マクロビダイエット(マクロビオティック)ってのは、玄米や全粒穀物なんかをメインにしつつ、豆類や野菜、海草(海藻)なんかを食べたりする食事法の事を言います。まぁ、厳密には違いますが、精進料理みたいなイメージを持つと分かりやすいかと…。
んで、マクロビダイエットは痩せる…!とか健康に良い…!みたいな話がある一方で、肉などを食べないので栄養素が足りなくなる…!って話もあったりします。ダイエット法で良くある話ですな。
ということで今回は、マクロビダイエットの研究を見ていきたいと思います。



マクロビダイエットと栄養素の関係について調べてみた…!

1989年のヴァーヘニンゲン大学の研究によると、乳幼児を対象にマクロビダイエットと栄養素の関係について調べてみたそうです。
この研究は1985年のオランダの出生コホートを使ったそうで、

  1. マクロビダイエット:53人
  2. 普通の食事:57人

に分けて、子どもの栄養状態と成長をチェックしてみたそうな。
実験期間は生後6カ月から16カ月までで、2カ月ごとにデータを収集したとのこと。
結果、

  • マクロビダイエットで育てられた子どもは4.8カ月から水ベースのお粥が与えられ、その後、野菜や胡麻、豆類が与えられていた。因みに果物や肉(動物性食品)はほとんどなしだった。
  • マクロビダイエットで育った子供は全年齢層で、カロリー、タンパク質、脂質、カルシウム、ビタミンB2(リボフラビン)、ビタミンB12の摂取量が明らかに少なかった…!代わりに多糖類や食物繊維、鉄、チアミンの摂取量が多かった…!
  • マクロビダイエットの離乳食はカロリー密度が低く(2.4kJ/g vs 対照3.4kJ/g)、食物繊維が多い傾向にあった…!
  • マクロビダイエットの乳児のタンパク質摂取量は、生後6〜8ヶ月ではオランダの1日の推奨摂取量の80%しかなかった…!更に8ヶ月では69%が植物由来だった…!
  • マクロビダイエットでの1日のカルシウム摂取量は280mgだった。但し、硬水を使用していると、14ヶ月でのカルシウム摂取量は308mgまで上昇していた…!

そうです。
マクロビダイエットでカロリー摂取量を抑えられたり、食物繊維を多く摂取できるみたいですが、一方で、タンパク質や脂質、カルシウム、ビタミンB2(リボフラビン)、ビタミンB12なんかが足りなくなっちゃうみたいですねー。
この結果に研究者曰く、

  • マクロビダイエットに脂肪や魚類乳製品をプラスすることが提案されている

としています。



どうやらマクロビダイエットは、魚や乳製品をプラスして食べた方が良さそう…!

1994年のヴァーヘニンゲン大学の研究によると、マクロビダイエットが子どもに与える影響について調べてみたそうです。
まず研究者は、0〜10歳の時にマクロビダイエットを行っていた子どもの成長パターンを評価してみたそうな。
すると0〜8歳児の243人の身体測定から、離乳期に基準値の成長曲線からの乖離が生じることが分かったとのこと。また、2~4歳の間に体重と腕周りの部分的なキャッチアップが見られたが身長ではそのような現象は見られなかったそうです。
次に研究者は、4〜18ヶ月の乳幼児を以下の2グループに分けたそうです。

  1. マクロビダイエットグループ:53人
  2. 普通の食事グループ:57人

実験期間は6ヵ月間で、その間、全員の成長や食事データを収集したそうな。
更に実験の途中からマクロビダイエットグループに脂肪と魚を追加して栄養素を修正してみたそうです。
6ヵ月後(最初のデータ収集から2年後)に、同じコホートで194人を対象に身体測定を繰り返した結果、

  • 追跡調査によって、最初の調査以降、脂肪分の多い魚乳製品、あるいはその両方の摂取量を増やした家庭の子どもたちは、残りの子どもたちよりも身長が急速に伸びていた…!

とのこと。
どうやらマクロビダイエットで、成長に必要な栄養素が足りなくなってしまうみたいですねー。



個人的考察

ということで、確かにマクロビダイエットでカロリー摂取量は減りそうですが、栄養素も足りなくなりそうなんで個人的にはあんま推奨できず…。
特に小さいときは肉や乳製品もちゃんと食べた方が良さそうですねー。

参考文献