【まとめ】はるか昔はガン(癌・がん)になる人はレアケースだった!それを踏まえてどう予防していくべきか?
今回はガン(癌・がん)についての研究を見ていきます。
まずはがんがどれぐらい世界で起こっているかみつつ、その後、太古の昔はガンになる人はほぼいなかったって話がありましたんでご紹介。
世界がん統計2022年バージョンを見てみよう…!
2024年の国際がん研究機関(IARC)の研究によると、がんの発症率と死亡率について調べてみたそうです。この研究は、世界がん観測所(GCO)のデータベースを用いたもので、2022年時点のがん発症率と死亡率を36種類のがんからチェックしたと言うもの。サンプルは世界185の国や地域の男女が選ばれておりまして、年齢は、0~4歳、5~9歳…、80~84歳、85歳以上と18グループに分けて調べております。
んでまず大枠の結果なんですが、
- 男女を合わせると2022年時点で、新たにがんを発症した人は約2,000万人だった…!
- また、がんによる死亡者数は970万人だった…!
とのこと。やっぱり世界的な問題ですね。
因みに2022年時点では、世界全体のがん発症率の約半分(49.2%)とがんによる死亡率の大部分(56.1%)がアジアで発生していると推定されるんだとか。これだけみるとアジアは特に大きな問題のようにも感じますが、世界人口の59.2%がアジアということなんで、ここは特に気にしなくてもよろしい感じ。
続いて、生涯におけるがん発症率と死亡率なんですが、
- 男性・女性のおよそ5人に1人が生涯でがんを発症する…!
- 男性のおよそ9人に1人はがんにより死亡する…!
- 女性のおよそ12人に1人はがんにより死亡する…!
とのこと。
これらを見ると、がんになる可能性やがんにより亡くなる可能性はかなり高いと言えますね。
更に男女ともにトップ10のがんは、発症及び死亡の60%以上を占めていたそうなんで、皆さん似た種類のがんになったり死亡するみたいです。では次にその辺をもうちょい詳しく見てみましょう。
2022年時点でどのようながんを発症している人が多いのかトップ10を見てみましょうか。
- 肺がん:12.4%
- 女性の乳がん:11.6%
- 大腸がん:9.6%
- 前立腺がん:7.3%
- 胃がん:4.9%
- 肝臓がん:4.3%
- 甲状腺がん:4.1%
- 子宮頸がん:3.3%
- 膀胱がん:3.1%
- 非ホジキンリンパ腫(血液のがん):2.8%
次は2022年時点でどのようながんで死亡している人が多いのかトップ10を見てみましょうか。
- 肺がん18.7%
- 大腸がん9.3%
- 肝臓がん7.8%
- 女性の乳がん6.9%
- 胃がん6.8%
- 膵臓がん4.8%
- 食道がん4.6%
- 前立腺がん4.1%
- 子宮頸がん3.6%
- 膀胱がん2.3%
- 白血病(血液のがん)3.1%
肺がんのヤバさが如実に表れておりますな。
因みに肺がんは約250万人(12.4%)が新規に発症しており、また、死亡率についても推定180万人(18.7%)ってことで、世界のがんの約8分の1を占めているみたい。恐ろしい…。
更に男女別に見た場合もチェックしておきますと、
- 女性:乳がんの発症率・死亡率が最も多い。次いで、発症率・死亡率の両方で肺がんと大腸がんが多い
- 男性:肺がんの発症率・死亡率が最も多い。次いで、発症率は前立腺がんと大腸がんが多く、死亡率は肝臓がんと大腸がんが多い
とのこと。
すこーし違いはありますが共通している部分が多いですね。
最後に2050年にはどうなっているか…?って予測も計算していたんで、こちらも見ておきます。
- 人口増加と高齢化により、2050年には3,500万人を超える新規のがんが発症すると予想される。
- これは、2022年の2,000万人から77%も増えることを意味している。
ということで、がんは今後ますます増えていくと予想されているみたいです。
但し、研究者は主ながんリスク要因である、喫煙、過体重と肥満、感染症なんかの対策をしっかり行えば、今後数百万人のがんを回避できるとおっしゃっておりました。
これをみて、完璧にはがんは防げないものの、やっぱり日々の積み重ねが大事なんだな~と思いましたね。
ガボンのランバレネ地域の人々を16年間診療したがガンはかなりレアケースだった…!
