「完璧主義」は良いのか悪いのか?活かすにはどうすべきか?考えてみる! その8
先週の続きです。
成人における完璧主義と精神障がいの関係について系統的レビューとメタ分析を行ってみた…!
2023年のカーティン大学の研究によると、成人における完璧主義と精神障がいの関係について系統的レビューとメタ分析を行ってみたそうです。
実は以前にも似たようなメタ分析は行われておりまして、例えば2016年のカーティン大学などのメタ分析を見てみると、完璧主義的懸念な成人は、臨床サンプルだと、
- うつ病:r=0.40
- 不安障害:r=0.30
- 強迫性障害:r=0.35
非臨床サンプルだと、
- うつ病:r=0.39
- 不安障害:r=0.35
- 強迫性障害:r=0.30
って感じで、中程度の正の相関関係があったんですな。
一方で完璧主義的努力な成人の場合、有意な相関関係はあったもののその効果は小さかったみたい。
ただ、このメタ分析を行ってから、まぁまぁな期間が空いたため改めて行ってみることにしたんだとか。
まず研究者たちは、2022年11月8日までに発表された該当研究を、Web of Science、Medline、Scopus、ProQuestで検索してみたそうな。すると全部で8,087件の研究がヒットしたとのこと。次にこの中で重複している研究や質の低い研究を除いていったらしい。
最終的に残った研究は416件でして、以下の特徴があったんだとか。
【臨床サンプルにおける完璧主義的懸念と精神障がいの関係】
- うつ病:r=0.43(有意な中程度の正の相関関係あり)
- 全般性不安障害:r=0.39(有意な中程度の正の相関関係あり)
- 社交不安障害:r=0.43(有意な中程度の正の相関関係あり)
- 強迫性障害:r=0.43(有意な中程度の正の相関関係あり)
【非臨床サンプルにおける完璧主義的懸念と精神障がいの関係】
- うつ病:r=0.41(有意な中程度の正の相関関係あり)
- 全般性不安障害:r=0.38(有意な中程度の正の相関関係あり)
- 社交不安障害:r=0.41(有意な中程度の正の相関関係あり)
- 強迫性障害:r=0.39(有意な中程度の正の相関関係あり)
【臨床サンプルにおける完璧主義的努力と精神障がいの関係】
- うつ病:r=0.21(有意な小さな正の相関関係あり)
- 全般性不安障害:r=0.12(有意な小さな正の相関関係あり)
- 社交不安障害:r=0.07(相関関係なし)
- 強迫性障害:r=0.16(有意な小さな正の相関関係あり)
【非臨床サンプルにおける完璧主義的努力と精神障がいの関係】
- うつ病:r=0.07(有意な相関関係はあったが効果量はほぼなし)
- 全般性不安障害:r=0.10(有意な小さな正の相関関係あり)
- 社交不安障害:r=0.04(相関関係なし)
- 強迫性障害:r=0.19(有意な小さな正の相関関係あり)
ちょっとまとめてみますと、
- 完璧主義的懸念も完璧主義的努力も精神障がいと関係はありそう…!
- 完璧主義的懸念は完璧主義的努力よりも相関関係が強い…!
- 完璧主義的努力は全体的に効果が小さく、ほとんど関係ない、全く関係ない物もある…!
って感じでしょうか。
やはり完璧主義的懸念は精神障がいと関わりが強そうですねー。
因みに研究者は今後、この因果関係を調べた方が良いよねーとおっしゃっておりました。この結果では、精神障がいの人は完璧主義が多いのか、完璧主義の人は精神障がいを発症しやすいのかが分かりませんからねー。
個人的考察
次回は若者における完璧主義と精神障がいの関係の研究を見てみます。
