【加筆内容】新しい環境とか聞くと身構えちゃう不安な人への対策「健全な不安を手に入れる方法」その4
今回も引き続き2013年のハーバードビジネススクールの研究を見ていきます。
昨日は皆の前で歌を歌うって場合のパフォーマンス効果について見てみました。
今回は、皆の前でスピーチ(プレゼン)をするときのパフォーマンスへの影響について見ていきます。
人前でのスピーチで不安を興奮として捉え直す効果を確かめてみた…!
実験2では、仕事で良くある人前でのスピーチで、落ち着こうというアドバイスと不安を興奮として捉え直すというアドバイスの効果を調べてみたそうです。仕事では人前で話すことが普通にあり、非常に不安になりやすい場面なんでより実践的な実験ですな。
この実験は、大学生140人(男性63人、女性77人)が参加したそうで、平均年齢は20.24歳だったとのこと。
まず参加者全員に、
- あなたが仕事をする上で、良いパートナーである理由について、説得力のある公開スピーチが出来るよう準備してください
と言われ、2分間与えられたそうです。
更に参加者に、
- この実験の参加者の前でスピーチを行い、その様子はビデオカメラに記録します。そのビデオは後で委員会によってチェックされます
と伝えたそうです。
これで、不安度マックスの参加者が完成です(自分は絶対この実験に参加したくないな…。想像しただけで死ぬ)
んで、スピーチの準備が出来たら、実際にスピーチを行う前に、参加者を以下の2つのどちらかにランダムに振り分けたそうです。
- 私は興奮している…!と言ってもらう
- 私は落ち着いている…!と言ってもらう
その後、実際にカメラの前で2~3分間、スピーチを行ったということでした。スピーチ後、参加者には、実験1同様、不安や興奮、自信がどうだったか自己申告してもらったそうです。
スピーチの評価は外部評価者3名が行ったそうで、スピーチのビデオを見て、各項目を7段階評価していったとのこと。因みに評価項目はこんな感じ。
- 説得力があったか…?
- 仕事の良いパートナーになるだろうか…?
- 自信を持っていたか…?
- 自信を持っているようだったか…?
- 不安そうだったか…?
- 興奮していたか…?
- 頭が良さそう、能力が高そうか…?
- 自分が話していることを理解していたか…?
- 話の筋は通っていたか…?
- スピーチはどれぐらいの時間だったか…?
気になる結果はこんな感じとなっておりました。
- 私は興奮している…!と言った参加者は、私は落ち着いている…!と言った参加者に比べて、スピーチの評価が良かった…!
- 具体的には、より説得力がある…!能力が高そう…!自信がある…!と評価された…!
- 年齢と性別を調整しても結果は変わらなかった。
- 私は興奮している…!と言った参加者のスピーチは167秒だったのに対し、私は落ち着いている…!と言った参加者のスピーチは132秒だった。つまり長く話していた…!
- 私は興奮している…!と言った参加者は、私は落ち着いている…!と言った参加者に比べて、自己申告による興奮が高かった(興奮M=4.09、落ち着きM=4.75)
- 私は興奮している…!と言った参加者は、私は落ち着いている…!と言った参加者に比べて、自己申告による自信がわずかに高かった(興奮M=5.62、落ち着きM=5.27)
- 私は興奮している…!と言った参加者は、私は落ち着いている…!と言った参加者に比べて、自己申告による不安の有意差はなかった(興奮M=5.06、落ち着きM=5.27)。しかし、平均して不安は非常に高かった。
私は興奮している…!とリアプレイジングしたことで、落ち着こうとした人よりも、実際ワクワクし、粘り強さがアップ、更に説得力・有能さ・自信が高く評価されたってのはすごいですねー。
個人的考察
どうやら仮説通り、不安・緊張が出てきたらリアプレイジングして興奮・ワクワクしてきたと捉え直す…!が落ち着け…!リラックスだ…!ってアドバイスよりも良さそうですな。
明日は、学校のテストみたいな場合はどうなのか…?見ていきます。