1967年のがん国際研究協同組合(CANCIRCO)の研究によると、ガボンのランバレネに住む先住民族のガン発症率について調べてみたそうです。
この研究は、西アフリカの赤道直下の国であるガボンのランバレネという地域にあるアルベルト・シュヴァイツァー医師の病院の診察記録を使ったもので、1950年~1965年の16年間で診療した64,297名のデータとガンについて照らし合わせたもの。
結果は、
- 肝臓ガンは見つかったが他のガンは一切見つからなかった…!
- 上咽頭ガンや食道ガンも全く見つからなかった…!
- 若者のガンもほとんど見つからず、子どもに至っては白血病やバーキットリンパ腫が全く見つからなかった…!
とのこと。
太古の生活を維持し続けている人はどうやらガンにかかることはかなりレアケースみたいですね。
世界のガン発症率データを見ても明らかに太古の生活をしている人が多い地域では発症率が低かった…!
WHOは世界のガン発症率のデータを分かりやすい形で公表しておりまして、リンクからご覧いただくと分かる通り、明らかに昔の生活を守っている人が多い地域でのガン発症率が低い傾向にあるんですよね。
例えば、近代化が進んでおらず、狩猟採集生活を今でも行っている人が多いアフリカ地域なんかは日本やアメリカ、ヨーロッパの地域より明らかにガン発症率が少ない感じとなっております。
これらを見てもやはり昔はガンは稀だったってのは納得できるでしょう。
病気と無縁な生活を送っている健康長寿なフンザ族を調べたロバート・マッカリソン博士のお話
1921年のロバート・マッカリソン博士の書籍「欠乏症の研究(Studies in deficiency diseases)」によると、フンザ族の健康の秘訣について調べてみたそうです。まずフンザ族ってのは、パキスタン・ヒマラヤ山脈の秘境に住んでいる老化を止める術を身につけた民族と噂されていた人たちのことでして、100歳を超えても尚、若々しく活動的であり続けている老人が普通にいたそうな。そしてフンザ族は、現代人がかかりやすいとされる病気とは無縁な生活を送っていたらしい。
例えば、ガンや心疾患、高血圧、小児疾患などになるケースは極めて珍しいそうです。また、非行少年もいないし、離婚もめったになく、そもそも刑務所や警察、軍隊もないって感じだそうで、なんでも150年間、犯罪が起こったという記録もないんだとか。すごいですな。
そんなフンザ族の健康長寿の秘訣を知るため、ロバート・マッカリソン博士は現代人との違いをチェックしてみたらしい。その結果、
- 現代人とフンザ族との唯一の違いは食生活だった…!
そうです。
具体的には、以下の物を食べていたんだとか。
続いて、食事や生活のポイントについてもまとめてくれております。
- ほとんどの食品は生で食べる。
- 土壌、人々の食事、家畜のエサにも農薬や添加物、化学肥料は一切使用しない。
- 乾燥させた保存食である野菜や果物は全て太陽と空気にさらされ放置されている。
- 異物の処理も一切していない。
- 子供はみな母乳で育っている。男の子は3年間、女の子は2年間母乳で育てられる。
- 出産前のケアは特になく、母親の健康がそのまま乳児に受け継がれる。
- 夜食をする人はいない。
- 間食をする人もいない。
- 太りすぎの人はほとんどいない。
- 少食である。
- 食生活は質素である。
- 動物性脂肪はほとんど摂らず、魚も食べない。
- なのにエネルギッシュで絶えず活動している。
原始的な生活に近いですねー。
では、この食生活の違いが本当にフンザ族の健康長寿の秘訣なのか…?ってことで、マッカリソン博士は1927年に動物実験を行ってみたそうです。
まず一つ目の実験では、健康なアルビノラット約1,200匹を新鮮な空気と日光、快適さ、清潔さを備えた良好な環境で育ててみたそうな。
その際、併せてフンザ族の食事(以下「フンザ食」)を食べさせたらしい。
因みにラットに与えたフンザ食は、
- チャパティ(全粒穀物を使った薄焼きのパン)に新鮮なバターを薄く塗ったもの
- 発芽させた豆
- 新鮮な生のニンジン
- 生のキャベツ
- 生の牛乳
- 週に一度だけ少量の骨付き肉
- 豊富な水
とのこと。
実験期間は27ヶ月間でして、ラットの年齢は人間に換算すると50歳ぐらいになったみたい。
最後にラットの健康状態を見た結果、
- ラットは全く病気になっていなかった…!
