背外側前頭前野・背内側前頭前野・腹外側前頭前野・腹内側前頭前野の機能についてちょっと考えてみる!
当ブログでは、前頭前野(前頭前皮質)の話がちょこちょこ出てきます。
前頭前野はおでこあたりにある脳の部位のことで、ヒトである特徴みたいな機能を持った場所です。具体的には思考や感情、記憶、創造性、行動のコントロールなんかを司っている部位となります。
例えば、
なんかにも関わっております。
背側と腹側・外側と内側について
まず前頭前野(前頭前皮質)は大きく4つに分けることができます。
その4つとは、
- 背外側前頭前野
- 背内側前頭前野
- 腹外側前頭前野
- 腹内側前頭前野
です。
んで、ここでポイントになるのが、
- 背側と腹側
- 外側と内側
になります。
それぞれの違いについては、熊野先生が認知行動療法の基礎と展開の動画の中で、分かりやすく説明されております。
2回ほど説明されている部分があるのですが、一つ目は認知行動療法の基礎と展開 第3回目「レスポンデント学習と行動療法」の17分ぐらいからになります(下記)
二つ目は認知行動療法の基礎と展開 第9回目「神経行動療法への展開」の40分ぐらいからになります(下記)
では、背側と腹側のポイントからまとめていきます。
まず背側と腹側を考える上で大事なのが、(四足歩行の)動物を想像して考えると分かりやすいということです。
人間は二足歩行の為、他の動物と比べて首の形が90度ずれているんですよね。それに対して動物は四足歩行の為、動物と同じポーズを人間がとろうとすると、上(天井)を向くことになります(四つんばいを想像してもOK)。この状態で脳が背中側(背側)かお腹側(腹側)か考えます。
つまりまとめると、
って感じになります。
イメージとしてはこんな感じですかね。
- 背側:人間が上(天井)を向いた状態で背中側の方。つまり頭の上、頭のてっぺん側=背側
- 腹側:人間が上(天井)を向いた状態でお腹側の方。つまり眼窩(がんか:眼の入れ物)の上に乗っかっている脳=腹側
って感じになります。
イメージとしてはこんな感じですかね。
次に外側と内側ですがこちらは簡単で、
- 外側:脳の両半球の外側
- 内側:脳の両半球の内側
となります。
外側イメージ↓
内側イメージ↓
こんな感じで背側と腹側、外側と内側を組み合わせて、背外側前頭前野・背内側前頭前野・腹外側前頭前野・腹内側前頭前野と各部位を呼びます。
続きまして、この4つの部位のそれぞれの機能について軽くご紹介していきます。
背外側前頭前野の機能
背外側前頭前野の場所は以下なイメージです。んで、おでこの上側ぐらいにある背外側前頭前野の主な機能は、
- 記憶や認知など思考を司る部分であり、認知の統括や司令塔が主な役割
とのことです。
背内側前頭前野の機能
背内側前頭前野の場所は以下なイメージです。
んで、おでこの真ん中ぐらいにある背内側前頭前野の主な機能は、
って感じになります。
客観的に観察する能力と関係しているってことですね。また、ここが上手く働かない、出来ない人は自分のことの推測・他人のことの推測が出来ません。そのため、背内側前頭前野は客観視・共感力を司る部分と言えます。
更に余談ですが、自閉症(ASD=自閉スペクトラム症)の方はこの部位が上手く働かないことが分かっているそうです。一昔前に言われたアスペルガー症候群なんかが分かりやすいですが、自閉スペクトラム症の方は空気が読めないことがあるってのは実はここからきているみたいです。
腹外側前頭前野の機能
- 衝動性のコントロールと関係している
と言われています。
正直4つに分けた際の腹外側前頭前野の機能は謎な部分が多いんですが、2005年のカリフォルニア工科大学の研究によれば、空間処理に関係していそうとのことです。
腹内側前頭前野の機能
腹内側前頭前野の場所は以下なイメージです。
んで、眉毛中央から眉間ぐらいにある腹内側前頭前野の主な機能は、
- 恐怖や衝動のコントロール
- 恐怖反応の消去
- 自分に関連する情報処理を行う最も一般的な領域
- 正の刺激(自分にとって結果がプラスの事)を判断する重要な領域
- 健康アドバイスによる行動の変化と関係がある
と関係しているみたいです。