昨日の続きです
今回は4つのダイエット法を試して性差による効果の違いを調べた研究を見ていきます。



女性よりも男性の方が体重が大きく減っているけど体脂肪よりも筋肉量が多く減る…!時間の経過で最終的には体重減少の性差はなくなる…!

2014年のサリー大学などRCTによると、肥満体型の成人男女を対象に性差によるダイエット効果の違いについて調べてみたそうです。
まず研究者たちはイギリスの5つの都市(ギルフォード、ノッティンガム、アルスター、ブリストル、エディンバラ)にある大学センターに協力を依頼。各大学センターから60名ずつ参加者を募ったそうな。すると、BMIが25~40未満の肥満体型な男女300名がOKしたとのこと。因みに年齢範囲は21~60歳だったそうな。
次に以下の4つの食事ダイエットのうち、ランダムにどれか一つを割り振り実践してもらったらしい。

  1. アトキンスダイエット:アトキンス博士が考えた1日の糖質摂取量を20g以下に抑えるダイエット
  2. スリムファーストダイエット:1日1回の適切な食事、2回の食事の置き換え、3回のスリムファーストの製品を食べるというダイエット
  3. ウェイトウォッチャーズダイエット:各食品に割り振られたポイントを見て、1日の合計ポイント内に収められるよう食べていくダイエット
  4. ローズマリー・コンリーの「Eat yourself Slim」ダイエット&フィットネス:低脂肪食ダイエットに運動をプラスしたダイエット

併せて、実験開始時、2ヶ月後、終了時の6ヶ月後にDXA(二重X線吸収法:精度の高い測定法)を用いて、体重や体脂肪、筋肉量をチェックしたらしい。因みに男女それぞれでドロップアウトの方がいたんで、最終的には287名(女性210名、男性77名)が半年後のゴールを迎えられたんだとか。
最後に集まったデータを統計処理した結果、以下のことが分かったそうです。

  • 半年間にわたって4つのダイエット法を試したが、体重と体脂肪の減少に差はなかった…!
  • 2ヶ月後の時点での体重減少は女性(3.80kg)よりも男性(7.34kg)の方が有意に高かった…!
  • 6ヶ月後の時点での体重減少は女性(6.27kg)よりも男性(10.3kg)の方が有意に高かった…!
  • 性差の体重減少にダイエット法は関係なかった…!
  • 男女の体脂肪について、2ヶ月後には平均で3.5kg、6ヶ月後には平均で6.1kgも減っていた…!
  • 2ヶ月後の時点での体脂肪の減少は女性(2.95kg)よりも男性(4.99kg)の方が有意に高かった…!
  • 6ヶ月後の時点での体脂肪の減少は女性(5.38kg)よりも男性(7.68kg)の方が有意に高かった…!
  • 筋肉量について、2ヶ月後、6ヶ月後ともに男性は女性よりも3倍も多く減っていた…!

つまり、女性よりも男性の方が体重が大きく減っているけど、その原因は、体脂肪よりも筋肉量が多く減るからって感じみたいですね。
特にダイエット2ヶ月後の時点では、男性は女性よりも2倍も体重が減っているものの、体脂肪は2倍に届かず(女性3kgに対して男性5kg減る)、筋肉量に至っては3倍も減っているんで、これをダイエット成功とするかはかなり微妙ですね(短期的には成功かもだけど中長期的には失敗と言えるんで)
更に研究者によれば、時間の経過とともに差は縮まり、最終的には体重減少の構成における性差がなくなるってことでして、ずっとダイエットを成功していたいなら気にする必要はなさそうです。



個人的考察

男性の方が女性よりも筋肉や脂肪が付きやすいってのは分かっていましたが、減りやすいってのも分かりましたね。しかもそれが男性が女性よりも体重が減りやすい原因であり、最も大きな原因が筋肉が減るからって言うんだから悲しいもんです。しかもこれは短期的な話で、体重減少は長期的には変わらんってのも分かったんで、一般の方はまず気にしなくて良いんじゃないかと。
それとどんなダイエット法でも長くやれば結果は同じってのがまた証明されましたな。やっぱダイエットは自分が続けられるものを選ぶのが一番大事ですね。



参考文献