本日はうつ病にマインドフルネス認知療法は有効なのか調べたメタ分析・系統的レビューを見てみます。



うつ病患者の希死念慮にマインドフルネス認知療法が有効なのか調べた初のメタ分析

2022年の安徽医科大学の研究によると、うつ病患者の希死念慮にマインドフルネス認知療法が有効なのか初めてメタ分析・系統的レビューを行ってみたそうです。
そもそもうつ病は、世界的に最も一般的な精神疾患でありましてその生涯有病率は20%とのこと。また、初回のうつ病エピソードの後は一般的に良好で、ほとんどの症例で自然寛解が見られております。んがしかし、ここが穴ぼこでして、うつ病は再発率が非常に高く、繰り返せば繰り返すほど悪化していくんですな。因みに再発率は大体50%~90%でして、詳しくは「うつ病は再発しやすい!は本当なのか?再発率はどれぐらいなのか?」をご覧ください。
その再発予防に効果がありそうなのがマインドフルネス認知療法(MBCT)となっております。但し、うつ病エピソード中の希死念慮への有効性について、現時点ではエビデンスが足りていなかったらしい。そこで今回初のメタ分析・系統的レビューを行ってみることにしたんだとか。
まず研究者たちは、2000年1月1日から2021年8月30日までに発表された該当するRCTをPubMed、Embase、コクラン、CNKI、Wan Fangで検索してみたそうな。すると合計172件の研究がヒットしたとのこと。次にこれらの研究の中で被っている物を除外、その後基準に従い質の高い物を選んで行ったらしい。
最終的にピックアップされたRCTは7件でして、総サンプル数は479人ということでした。また、グループ分けについては、

  1. マインドフルネス認知療法グループ:252人
  2. 通常の治療グループ:227人

って感じだったとのこと。
それでは結果を見てみます。

  • マインドフルネス認知療法は通常の治療よりも、希死念慮や全般的なうつ病スコアが有意に改善していた…!
  • 希死念慮の標準化平均差(SMD)は-0.33(小~中程度の効果量)だった…!
  • 全般的なうつ病スコアの標準化平均差(SMD)は-0.96(大きな効果量)だった…!

マインドフルネス認知療法は、やっぱりうつ病に効果的なんですねー。また効果サイズが小~中程度とはいえ、希死念慮にも有効だってのは嬉しいですな。



個人的考察

来週の月曜日もメタ分析・系統的レビューを見てみます。



参考文献