- 自然死した大人のラットもいなかった…!
- 子どものラットの死亡例もなかった…!
- 隠れた病気の証拠を見つけることもできなかった…!
そうです。
病気とは無縁、健康そのものって感じだったみたいですな。すごい…。
続いて二つ目の実験では、病気のラットを用意し、フンザ食をエサとして与えてみたそうです。すると、全部のラットが元気になったとのこと。これにはマッカリソン博士も驚いたということです。
そして、三つ目の実験では、ラット2,243匹を清潔で快適な環境に置きつつ、現代食をエサとして与えてみたそうです。
因みに現代食とは、米や豆類、調理した野菜、加工食品って感じだったみたい。
この現代食をラットが食べ続けた結果、
- 様々な病気やメンタルの不調に悩まされるようになった…。
そうです。
フンザ食を食べたラットは、驚くほど健康で活力もあり、メンタル安定、すくすく成長し、病気と無縁で健康な子孫を残し、臓器の異常もほぼなし…!って感じだったんで真逆ですな。
3つの実験からマッカリソン博士はこのように述べておりました。
- 不健康な状態の全ては、感染症の有無に関わらず、栄養不良という共通の原因を持っていた。健康な成長期のラットに、体型の良い人と同じような食事を与えたところ、ラットの体格も健康状態も良かった。体型の悪い人と同じような食事を与えたところ、ラットの体格も健康状態も悪かった。体型が普通の人と同じような食事を与えたところ、ラットの体格も健康状態も普通だった。
更にマッカリソン博士は後の実験で、ラットに当時のイギリスの貧しい階級の人の食事を与えた実験もしております。
貧しい階級の人の食事の具体例は、
って感じ。
この食事を続けたラットは、
- あらゆる病気を発症しただけでなく、メンタルもボロボロになった…。
- 神経質で、噛むことが多かった…。
- 実験開始から60日後には、弱いラットを殺して食べるようになった…。
とのこと。
加工食品でメンタル悪化ってのはラットでも人間でも起こるんですね…。
約100年前である1921年の時点で、マッカリソン博士は不健康の大部分を引き起こしているのが食事だ…!ってことを、科学的根拠に基づいて述べているのはすごいですな。
ガンの発症率アップの原因は食事と既知の健康危険因子…!
1981年のイェール大学の研究によると、西洋の病気の発症と予防についてレビューしてみたそうです。
このレビューでは、世界中のあらゆる地域から集められた集団の人口統計や食文化、疾患率や死亡率をチェックしておりまして、具体的にはエスキモー(イヌイット)やオーストラリアの原住民、太平洋諸島の民族、南アフリカの人々、ハワイの民族、台湾と中国の人々などを調べたんだとか。また34人の研究者の大半が医師だったそうで、実際に上記の人たちとともに生活し、仕事をした経験が豊富とのこと。生活スタイルとしては狩猟採集民族、農耕民族、移住民族、混血民族、極東の民族なんかがいたそうで、共通点も見つかったそうな。
ということで全てに共通していたのは、
この研究は2001年に世界中のガンで亡くなった方々700万人を対象にしたものでして、年齢や性別、国や地域ごとにガンリスクの危険因子をチェックしたそうな。
んでまず大事なポイントが、
- 700万人のうちガンで死亡したのは推定243万人(35%)だった…!
