認知行動療法(CBT)の効果を調べた研究を片っ端から見てみる! その13
今回は、2023年に輔英科技大学が発表した、マインドフルネス認知療法はうつ病と希死念慮に有効なのかのRCTの系統的レビュー・メタ分析を見ています。
マインドフルネス認知療法はうつ病と希死念慮に有効なのか、RCTの系統的レビュー・メタ分析を行ってみた…!
まず研究者たちは、2021年12月31日までに発表された該当するRCTをAiriti Library、PsycINFO、CINAHL、コクラン、PubMed/MEDLINE、ProQuest、Index of the Taiwan Periodical Literature Systemという7つの電子データベースで検索してみたそうな。すると合計1,327件の研究がヒットしたとのこと。次にこの中で重複している研究や質の低い研究を除外していったらしい。
最終的に選ばれたRCTは13件でして、これらのデータを基に系統的レビューとメタ分析を行ってみたんだとか。
ではまず選ばれたRCT13件の特徴を見てみましょう。
- 発表された年の範囲:2008年~2019年
- うつ病患者の総サンプル数:1,159人
- うつ病患者のサンプル範囲:28人~130人
- うつ病患者の男女比の範囲:大半が女性で51.25%~79.0%
- うつ病患者の平均年齢範囲:30.0歳~48.77歳
- 平均追跡期間:1.5ヵ月~12ヵ月
- 介入回数の範囲:6回~12回
- 週の介入時間:6件の研究で16時間、1件の研究で18時間、1件の研究で20時間、1件の研究で24時間、1件の研究で10~15時間、1件の研究で12~16時間、2件の研究は謎
- 介入後の自宅での総練習時間:3件の研究で6時間、1件の研究で3~6時間、7件の研究は謎
- マインドフルネス認知療法を行う時のグループ人数:8人~15人と推奨した研究はわずか4件のみ
一般的なマインドフルネス認知療法の期間や人数に近いかと思いきや、意外とばらつきがあったみたいですね~。まぁ、基本通りやるってのはなかなか難しいですよね…。
それでは結果を見てみましょう。
- うつ病の症状のチェック方法は、ベックうつ病尺度とハミルトンうつ病評価尺度を用いていた。
- ベックうつ病尺度の結果をメタ分析した結果、マインドフルネス認知療法は小~中程度(SMD=0.349)の統計的に有意な効果があった…!
- ハミルトンうつ病評価尺度の結果をメタ分析した結果、マインドフルネス認知療法は大きく(SMD=0.838)統計的に有意な効果があった…!
- 希死念慮の結果をメタ分析した結果、マインドフルネス認知療法は大きく(SMD=0.910)統計的に有意な効果があった…!
RCTの系統的レビュー・メタ分析で、マインドフルネス認知療法はうつ病と希死念慮に効果的…!と出たのは嬉しいですね~。
個人的考察
ということでうつ病の治療にマインドフルネス認知療法は良さそうな感じ。
因みにこの研究に基づいた場合、マインドフルネス認知療法は、
- 1回のセッション:1.5~2.5時間
- 週の回数:週5回
- 実施期間:8週間
が良さそうとのこと。
約2ヶ月週5はなかなか大変ですがやる価値はあるのかな~と思った次第です。
