アンブレラレビューを見てみよう!」シリーズその115です。
今回でこのシリーズも一旦ラストです。
来年になったら2025年に発表された中で記事にしたい研究をピックアップし、毎週土日にご紹介していこうと思います。
それではどうぞ~。



未成年の心身の健康改善に運動は効果的な方法なのかアンブレラレビューを行ってみた…!

2023年のヴェローナ大学の研究によると、未成年の心身の健康改善に運動は効果的な方法なのかアンブレラレビューを行ってみたそうです。
運動による介入は、心身の状態や障がいの有無にかかわらず、こどもたちのケアに良いぞ…!と先行研究で出ております。ただそれがどの程度の効果を持つのか謎だったんで、ガッツリ深掘りしてみることにしたんだとか。
まず研究者たちは、2010年1月1日~2022年5月6日までに発表された該当する系統的レビュー・メタ分析をPubMed、コクラン、Web of Science、Medline、SPORTDiscus、PsychInfoで検索してみたそうな。次に検索にヒットした研究を適格基準と除外基準に照らし合わせて精査していったらしい。
最終的に選ばれたメタ分析は18件でして、この中の個別の研究112件を用いて、新たに12件のメタ分析を行ってみたとのこと。因みに対象は、ADHDやがん、脳性麻痺、慢性呼吸器疾患、うつ病、運動障害、肥満などの集団と一般集団の21,232人の子ども達だったそうな。
それでは結果を見てみましょう。

  • 全てのメタ分析において、運動はメンタルの改善に役立っていた…!
  • 但し、この関連性のエビデンスレベルは、中程度から非常に低い範囲だった…。
  • 運動と幸福度の関連性については、5件中3件のメタ分析で有意な効果があった…!
  • 但し、この関連性のエビデンスレベルは、中程度から非常に低い範囲だった…。
  • 運動と社会的関連性については、有意な要約効果があった…!
  • 但し、この関連性のエビデンスレベルは、中程度から非常に低い範囲だった…。

なんだかパッとしない結果ですね~。
ということで研究者曰く、

  • 既存のメタ分析では、運動が様々な集団において心理社会的アウトカムに有益な効果をもたらす可能性があった。しかし、その関連性の強さは弱く、エビデンスの信頼性は対象集団やアウトカム、状態や障がいによってばらつきがあった

とのこと。
効果はあるんだけど、ざっくりしたくくりにすると小さいみたいですね。
またその理由は様々な要素のばらつきだと…。



個人的考察

但し、これまで数多くの研究で見てきたように運動を行った方がいいのは間違いない話。
そして冒頭でも書いたように障がいの有無に関わらないんですよね。
その辺については、


の記事が参考になるかと思います。



参考文献