【加筆内容】筋トレは限界まで追い込むべきか否か?オールアウトにおける最大筋力・筋肥大・筋爆発力への影響についての質の高い研究を見てみる!
筋トレは限界まで追い込むべき…!って考え方がございます。俗にいうオールアウトってやつですね。
一方で、限界まで追い込まなくても効果はある…!って考え方もございます。
つまり、筋トレの大きな謎の一つとして、限界まで追い込むべきか否か…?って問題があり、賛成派と反対派がいるって感じなんですな。
筋トレは限界まで追い込むべきか否か…?オールアウトにおける最大筋力・筋肥大・筋爆発力への影響について系統的レビューとメタ分析を行ってみた…!
2021年のリオグランデドスル連邦大学の研究によると、筋トレは限界まで追い込むべきか否か…?オールアウトにおける最大筋力・筋肥大・筋爆発力への影響について系統的レビューとメタ分析を行ってみた…!
実はこの謎について、2015年のシドニー大学の系統的レビューとメタ分析ってのがあったんですが、後に訂正が発表されておりまして、この時点の結論は、
- 筋トレは限界まで追い込んでも追い込まなくても最大筋力アップに差はない…!
って感じだったんですよね。
しかし、この研究では、最大筋力しかチェックしておらず、筋肥大や筋爆発力への影響は謎のままだったんですな。更にこの研究の発表以降も、新たな研究が続々と登場していたらしい。
そこで今回、それらを踏まえてガッツリ調べてみることにしたんだとか。
まず研究者たちは、2019年10月までに発表された該当研究をMEDLINE(PubMed)、Web of Knowledge(Web of Science)、コクランで検索してみたそうな。すると合計4,150件の研究がヒットしたとのこと。更に参考文献から手作業で調べた結果3件の研究が見つかり、灰色文献(商業出版や学術出版に載らない文献)から271件の研究が見つかったらしい。
次にこれらの研究の中で被っている物を除きつつ、質をチェック、ピックアップしていったそうです。
最終的に選ばれた研究は13件でして、以下のような特徴があったとのこと。
- 総サンプル数:384名
- 限界まで追い込む筋トレ(オールアウト)の総サンプル数:171名
- 限界まで追い込まない筋トレの総サンプル数:213名
- 研究の対象性別:男性のみの研究が9件、女性のみの研究が2件、男女の研究が2件
- 年齢傾向:対象者の大半は若年成人(86.5%)、高齢者はわずか52名(13.5%)
- 普段の運動頻度:筋トレ経験のある人の研究が4件(30.8%)、筋トレ経験のない人の研究が8件(61.5%)、軽く運動程度の筋トレ経験のある人の研究が1件(7.7%)
- 筋トレのレップ数:1~22回
- 筋トレのセット数:1~40セット
- 筋トレの強度:1RMの65%~92%
- 週の頻度:2回(46.2%)~3回(53.8%)
- 追跡期間:6週間~14週間
- 筋トレの負荷を段階的に上げたか否か:13件中5件は段階的に上げた、5件はそのまま、3件は両方試した
- 最大筋力・筋肥大・筋爆発力のどれを調べたか:13件中12件は最大筋力、4件は筋肥大、5件は筋爆発力
筋トレ研究は基本小規模な物が多いんで、これはかな~り質の高い感じですね~。
では気になる結果を見てみましょう…!
- 筋トレは限界まで追い込んでも追い込まなくても最大筋力アップに差はなかった…!(SMD=-0.08)
- サブグループ解析の結果、筋トレの負荷の違いを考慮すると、限界まで追い込まない筋トレの方が最大筋力がアップするかも…?(SMD=-0.34)
【筋肥大】
- 筋トレは限界まで追い込んだ方が、限界まで追い込まないよりも、筋肥大がアップしていた…!(SMD=0.75)
- サブグループ解析の結果、筋トレの負荷の違いを考慮すると、筋トレは限界まで追い込んでも追い込まなくても筋肥大アップに差はなかった…!(SMD=0.59)
【筋爆発力(筋力出力)】
- 筋トレは限界まで追い込んでも追い込まなくても筋爆発力(筋力出力)アップに差はなかった…!(SMD=-0.20)
- サブグループ解析の結果、筋トレの負荷の違いを考慮すると、限界まで追い込まない筋トレの方が筋爆発力がアップするかも…?(SMD=-0.61)
これは非常に興味深い結果が出ましたね~。
つまり、まとめてみると、- 筋トレは限界まで追い込んでも追い込まなくても(オールアウトにしようがしまいが)最大筋力・筋肥大・筋爆発力への影響は変わらない…!
- むしろ、筋トレは限界まで追い込まない方が、最大筋力と筋爆発力がアップする可能性すらある…!
って感じとなりましょう。
無理して限界までやらなくても辛いな~ぐらいで止めてOKってのは気分的に楽ですし、それでしっかり筋肉が育つなんて嬉しいですな。
