運動の回復期間(インターバル期間)ってどれぐらいがベストなのか…?ってのは結構難しい問題でして、例えば多くの運動研究では週3日で月水金といった一日おきで行っている物が多かったりします。一方で、毎日運動している人もいたりします。
ここではベストな回復期間について考えていきたいと思います。



個人差はあるが24時間~48時間でOK…!回復が遅い人は72時間でOKかも…?

2015年のミドルテネシー州立大学の研究によると、筋トレの回復期間(インターバル期間)をどれぐらい取るべきか調べてみたそうです。
そもそも先行研究によれば、筋トレの運動間隔は1~7日あけることが必要だという結果が出ているんだそうな。また、一般的なガイドラインとして使われているNSCA(全米ストレングス&コンディショニング協会)によれば、

  • 重いリフティングを行う筋トレ日の回復期間は多めにする必要がある
  • 上半身は下半身よりも早く筋肉が回復する
  • 単関節運動は多関節運動よりも回復時間が少なくてOK

のようになっているらしい。
因みに単関節運動と多関節運動の違いはこんな感じ。

  • 単関節運動:1つの関節を動かす運動のこと(例:ダンベルカール
  • 多関節運動:2つ以上の関節を動かす運動のこと(例:スクワット

んがしかし、研究者によれば、NSCAのガイドラインに引用されている文献を注意深くみてみると、その文献のほとんどが古いレビュー論文だったり、他のテキストの逸話的なものを証拠としていたりしており、かなり怪しい感じとのこと。例えば、上記に挙げた上半身・下半身の回復と単関節運動・多関節運動の回復の研究は回復パターンの定量的証拠が収集されていないみたい。
そこで研究者たちは、上半身・下半身の回復と単関節運動・多関節運動の回復について調べ直してみたそうです。
この研究は男性大学生10人(年齢26±6歳、身長176±6cm、体重83.1±8.2kg、体脂肪率11.0±3.0%)が参加したもので、筋トレを10RMの85%で8回繰り返したのち、10RMの100%で出来なくなるまで行ってもらったそうな。つまり、限界まで追い込んで筋トレしてもらったってことですね。
その後、クロスオーバーデザインを用いて参加者は24時間休憩又は48時間休憩を取ってもらったらしい。そしてまた筋トレという流れを繰り返したそうです。因みに筋トレの内訳は、上半身の筋トレ5種目・下半身の筋トレ5種目、単関節運動の筋トレ6種目、多関節運動の筋トレ4種目って感じだったみたい。
気になる結果は、

  • 24時間~48時間の休憩で全ての参加者はパフォーマンスが回復していた…!
  • 但し、24時間の休憩でベースラインと比べてみると、多関節運動(-1.7±1.5回)よりも単関節運動(-0.5±1.8回)の方がより早く回復していた…!
  • 上半身は下半身よりも早く筋肉が回復する…!って話を支持する根拠は見当たらなかった…!
  • ベンチプレス(70%回復)とデッドリフト(60%回復)を除く全ての種目で、48時間後には参加者の80%がほぼ全回復していた…!

とのこと。
これをみるに筋トレは毎日(24時間休憩)でもある程度は行けそうな感じがしますし、1日おき(48時間休憩)なら尚手堅い…!って感じですね。但し、サンプルが10人なのと個人差が大きそうなのが何とも言えませんが…。
因みに回復の遅い参加者は多関節運動のデッドリフトに72時間の休憩を実施した方が良いかも…?ってことなんで、個人差も含めて全回復を確実にしたいなら72時間の休憩が必要そうです。



1日おきを基本にしつつたまに2日おきにすると良いかも…!

2006年のアラバマ大学ヒューマンパフォーマンス研究所の研究によると、筋トレの回復期間(インターバル期間)をどれぐらい取るべきか調べてみたそうです。
具体的には、男子大学生10名を対象に6つの筋トレメニューを10RMの負荷で限界まで3セットずつ行ってもらったらしい。次に回復期間として以下の4パターンの方法を試してみたんだとか。

  1. 48時間(2日間)空ける
  2. 72時間(3日間)空ける
  3. 96時間(4日間)空ける
  4. 120時間(5日間)空ける

この方法を2回ずつ試してもらったそうで、最後に、スタート時とインターバル後の筋トレパフォーマンスを比較したそうです。
結果は、

  • 参加者の80%がスタート時の筋力レベルに戻っていた…!
  • 72時間(3日間)空けると完全回復していた…!
  • 但し、筋肉の部位による回復のばらつきが大きく、その差は20~70%も違った…!

とのこと。
どうやら基本的に48時間、つまり1日おきに筋トレすれば良い感じでして、完全回復を求めるなら2日おきになりそうですね。
月水金を筋トレ、火木土日休みってのはかなり理にかなっている頻度みたいですな。



個人的考察

HIITの研究や筋トレの研究などの多くは週3日の月水金で行うことが多いですが、あれは結構的を得た回復期間なのかもしれませんね。
とりあえず自分の回復期間がどれぐらいかをみつつ、毎日or1日おきに運動し、疲れが取れきれないときは3日間空けるのがよろしいかと思います(因みに私は日課になっているので基本毎日ジムに行ってます)



参考文献