今回は葉酸・ビタミンBの研究の最後として、RCTの系統的レビュー・メタ分析を見ていきます。



葉酸やビタミンB12のうつ症状軽減効果は短期的にはダメ、長期的には良いかも…!

2015年の西オーストラリア大学の研究によると、葉酸とビタミンB12がうつ病に効果的なのかプラセボ対照のRCT・系統的レビュー・メタ分析で調べてみたそうです。
まず研究者たちは、2014年6月6日までに発表された該当する先行研究をPubMedやPsycINFO、Embase、コクランのデータベースで検索してみたそうな。その結果、269件の研究がヒットしたんだとか。
次にこの中から、


などに該当する研究をピックアップしていったそうで、最終的に基準を満たしたものは11件だったとのこと。これらを用いて系統的レビュー・メタ分析にかけてみたそうです。
気になる結果はこんな感じ。

  • 数日から数週間、ビタミンBを使用した場合、抗うつ薬で治療されている成人の大うつ病患者さんのうつ症状は改善しなかった(5件の研究、標準化平均差(SMD)=-0.12)
  • 数週間から数年、ビタミンBを使用した場合、抗うつ薬で治療されている成人の大うつ病患者さんのうつ症状の再発リスクが低下する可能性があった(1件の研究、オッズ比=0.33)
  • ビタミンBを使用した場合、重大なうつ症状リスクを減少させる可能性があった(2件の研究、リスク比=0.65)

つまり、葉酸やビタミンB12のうつ症状軽減効果は短期的にはダメ、長期的には良いかも…!って感じだったってことですね。但し、質の高い研究はまだまだ少なく、個々の研究の結果もバラバラだったんで、その辺は注意ということでした。



個人的考察

ということで、メンタル安定・改善には葉酸やビタミンBが少なくならないよう長期的に意識していくことが大事みたいです。



参考文献