昨日の続きです。
鉄分吸収編のその1その2の結果から、ヘム鉄でも非ヘム鉄でも緑茶は吸収を阻害してしまうことが分かりました。
では実際に緑茶を飲んでどれぐらい鉄分がブロックされるのか見ていきたいと思います。



EGCGによる非ヘム鉄の吸収阻害効果は体内鉄分量が正常な人であれば気にするレベルではなさそう…!

2005年のエフ・ホフマン・ラ・ロシュ(企業)二重盲検・プラセボ対照・クロスオーバーデザインのRCTによると、EGCG(エピガロカテキンガレート)による非ヘム鉄の吸収ブロック効果がどれぐらいなのか調べてみたそうです。
この研究は、体内の鉄分量が少ない健康な女性30名に協力をお願いしたもので、以下の3グループにランダムに振り分けたそうな。

  1. EGCGを150mg摂取する。
  2. EGCGを300mg摂取する。
  3. プラセボを摂取する。

上記は8日間連続で行われたそうで、その後ウォッシュアウト期間(インターバル期間)として14日間、間を空けたらしい。
次に、まだ試していないグループ→ウォッシュアウト期間→残っている試していないグループって感じで3グループのパターン全てを全員に行ってもらったみたい(但し順番はランダムで参加者も研究者も誰がどの順番だか知らない)
併せて、体内の鉄分量もチェックしたそうで、最後に集められたデータを統計処理し、非ヘム鉄の吸収率に違いが出たのか見てみたそうです。
その結果、プラセボと比較して、

  • EGCGを150mg摂取すると、非ヘム鉄の吸収率が14%減っていた…!
  • EGCGを300mg摂取すると、非ヘム鉄の吸収率が27%減っていた…!

とのこと。
また、

  • プラセボとEGCG300mgの間に統計的な有意差があった…!
  • EGCG150mgとEGCG300mgの間に統計的な有意差があった…!

そうです。
更に、

  • EGCGの摂取量と非ヘム鉄の吸収率には逆相関の関係がありグラフは直線的だった…!

とのこと。
つまり、緑茶(EGCG)で非ヘム鉄の吸収は阻害されていたし、摂取量が増えれば増えるほど阻害率はアップし、吸収率はダウンしていたと。但し、非ヘム鉄のブロック効果は以前に報告されているものよりもはるかに低く、体内鉄分量が正常な人であれば気にするレベルではなさそうな感じでした。



個人的考察

因みに500mlのペットボトルの緑茶には大体200mgのカテキンが入っているので、18%ぐらい非ヘム鉄の吸収率が下がるってことですな。なんで、気になる方はその分鉄分を多く摂取するとよろしいかと。
まぁ、正直、貧血気味だよ~とお医者さんに言われたことがある方や普段肉を一切食べない人なんかは注意した方が良いぐらいの感じだと思いますが。



参考文献