ってこと。つまり3人に1人以上はガンで亡くなっていたんですよ。
でもこの話には続きがございまして、このガンで死亡した方々は9つの危険因子を対策しておけば避けられたってことなんですな。うわー、9つ気になる…。
ということで9つを以下に並べておきます…!
先進国や発展途上国をまとめるとこのようになるんですね。
- 243万人のうち76万人が高所得国で死亡していた。
- 243万人のうち167万人が低・中所得国で死亡していた。
- 高所得国の方がガンによる死亡人数は少ないが、高所得者は世界人口のわずか15%のため大半は低・中所得国と言える。
- 子宮頸がん以外の様々なガンは低・中所得国よりも高所得国の方が多かった…!
- 子宮頸がんは主に性行為による感染症が原因であり低・中所得国の女性に多かった…!
- 高所得国でのガンの原因として高い要因は、タバコ、お酒、肥満だった…!
- 低・中所得国でのガンの原因として高い要因は、タバコ、お酒、果物と野菜の摂取量の少なさだった…!
- 喫煙だけで世界のガン死亡率の21%を引き起こしていると推定された…!
- 飲酒、果物と野菜の摂取量の少なさは、それぞれ世界のガン死亡率の5%を引き起こしていると推定された…!
- 低・中所得地域の中でガンの死亡率が最も高かったのはヨーロッパと中央アジアだった(39%)
- 逆にガンの死亡率が最も低かったのはアフリカや中東だった(24%)
- 男性のガン死亡率が160万人、女性のガン死亡率が83万人と男性が女性の2倍も高かった…!
ガンリスクをみると群を抜いているのがやはりタバコで次いでお酒と食事(果物と野菜の摂取量の少なさ)みたいです。
また上記で挙げた9つを対策しておくことによって、30~40%ほどガン死亡リスクを予防できそうですな。
ガンになりたくないなら兎にも角にも禁煙…!次に食事・お酒・肥満対策…!
2011年の王立がん研究基金の研究によると、イギリスにおけるライフスタイルと環境要因によるガンリスクの割合について調べてみたそうです。
具体的には、2010年にイギリスで発生した18種類のガンのうち、原因と考えられる14の危険因子について調べてみたとのこと。
それではまずその14の危険因子ってのをチェックしておきましょうか。
次にこの14の危険因子が原因の場合はどれぐらいだったかですが、なんでも2010年のイギリスのガンのうち42.7%(男性45.3%、女性40.1%)だったそうな。そしてこの14の危険因子の中で最もヤバかったのがタバコでして、2010年の全ての種類の新規ガン発症例の19.4%も関係があったらしい。
更にこの研究ではタバコ以外でのヤバさってのを男女別に調べておりまして男性の場合は、
- 野菜と果物の摂取不足:6.1%…!
- 職業上の問題:4.9%…!
- お酒の摂取:4.6%…!
って感じで女性の場合は、
- 肥満(特に乳がんリスクが高まる):6.9%…!
- 感染性にかかる:3.7%…!
となっておりました。
それと男女全体は下記グラフが参考になるかと思いますので併せてみておきましょう(クリック又はタップで拡大できます)
まとめとしては、
- 喫煙・食事・飲酒・肥満は2010年にイギリスで発症したガンの34%を占めていた…!
- 喫煙・食事・飲酒・肥満は14の危険因子によるガン発症全体のほぼ5分の4を占めていた…!
のような形です。
上記で紹介した研究とほとんど同じ感じで、健康危険因子を対策しておけば30~40%ほどガンを予防できそうですし、その中でも圧倒的にタバコがヤバくて、その次に食事・お酒・肥満がくるみたいですな。
全部のがん発症率・死亡率のうち遺伝的要因はわずか5~10%…!残りの90~95%は生活習慣が要因…!ではどう予防・対策すべきか…?
2008年のテキサス大学MDアンダーソンがんセンターの研究によると、がんによる遺伝的要因と生活習慣の要因について調べてみたそうです。んで、まずこの研究のタイトルなんですが
- がんは予防可能な病気…!生活習慣を大きく変えよう…!
