先週の続きです
前回、成人の知的障がいの方を対象にした筋トレ効果と有酸素運動効果の系統的レビュー・メタ分析という質の高い研究を見てみました。結果はやっぱりどちらも行った方が良い…!って結論だったんですが、とはいえ、両方は難しいという方もおりましょう。
では、どちらもやるのが一番良いのは変わらないとして、次はどうなのか…つまり、筋トレのみと有酸素運動のみでは、どちらが良いんだ…?ってのを今回チェックしていきます。



運動はやはり効果アリ…!特に有酸素運動がオススメ…!

2023年のコインブラ大学などの研究によると、障がいのある方のうつ症状に運動が効果的なのかメタ分析・系統的レビューを行い調べてみたそうです。
ということでまず研究者たちは、該当する先行研究を探すべく、PubmedやWeb of Science、Scopus、SportDiscusというデータベースを用いて検索してみたそうな。因みに研究者たちは、身体障がいと知的障がいの方のうつ症状に対する運動効果の研究がヒットするようなキーワードを使っておりました。
その結果、合計で1,509件もの研究が見つかったらしい。続いてこの中から、質の高い研究を選んで行ったそうで、最終的に基準を満たした研究は全部で5件だったとのこと。この5件の研究の総サンプル数は226人でして、そのうちの111人が運動グループ、残りの115人がコントロールグループだったみたい。
また基本的に成人の方がサンプルとして選ばれておりまして、5件のうちの1件が身体障がいの方、他の4件は知的障がいの方が実験に参加しておりました。なんで知的障がいの方が運動した時のうつ症状改善効果を調べたと言っていいでしょう。
5件の研究の運動の種類は全て違っておりまして、

  1. ミニテニス
  2. サッカー
  3. 2人1組で行うエクササイズ
  4. 有酸素運動+筋トレ
  5. 特定の運動を指定しない運動プログラム

って感じ。
更に運動の実験期間や週の頻度、時間なんかもバラバラでして、

  • 実験期間:12~24週間
  • 週の頻度:週2~4回
  • 時間:45~180分

のようになっておりました。
これらのデータを基にメタ分析・系統的レビューを行ってみた結果、

  • 知的障がいの方が運動すると抑うつ症状を軽減できる可能性が高い…!
  • 全体的な効果サイズは-1.403(より大きな効果サイズ)である可能性が高い…!

そうです。
やっぱり障がいの有無に関係なく運動はメンタルに良い影響を及ぼすみたいですな。
またこの研究ではどんな運動法が良いの…?ってこともチェックしておりまして、5件の中で質の高い研究を見てみた結果、

  • 週2回、中程度から激しい強度の有酸素運動を行うのが最も効果的っぽい…!

って感じだったらしい。
どうやら有酸素運動のみと無酸素運動(筋トレ)のみだと有酸素運動のみの方が良さそうですねー。



個人的考察

ということで知的障がいのある方も運動した方が良いのは間違いなく、

  1. 有酸素運動+筋トレ
  2. 有酸素運動のみ
  3. 筋トレのみ

の優先順位になりそうな感じです。
但し、以前に挙げた研究により有酸素運動と筋トレは同時にやらない方が良さげって話もありますんで気になる方は別日で行っていくのがよろしいかと思います。



参考文献