先週の続きです
今回は同じ研究者が成人の知的障がいの方を対象にした筋トレ効果の系統的レビュー・メタ分析と有酸素運動効果の系統的レビュー・メタ分析を発表しておりましたんで見てみましょう…!



知的障がいを持つ方の筋トレ効果を系統的レビュー・メタ分析してみた…!

2021年のデラウェア大学の研究によると、知的障がいを持つ方の筋トレ効果を系統的レビュー・メタ分析して調べてみたそうです。
まず研究者たちは2020年5月までに発表されている、以下の項目に該当する研究を11種類のデータベースを用いて検索してみたそうな。

  • 知的障がい者に筋トレを行ってもらい効果を調べた研究
  • 最大筋力の変化を調べた研究

次に検索した研究の中から基準を満たすものをピックアップしていったそうで、最終的に11件の研究が選ばれたらしい。
この11件を系統的レビュー・メタ分析にかけてみた結果、以下のことが分かったそうです。

  • 25~58歳の知的障がい者が筋トレを行うと、筋力が全体的に有意にアップしていた…!
  • 有酸素運動+筋トレやバランス運動+筋トレよりも筋トレのみの方がより筋力が有意にアップしていた…!

どうやら筋トレを行う場合、他の運動と組み合わせない方が筋力アップが見込めそうですね~。
但し注意点として、研究数が限られており、研究の質も低いんでバイアスリスクはありそうってことなんで、この先の研究で変わるかもしれんですな。



知的障がいを持つ方の有酸素運動効果を系統的レビュー・メタ分析してみた…!

2021年のデラウェア大学の研究によると、知的障がいを持つ方の有酸素運動効果を系統的レビュー・メタ分析して調べてみたそうです。
まず研究者たちは、2021年6月までに発表されている、該当研究を11種類のデータベースを用いて検索してみたそうな。すると該当する研究が2,997件も見つかったらしい。その後、重複している研究などを除外していき、14件まで絞ったらしい。
これに参考文献やレビューで見つけた2件の研究を加えて、最終的には16件の研究が選ばれたんだとか。
この16件の研究を用いて、系統的レビュー・メタ分析を行ってみた結果、以下のことが分かったそうです。

  • 21~58歳の知的障がい者が有酸素運動を行うと、心肺機能が有意にアップ(SMD=0.41)していた…!
  • 有酸素運動に筋トレやバランス運動、柔軟性エクササイズなんかを組み合わせても心肺機能は有意にアップしていた…!
  • 但し、有酸素運動と筋トレやバランス運動、柔軟性エクササイズなんかを一緒にやる(SMD=0.40)よりも、有酸素運動のみ(SMD=0.42)の方が心肺機能がわずかにアップしていた…!

先行研究の結果同様、有酸素運動を行うと心肺機能はアップするみたいですねー。
しかも上記で挙げた筋トレ研究の時と違い、他と組み合わせても良いと。但し、ベストはやっぱり有酸素運動のみみたいですね(わずかな差なんで気にするレベルではないですが)



個人的考察

ということで上記2つの系統的レビュー・メタ分析から分かったことをまとめると、

  • 成人の知的障がいの方は筋トレで筋力がアップする…!
  • 成人の知的障がいの方は有酸素運動で心肺機能がアップする…!
  • つまり成人の知的障がいの方は筋トレも有酸素運動も行った方が良い…!
  • 但し筋トレと有酸素運動は同時に行わず、別々の日に行った方が良さそう…!

ってことになりましょう。
やっぱり障がいの有無に関わらず、運動効果は得られそうなんで定期的に行った方が良さげです。



参考文献