みたいな感じになっております。
もう結論が出ましたね。めでたしめでたし…。
…ということで、結論は分かったんですが、もう少し詳しく…!って方も(わずかかもしれませんが)いることでしょう(笑)
なんで、もうちょい見ていきますね~。
まず、タイトルの通り、研究者たちは、これまでのがん研究を見直しておりまして、
- がんは生活習慣を大きく変えることで予防できる病気だ
と、おっしゃっておりました。
では、具体的に遺伝的要因と生活習慣の要因がどのぐらいの影響なのかですが、
- がん症例全体のわずか5~10%のみが遺伝的要因…!
- 残りの90~95%は環境とライフスタイル、つまり生活習慣が要因…!
とのこと。
つまりほとんど生活習慣で決定すると言っても過言ではない感じ…。がん家系だからってのは何だったのか…。
そのため、研究者曰く、
- 遺伝的要因は修正できないが、ライフスタイルと環境といった要因は修正できる可能性がある。そして、がんの遺伝的要因は少なく、生活習慣の要因は修正可能であるということは、がんが予防可能であることを示している
とのこと。
確かに修正可能な要因が90~95%って言うんだから、その結論になりますわな。
となると、がんの発症率と死亡率に影響を与える重要な生活習慣の要因とはなんだ…?ってなるんですが、タバコ、アルコール、食事、肥満(運動不足)、感染症、環境汚染、放射線
などとなります。
それでは一つずつ見ていきますかー。
がん要因①:タバコ
タバコとがんの関係は言わずもがなでしょう。肺がんを筆頭に少なくとも14種類のがんの発症リスクと関係があるタバコ。
がんによる死亡者全体の約25~30%、肺がんによる死亡者の実に87%はタバコによるものとなっております。
また、非喫煙者と比較すると、
- 男性喫煙者の肺がん発症リスクは23倍…!
- 女性喫煙者の肺がん発症リスクは17倍…!
っていうんだから驚きです。
因みに、タバコには少なくとも50種類の発がん性物質が含まれているそうなんで、この数字をたたき出すのも納得できるお話。
がん要因②:アルコール(お酒)
アルコール(お酒)と食道がんリスクの増加の最初の報告は1910年に遡るんだそうな。その後多くの研究により、慢性的なアルコールの摂取は、口腔がん、咽頭がん、下咽頭がん、喉頭がん、肝臓がん、膵臓がん、乳がんのリスクも高めることが明らかになっているらしい。
またアルコールの摂取量が1日に10g増えるごとに乳がんリスクが7.1%もアップするそうな。更に、アルコールの摂取量が1日に50〜70g以上と大量な方の場合、肝臓がんと大腸がんのリスクが爆発的に上がるらしい。
因みに食道がんの25~68%がアルコールが原因らしく、禁酒と禁煙によって最大80%を予防できるんだとか。
そんなアルコールによる影響は、がんによる死亡者全体の3.5%とのこと。
そんなアルコールによる影響は、がんによる死亡者全体の3.5%とのこと。
がん要因③:食事
がんの死亡者のうち約30~35%は食生活に関係していると予想されるとのこと。
そして食生活ががんによる死亡にどの程度影響するかは、がんの種類によって大きく異なるんだそうな。例えば、大腸がん(結腸直腸がん)による死亡リスクは、最大70%は食生活が原因とのこと。
また、赤身肉の大量摂取もヤバそうで、いくつかのがん、特に消化管がんのリスクを大幅に上げるらしい。具体的には、大腸がん、前立腺がん、膀胱がん、乳がん、胃がん、膵臓がん、口腔がんって感じ。但し、肉の摂取により肺がんリスクが減ったなんて話もあるんで、複雑な部分もあったり致します。
それと忘れちゃいけないのが加工肉のヤバさ。加工肉には亜硝酸塩(肉をきれいなピンク色に見せるために使う保存料)と硝酸塩(保存料)が入っていることが多いですが、主にボツリヌス菌対策で使用されます。これだけなら良いものの、強力な発がん性物質でもあるんですよね。また食品添加物も長期的な摂取はがん発症と関係あるみたい。
