メンタル安定に栄養が大事!ってのは耳にタコでしょう。
では具体的にどのような栄養素が大事なのかと言われるとちょっと困っちゃいますよね。
そこで今回はそこん所をまとめたレビュー論文を見ていきたいと思います。



うつ病と栄養(食事)の関係についてレビューしてみた…!

2008年のJSSメディカル大学の研究によると、うつ病と栄養の関係について先行研究をレビューしてみたそうです。
この研究は、メンタルの健康には様々な栄養素が重要だって研究がたくさんあるから、2008年の時点でのこれらの研究結果をまとめてみよう…!となったみたい。因みにメインはうつ病との関係についてとのこと。それではポイントをバーッと見ていきますかー。

  • 炭水化物:炭水化物は気分や行動に影響を与えることがわかっている。そして、幸せホルモンとして有名なセロトニンやその材料になるトリプトファンの生成にかかわっている食材でもある。そのため、糖質制限はうつ病リスクが高くなる傾向がある
  • タンパク質:12種類のアミノ酸は体内で生成され、残りの8種類(必須アミノ酸)は食事から摂取する必要がある。そして質の高いタンパク質食には全ての必須アミノ酸が含まれている。たとえば、肉(特に質の高い肉)牛乳などの乳製品などである。因みに豆類や穀物などの植物性タンパク質の場合、必須アミノ酸が1,2種類少ない場合があるので動物性タンパク質の方が良い。脳内神経伝達物質の多くはアミノ酸から作られており、ドーパミンはチロシンから、セロトニンはトリプトファンから作られる。チロシンやトリプトファンが足りないと神経伝達物質の合成が不十分になり、気分の落ち込みや攻撃性がアップしてしまう。
  • オメガ3脂肪酸:脳は、脂質(脂肪)レベルが最も高い臓器の1つである。例えば、灰白質は多価不飽和脂肪酸が50%含まれており、そのうちの約33%はオメガ3脂肪酸である。そして2000年のアリゾナ大学の研究によれば、オメガ3脂肪酸とオメガ6脂肪酸の比率の崩れ、オメガ3脂肪酸の欠乏がうつ症状の原因の可能性があるとのこと。
  • ビタミンB群:栄養とうつ病は間違いなく関係している。特にメンタル改善にはビタミンB2とB6が関係している。また女性や高齢者の場合、ビタミンB1も関係している可能性がある。更にビタミンB12は脳機能と認知機能が深く関わっている。うつ病患者さんの血中葉酸濃度は健康な方よりも平均25%低いという研究結果もある。但し、うつ症状になると葉酸が足りなくなるのか葉酸が足りなくなるとうつ症状が出るのか因果関係は不明。
  • カルシウムSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)は骨へのカルシウム吸収を邪魔する働きがある。また血圧低下を引き起こす可能性もある。そのため、転んでの骨折や骨粗しょう症リスクが高くなる。
  • クロム:人間のうつ病におけるクロムの関係性に関する研究は多くあり、メンタル安定における重要な微量栄養素の可能性が高い。
  • ヨウ素:ヨウ素はメンタル安定に重要な役割を持っている。甲状腺ホルモンから出るヨウ素は、脳細胞のエネルギー代謝に関わっており、特に妊娠中の食事からヨウ素を減らすと重度の脳機能障害が起きる可能性があり、最悪クレチン症(先天性の甲状腺ホルモンの欠乏疾患)の発症の恐れも。
  • :鉄欠乏症は、ADHD(注意欠陥多動性障害・注意欠如多動性障害)のある子どもに多くみられる。また鉄欠乏症を伴う乳児の貧血は認知機能における発達障害と関係している。女性はうつ病リスクが男性に比べ高いが、これは鉄欠乏(貧血)が多いからではないかといわれている。
  • リチウム:抗そう薬、抗うつ薬など、双極性障害の治療薬として使用されている。但しリチウムは毒性があるため注意が必要。
  • セレン2002年のウェールズ大学大規模レビュー論文によると、少なくとも5つの研究からセレンの摂取量が少ないこととメンタルの落ち込みが関係していたとのこと。またセレンの摂取量を増やすと気分が改善し、不安感が減ったって報告もある。
  • 亜鉛:亜鉛は味覚に関係するミネラルで、うつ病患者さんは亜鉛レベルが低いことが多い。また亜鉛が抗うつ薬として有効な可能性もある。



個人的考察

上記を見ているとカロリーの質の高い食事を気にしつつ、


っていう普通な結論になりそうですねー。
やっぱ何事も基礎基本が大事ということで。



参考文献