今までご紹介してきた研究はいずれも健康な方を対象としたものばかりでした。
では、そうじゃない人の場合はどうなのか…?についてみていきたいと思います。



脳卒中の患者さんでもHIITを行えばBDNFレベルはアップする…!

2018年のシンシナティ大学RCT・クロスオーバーデザインによると、脳卒中後でもHIITでBDNFレベルがアップするのか調べてみたそうです。
まず研究者たちは、脳卒中を発症してから6か月以上経過している患者さん16人(平均年齢57.4歳、男性9人女性7人、脳卒中後の平均年数6.5年、平均BMI27.6。因みに片麻痺だけど、補助具を使って一人で歩くことができる方たちだった)に協力をお願いし、以下の3つの運動のどれかをランダムな順番で行ってもらったみたい。

  1. トレッドミルによるHIIT:30秒間超早歩き→60秒休憩を繰り返す。スタートから5分後からは休憩を30秒にして、30秒間超早歩き→30秒休憩を繰り返してもらった。途中、休憩しても息切れしすぎて話すことができなかった場合やスタート時の超早歩きスピードを下回った時は休憩時間を延長した。因みにトレッドミルから落ちないようハーネスを付けて行っている。全部で20分間行った。
  2. 座ってできるステッパーによるHIIT:30秒間全力で踏む→60秒休憩を繰り返す。スタートから5分後からは休憩を30秒にして、30秒間全力で踏む→30秒休憩を繰り返してもらった。全部で20分間行った。
  3. トレッドミルによる中強度の有酸素運動:心拍数45±5%で同じペースで歩いてもらった。全部で20分間行った。

採血は、ウォームアップ前、運動開始5分後、10分後、20分後(運動終了直後)、運動終了30分後、60分後にそれぞれ行ったそうです。またウォッシュアウト期間は約1週間を設定したとのこと。
では結果です。

  • トレッドミルによるHIITは、トレッドミルによる中強度の有酸素運動と比べて、BDNFレベルが大幅にアップしていた…!
  • 座ってできるステッパーによるHIITは、トレッドミルによるHIITと同じぐらいのBDNF反応を見せていた…!しかし2つの低血圧反応により強度を低下させた結果、トレッドミルによる中強度の有酸素運動と有意差がなくなった…!

どうやら脳卒中の患者さんでもHIITを行えばBDNFレベルはアップするみたいですねー。すごい…。但し、強度の低い運動じゃBDNFレベルはアップしなかったみたいでこれについては健康な成人を対象とした研究とほぼ同じ結果でした。



個人的考察

ということで、全7回にわたって様々な角度からHIITとBDNFアップの関係についてみてきました。
まとめとしては、やっぱりBDNFをアップするならHIITだ…!どのような人にもオススメだ…!って結論ですね…!



参考文献