がん要因④:肥満(運動不足)
肥満は、結腸がん、乳がん(閉経後女性)、子宮体がん、腎臓がん、食道がん、胃がん、膵臓がん、前立腺がん、胆嚢がん、肝臓がんによる死亡率の上昇と関連しているそうです。また死亡率全体でみてみると、男性の14%、女性の20%は、過体重や肥満が原因の可能性があったそうな。つまり10~20%ってことですね。
そして近代化や西洋スタイルの食事は、多くの発展途上国における、太りすぎの増加と関係しているとのこと。この辺は、
に載っている西洋スタイルの食事研究や狩猟採集民研究を見てみるとよろしいかと。
がん要因⑤:感染症
世界のがんと感染症の関係は約17.8%、つまり15~20%であるんだとか。
感染症によって引き起こされるがんのほとんどはウイルスによるものとのこと。具体的には、子宮頸がん、外陰がん、陰茎がん、皮膚がん、上咽頭がん、バーキットリンパ腫、ホジキンリンパ腫、カポジ肉腫、成人T細胞白血病リンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、肝臓がんのリスクと関係があるらしい。
がん要因⑥:環境汚染
環境汚染は様々ながんとの関係が分かっているそうです。特に大気汚染物質の多くは、がん、特に肺がんのリスクを高めるそうな。
がん要因⑦:放射線
がん全体の最大10%は、放射性物質や紫外線(UV)などによって引き起こされるとのこと。放射線によって引き起こされるがんには、一部の種類の白血病、リンパ腫、甲状腺がん、皮膚がん、肉腫(サルコーマ)、肺がん、乳がんなどがあるんだとか。
ここまでのまとめ
では、ここまでのポイントをまとめておきましょう。- 全部のがん発症率・死亡率のうち、遺伝的要因はわずか5~10%…!残りの90~95%は生活習慣が要因…!
- つまり、がんはライフスタイルでかなり予防できる…!
- 全部のがん発症率・死亡率のうち、タバコの要因は約25~30%…!
- 全部のがん発症率・死亡率のうち、食事の要因は約30~35%…!
- 全部のがん発症率・死亡率のうち、感染症の要因は約15~20%…!
- 全部のがん発症率・死亡率のうち、肥満の要因は約10~20%…!
- 全部のがん発症率・死亡率のうち、その他の要因は約10~15%…!
がん予防・がん対策
ではがん要因のポイントを抑えましたんで、ここからは予防・対策を考えていきましょう。
もう見えているところがほとんどですが、以下がそのポイントということです。
う~ん。普通。
普通過ぎるけど、やっぱこれがコンセンサスであり、基礎基本なんですね…。
因みに、こんなん無理だ…!とか聞こえてきそうなんですが、そんな人へのアドバイスも研究者たちは行っておりまして、
- 肺がんの患者さんのほぼ90%は喫煙者…!
- タバコ+アルコールで、がん細胞は相乗的に成長する…!
- 無煙タバコは世界中で40万件(全部のがんの4%)の口腔がんの原因…!
ってところがあるので、研究者曰く、
- したがって、タバコ製品を避け、アルコールの消費量を最小限に抑えることは、がんの発症率に大きな影響を与える可能性がある
としています。
つまり、
- まずは禁煙と禁酒だ…!
ってことですね。
うわっ、こっちも超普通…。
ということで、がんは自分でほとんど予防できるって話でした。
因みに研究者曰く、
- このレビューでは、炎症(慢性炎症)が、がんを引き起こす因子とそれを予防する因子とのつながりであるという証拠を示している
ってことなんで、慢性炎症が原因と結論付けております。
個人的考察
ということで、禁煙・食事・禁酒・運動・肥満予防を意識して心がけておきたいですねー。
また食事については、加工食品は食べない…!未加工食品を食べる…!ってことになりましょう。
参考文献
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/abs/10.1002/ijc.2910020415