昨日ご紹介した2013年のハーバードビジネススクールの研究の続きを見ていきます。
今回は、皆が自分や他者に行う不安対策と、その効果についてどう思っているかを調べた研究をご紹介します。



不安対策に皆がどういった方法を使っているかパイロット研究で調べてみた…!

まず最初に行ったのがパイロット研究になりまして、これで何を調べたのかと言いますと、

  • 皆がパフォーマンス前に行う不安対策ってどんなの…?

ってこと。
このパイロット研究に参加したのは男女300人(男性159人、女性141人)でして、平均年齢は35.4歳だったそうな。まず参加者全員に、以下の2つの架空のシナリオを読んでもらったそうです。

  1. 明日、あなたは社長と取締役を含む社員全員の前で30分間のスピーチを行う予定です。あなたは非常に不安になると思います。
  2. 明日、あなたの同僚は社長と取締役を含む社員全員の前で30分間のスピーチを行う予定です。あなたの同僚は非常に不安になると思います。

次に以下の2つの質問に答えてもらったらしい。

  1. 自分にどのようなアドバイスをしますか…?(自由回答)
  2. 同僚にどのようなアドバイスをしますか…?(自由回答)

更に以下のアドバイスの中で、一番良いアドバイスはどれですか…?の質問にも答えてもらったそうです。

  1. リラックスや落ち着くようアドバイスする
  2. スピーチをキャンセルするようアドバイスする
  3. 他の人にスピーチを頼むようアドバイスする
  4. 不安になるのではなく興奮するようアドバイスする

合わせて、参加者の年齢や性別、スピーチの経験に関する質問に答えてもらったそうです。因みに参加者の自由回答の内容チェックは仮説と実験条件を知らない外部評価者2名にお願いしたとのこと。
結果、どのようなアドバイスをしますか…?の自由回答をジャンル別に分けてみると、

  • リラックスや落ち着くようアドバイス→84.94%…!
  • 不安を興奮として捉えるようアドバイス→21.45%…!
  • 不安を受け入れるようアドバイス→0%…!
  • 不安を隠すようアドバイス→0%…!
  • 不安を怒りや悲しみとして捉えるようアドバイス→0%…!

のようになっておりました。実に85%の方がリラックスや落ち着くようアドバイスしていたみたいですね。
続きまして、一番良いアドバイスはどれですか…?の回答についてはこんな感じ。

  1. リラックスや落ち着くようアドバイスする→90.97%
  2. スピーチをキャンセルするようアドバイスする→1.29%
  3. 他の人にスピーチを頼むようアドバイスする→1.29%
  4. 不安になるのではなく興奮するようアドバイスする→7.74%

やはり、リラックス…!落ち着いて…!ってアドバイスがベストだと思っている方がほとんどでしたね。予想通りですな。因みにこの結果について、年齢や性別、スピーチの経験は関係なかったとのこと。



個人的考察

ということで90%以上の人が、不安を興奮としてリアプレイジングするというアドバイスよりも、落ち着こう、リラックスしようというアドバイスの方が効果的であると思っているみたいです。