筋肉を使ってチェックしたらしい。因みに上記からも分かる通りコンプレッションウェアはレギンスタイプの物を使ったみたい。
最後に集まったデータを統計処理した結果がこちら。

  • スタート時(運動をしていない状態)でコンプレッションウェアを着用しても血流量は変わっていなかった…。
  • 運動後の回復時、筋肉の血流量は、太もものある部位ではコンプレッションウェア着用の場合(3.16)もそのままの場合(3.94)もスタート時と比べてアップしていた。但し、太ももの別の部位では両方とも変わらなかった…。
  • 運動後の回復時、筋肉の血流量をコンプレッションウェア有り無しで比べてみたが、低下又はあんま変わらなかった…。
  • スタート時及び回復時のコンプレッションウェア有り無しで比べてみたが、血流量に違いはなかった…。

つまり、コンプレッションウェアを使っても筋肉の血流量はアップしないし、そのため、エネルギーの輸送スピードが上がる訳でもグルコースの取り込みがアップする訳でもなかったってことですね。



個人的考察

一言で言うなら、コンプレッションウェアは無駄…!ってことですね。何とも悲しい結果ですな。



参考文献

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23613756