インターリービング(インターリーブ学習・交互練習・同時並行学習)という勉強法を皆さんご存知ですか…?
例えば、1時間英語を勉強しよう…!と決めた際に、

  • 15分間リーディング
  • 15分間ライティング
  • 15分間リスニング
  • 15分間スピーキング

といった感じで、1回の勉強中に複数のジャンルを一度に勉強してしまおう…!という方法です。
インターリービングを使うと普通に勉強するより効率が良いなんて言われておりまして、2013年のケント州立大学の研究では学習効率の良い勉強法第3位にも選ばれております。
そんなインターリービングの研究を今回みていきたいと思います。



野球のバッティング練習でインターリービングの効果を調べてみた…!

1994年のカリフォルニア・ポリテクニック州立大学の研究によると、野球のバッティング練習でインターリービングの効果を調べてみたそうです。
この研究は、大学の野球チームに所属する30人の選手(年齢17~21歳)を対象に行ったそうで、以下の3グループのどれかにランダムに振り分け、バッティング練習をしてもらったそうな(1グループ10人)

  1. インターリービンググループ:毎週2回、追加のバッティング練習を6週間(12回)行った。練習メニューはストレート15球、カーブ15球、チェンジアップ15球の合計45球をランダムな順番で打った。
  2. ブロック練習グループ:毎週2回、追加のバッティング練習を6週間(12回)行った。練習メニューは1種類の球種を15球全て連続で打ち、次に他の球種を15球全て連続で打ち、残った球種を15球全て連続で打った。
  3. コントロールグループ:対照群。追加のバッティング練習をしなかった。

因みにブロック練習とは一つの練習を行い出来るようになったら(理解したら)次に進んでいく練習法(勉強法・学習法)のことを言います。いわゆる一般的な勉強法のことですね。
6週間後、参加者全員にバッティングテストをしてみた結果、

  • 一番成績が良かったのはインターリービンググループ(56.7%改善)だった…!
  • 二番目に成績が良かったのはブロック練習グループ(24.8%改善)だった…!
  • 三番目に成績が良かったのはコントロールグループ(6.2%改善)だった…!

とのこと。
インターリービングの方がブロック練習よりも2倍以上成果が出ていますねー。すごい。



基本的な解き方を覚えたり、練習問題を解いたりといった全ての勉強についてインターリービングが効果的だった…!

2007年のサウスフロリダ大学の研究によると、数学の問題を使ってインターリービングの効果を調べてみたそうです。
この研究は大学生を対象に行ったもので2つの実験をしております。
まず一つ目の実験では、

  1. ブロック練習:1種類の問題の解き方を学びその後練習問題は解く。これを繰り返した
  2. インターリービング:複数の問題の解き方を学び、練習問題を解いていった

のどちらかを試してもらったらしい。
1週間後のテストの結果は、

  • インターリービングで勉強した方が点数がはるかに良かった…!

とのこと。
二つ目の実験ではインターリービングで問題の解き方を勉強したそうです(つまり複数の問題の解き方を一度に勉強した)。その後以下の2グループに分かれてもらったそうです。

  1. ブロック練習で練習問題を解く。
  2. インターリービングで練習問題を解く。

1週間後のテストの結果はやはり同じ感じでして、

  • インターリービングで練習問題を解いた方が、テストの点数が大幅に高かった…!

とのこと。
つまり、基本的な解き方を覚えたり、練習問題を解いたりといった全ての勉強についてインターリービングが効果的だった…!ってことですね。



1日の練習でもインターリービングの方が結果が良かった…!

2010年のサウスフロリダ大学の研究によると、子どもを対象にインターリービングの効果を調べてみたそうです。
この研究は、4年生の生徒たちに立体図形に関する問題の解き方を教えてみたそうな。
立体図形に関する問題ってのは例えば、

  • 正五角形を組み合わせて立体を作った時の面の数を答えよ

みたいな問題ですね。
この練習をブロック練習、又はインターリービングで行ったらしい。
練習期間はたったの1日間だったんですが、結果、

  • インターリービングの方がブロック練習よりもテストの点数が2倍良かった…!

とのこと。
1日の練習でも結果に違いが出るのは面白いですね~。



9週間勉強→2週間空いての抜き打ちテストでも成績が良かった…!

2014年のサウスフロリダ大学の研究によると、中学生を対象にインターリービングの効果を調べてみたそうです。
この研究は、フロリダの公立中学校に通う140人(ほぼ全ての生徒がスタート時12歳)の生徒を対象に行われたもので、以下のどちらかの勉強法を試してもらったらしい。

  1. ブロック練習
  2. インターリービング

期間は9週間で、その後の2週間後に抜き打ちでテストを行ってみたんだそうな。
結果、

  • ブロック練習で勉強した生徒は38%の正解率だった…!
  • インターリービングで勉強した生徒は72%の正解率だった…!

とのこと。
勉強して2週間空いての抜き打ちテストでも成績が良い…!ってのはすごいですねー。



1日後、30日後の抜き打ちテストでもインターリービングは成績が良かった…!

2014年のサウスフロリダ大学の研究によると、インターリービングの効果を調べてみたそうです。
この研究は、フロリダにある大きな公立中学校に通う男女126人(男性65人、女性61人)の生徒を対象としたそうで、実験開始時の生徒の年齢は12歳だったとのこと。
この生徒たちを以下の2グループに分けて数学の勉強をしてもらったらしい。

  1. ブロック練習
  2. インターリービング

授業は10回の練習問題、復習、テストで構成されていたそうで、各演習課題は12の問題があったとのこと。
合わせて、1日後、30日後に抜き打ちテストを行ってみたそうです。
まず1日後の抜き打ちテストの結果がこちら。

  • ブロック練習の正解率:64%
  • インターリービングの正解率:80%

続いて30日後の抜き打ちテストの結果がこちら。

  • ブロック練習の正解率:42%
  • インターリービングの正解率:74%

つまり、
インターリービングの圧勝ってことですね。これはすごい…!



個人的考察

これらをみるとやはりインターリービングで勉強するのはおすすめですねー。
三福祉士の国家試験を受けられる方は、是非参考にしてみてはいかがでしょうか…?



参考文献